最近ある日本人さんが、「つくば市指定のゴミ袋が手に入らない!」とSNSで悲鳴を上げていた。
その理由は、いま中国の上海がロックダウン状態にあるから。
企業活動がストップしている影響をモロに受けて、ゴミ袋の入荷ができなくなっているらしい。
2年前に中国でコロナが流行したしたとき、今回と同じ理由で、中国で生産される自転車や紳士服が日本に入ってこなくて販売店がかなり困っていたし、いくつものアニメが放送延期になった。
いまの日中の互いに対する印象は、ハッキリ言ってかなり悪い。
それは間違いないとしても、経済的には、もう切り離すことができないほど緊密な関係を築いている。
何だかんだで接点の多い今だからこそ、中国人を刺激しないよう日本人が注意したほうがいい言葉や数字がある。
234年(覚えやすい!)の五丈原の戦いで、天下統一の夢を果たせず亡くなった蜀の天才軍師・諸葛孔明。
そんな孔明が21世紀の渋谷に転生して、歌姫を目指す若い女性シンガーの軍師となって、その夢をかなえるためにさまざまな策を練るというアニメ『パリピ孔明』がいま絶賛放送中だ。
で、このまえ放送されたこのアニメで、トラックのナンバープレートが中国人や台湾人を怒らせたという。
中国文化圏で“炎上”した数字がこれ。
「47-291」
この数字は「シナニクイ(支那憎い)」と読めるから、「中国を侮辱している!」とネット上で問題となっていると、中国人がSNSに投稿しているのを見て初めて知った。
「支那」とは戦前戦中の日本人が使っていた中国の呼び方で、現在では侮辱語になるから、テレビやラジオなどではNGワードになっている。
ラーメンを「支那そば」とする店もある。
これを見た中国人が「中国から伝わった料理に、「支那」という言葉を使うのは本当に失礼です!」と怒るのもやむなし。
「47-291」が中国で炎上騒ぎになったことについて、日本のネット民はこう思った。
・日本人ほど三国志を好きな国はないぞ
中華料理も好きだしこんなに中国愛してる国他にねえだろ
・何で日本人はこんな中国の偉人使いまくるんだよ
他の国が日本の偉人魔改造したら絶対日本人怒るだろ
・考えすぎよ
・アニメの頭文字Dでは暴走族が46-491 とか最終回で86-239(ハチロクにサンキュー)とかあったな
・これはつくったやつが悪いわ
「三国志」なら車のナンバーは「35-94」でOKじゃね? という気もするけど、四ケタだと同じのナンバーの車がリアル世界の日本にあるかもしれない。
だから、アニメやマンガの中の仮想世界の日本では、五ケタの番号が使われることがある。
それで制作側が任意で好きな数字を作るとなると、遊び心が出てきて、特定の意味を持たせることは十分考えられる。
だから、「47-291」がホントに「支那憎い」だった可能性は捨てきれない。
でもひょっとしたら、「この場面の担当者の出身地が、47都道府県の291(福井)だった」という意味かも。
いまのアニメではスタッフロールに中国人の名前をよく見るし、中国企業との共同作業はもはや当たり前。
中国人を怒らせてメリットは何もないし、『パリピ孔明』には作者の中国愛を感じるから、下請け会社の日本人スタッフが悪意なしで偶然この数字にしてしまったのだろう。
ただ中国でも商売をするつもりなら、もっと敏感になるべきだった。
ここ数年、日本企業が中国で炎上する出来事がちょくちょく起きている。
毎日新聞(2021/12/12)
ソニー、パナもつまずいた 日本が気をつけたい中国の「敏感な日」
ソニーの中国法人が2021年6月30日に、新商品の一眼レフカメラを7月7日の午後10時から販売すると発表して、大炎上した。
というのは「7月7日」は、中国では日中戦争の原因となった1937年の盧溝橋事件が起きた日だったから。
しかも、午後10時というのは事件の発生時刻に近い。
中国で反日感情が高まる日に、日本企業が新商品の販売を始めるというのはタイミングとしては最悪といってよし。
ソニー中国は謝罪文を出し、予定していた販売日を延期する。
これだけで騒ぎは収まらず、このあと北京市当局から「国家の尊厳を損なう」という理由で罰金100万元(約1800万円)が科せられた。
「7月7日」以外にも、日本人や日本企業が中国で炎上騒ぎに巻き込まれないように、満州事変の原因となった柳条湖事件が起きた1931年の「9月18日」や、1937年の「南京事件(大虐殺)」が始まった「12月13日」には配慮した方がいい。
車のナンバーが「47-918」や「47-1213」だったら、炎上ではなく大爆発だった予感。
「パナもつまずいた」といのは2020年9月18日に、パナソニック中国法人の中国人スタッフが自分のSNSに、「918国の恥を忘れるな」というメッセージを投稿して騒ぎになったこと。
これは満州事変(柳条湖事件)を指していたから、このスタッフは上司の中国人に「そういう世論を刺激することはやめなさい。」と注意される。
これを不満に思ったスタッフが上司とのやり取りをネットにアップすると、パナソニックに対して「歴史を学べ」、「中国を尊重しないのであれば閉鎖しろ」といった批判が殺到。
結果、パナ中国法人はこんな謝罪コメントを出すに至る。
「社員の正当な発言が妨害された事を受け、パナソニックは本件を非常に重く受け止め真摯に対応してまいります。このようなご心配に感謝するとともに、今後も中国の発展に貢献していきたいと考えています」
この件に日本人がどこまで介入していたかは不明だけど、「9・18」は特別な日だと覚えておくべし。
「47(支那)」という言葉や7月7日、9月18日、12月13日といった日本人が注意を要する日にちは、だいたい1930~40年代に起きた日中の不幸な歴史に由来している。
個人的な感情は置いといて、日本と中国は互いにとって大事なビジネスパートナーだから、相手国で商売するのなら、マナーとして知っておかないといけない歴史がある。
日本で商売する外国企業なら、戦争に関わる8月6日、9日、15日、まだ地震の記憶が新しい1月17日や3月11日などの日には、日本の国民感情に配慮しないといけないのと同じだ。
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> 「47-291」(改行)この数字は「シナニクイ(支那憎い)」と読めるから、「中国を侮辱している!」とネット上で問題となっている
くだらん。
「シナニクイ」と読めるのは、日本語を前提とした話でしょう? そんな風に「こじつけの読み方」をできることに気づく日本人は、ほとんどいませんよ。そもそも昔の中国人(つまりシナ人)を憎んだところで、なんの意味が?