舐めんな!東南アジアの人が怒る、欧米・日本人のマナー違反

 

20年ほど前、「東南アジアの秘境」なんて呼ばれてたラオスの観光地へ行ったら、外国人に向けた注意書き(上の写真)を発見。
見て分かるように、これは日本人に向けたモンじゃねえ。
本当にこんなエラそうな態度をとる外国人がいるのか、ラオス人に聞くと彼はこんな話をする。

「数は少ないけど、欧米のツーリストの中にはこんなヤツがいる。テーブルの上に足をのせて、われわれラオス人に足の裏を見せて平気でいるなんて、考えられないほど失礼だよ。こんな侮辱はめったにないけど、なくなることもないから、欧米の観光客にはこういう注意が必要になる。」

これとはまったく別の場所で、宿で働いていたラオス人スタッフもこう吐き捨てた。

「この国に来るフランス人の中には、当然のように上から目線で命令したり、傍若無人の振る舞いをする人がいる。彼らはいまでもラオスを植民地と思っているらしい。」

欧米人と違って日本人はとても礼儀正しくて、ヒンシュクを買ったりトラブルを起こすようなことをしないから、このラオス人は日本人を大好きだと言う。
まあ文句を言うことも少ないし。

 

その国のマナーを守る、ホテルの部屋をきれいに使う、騒がしくしないといった理由から、日本人は世界で最も歓迎されるツーリストに選ばれたこともある。

「世界ベストツーリスト」の日本人が、外国でしてはいけないこと。

電車の中では携帯を使わないで静かに座っているとか、横入りしないで列にならぶといった日本のアタリマエを海外でもすると、現地の人からは「日本人は礼儀正しい!」と感心される。

といっても完璧ではなくて、同じ理由で日本人が怒られたシーンをタイで2回見た。

 

 

タイ社会でお坊さんはハッキリ言って偉いから、こんな「上から目線」でモノを言ってもまったく失礼ではない。国民もこれを当然のことと考えている。
日本にとタイには「仏教」という共通点があるとはいえ、無宗教の日本人とは宗教心の強さがまったく違う。
たとえばタクシーに乗っていて信号待ちをしていると、ドライバーがハンドルから手を離し、お寺に向かって手を合わせて頭を下げる場面を何度も見た。
タイ人なら標準レベルの信心でも、日本だったらおそらく客に引かれる。
その一方、南国のタイには解放感があふれていて、まったりリラックスすることができる。
基本暑い国だから、タイ人も外国人もタンクトップやノースリーブを着たり、サンダルを履くとか肌を露出した格好の人が多い。

タイのお寺には日本と同じように、土足禁止のところがよくある。
あるときガイドブックに載ってるような有名なお寺に行って、本堂の中であぐらをかいて座っていると、20代の日本人男性がタイ人のおっさんに怒らているのを見た。
両足を伸ばして、気持ちよさそうに扇風機にあたっていたその日本人は、足の裏を仏像に向けていることに気づいていなかったらしい。
信号無視ぐらいなら「マイペンライ」(大丈夫、問題ない)とか言っちゃうタイ人でも、仏像に対する侮辱は見過ごせない。で、「オマエ、足をしまえ!」みたいな注意を大声でする。
明らかに怒っている。
不注意な日本人が状況を理解して、あわてて正座するのを見るとタイ人はその場から去って行った。
別の寺でも同じように、若い日本人女性が仏像に足を向けたまま座っていて、タイ人に怒られるのを見た。

“植民地感覚”でエラそうにテーブルの上に足をのせる欧米人とは違って、宗教心のない日本人が解放感のあるタイに行くと、無意識にこんなマナー違反をしてしまうこともある。
どちらかというと、日本人の方がヤバいかも。
宗教を冒とくするような行為はただのマナー違反を超えて、もはやシャレにならないこともあるから要注意だ。

 

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。