事実と違う内容や攻撃的な投稿をSNSにして、多くの人を怒らせる。
そんな「ネット炎上」は個人だけではなく、友好親善を目的にする外国公館でもヤラカスことがある。
ロシアがウクライナへの軍事侵攻を始めたころ、在日ロシア大使館はがツイートをして日本人を不快にさせた。
「日本は100年も経たぬ間に二度もナチス政権を支持する挙に出た。かつてはヒトラー政権を、そして今回はウクライナ政権を」
ソースは読売新聞の記事。(2022/08/31)
日本は「ゴミのような存在」「二度もナチス政権支持」…外国公館、物議ツイート続々
でも寒い国だけに、ロシアは炎系攻撃への耐性があるようだ。
炎上したにもかかわらず、ロシア大使館はこの後も、ウクライナ軍が原発に攻撃している、ロシア兵に有毒物質を使ったなどなど、「ロシアでの真実」を続けて投稿する。
逆にウクライナ側はSNSをうまく利用して、国際社会の支持を集めたことに成功した。
そもそもゼレンスキー大統領はユダヤ系で、ユダヤ教徒が国家元首をしている国は世界でイスラエルとウクライナしかない。
第二次世界大戦の直前、日本はドイツと同盟関係を結んだが、ナチス政権のホロコースト(ユダヤ人虐殺)を支持することは一切なかった。
こんなふうにロシア人が他国で一方的な主張をして、その国の人を怒らせることは日本だけではないらしい。
2か月ほどまえにドイツ人と話していたら、「ウクラナイ戦争については最近、とてもガッカリしている」と彼が残念そうに言う。
そのワケとは?
はじめのころドイツでは彼を含めて、あれはプーチン大統領が始めた「プーチンの戦争」とみる人が多かった。
でも、70%ほどのロシア国民があの戦争を支持しているという世論調査の結果を知り、ショックを受けた彼はあれを「ロシアの戦争」と認識を変えた。
そんなドイツ人は多いらしい。
ドイツ国内を見れば、ロシア人が集まって”反戦デモ”をしている。
でもそれは、ゼレンスキー大統領を筆頭とする「ウクライナのナチス勢力」を打倒するロシアを支持するもので、戦争の原因はウクライナにある、“蛮行”をしているのはウクライナ軍だと非難する。
彼らはロシアのテレビ番組や政府の発表を真実と信じていて、プーチン氏を批判するドイツメディアのニュースを“フェイク”と考えているという。
つまり、逆転した世界の住人だ。
国内でロシア人がプーチン大統領を支持し、「反ウクライナ」のデモをしているという現状を多くのドイツ人が苦々しく思っている。
でも、表現の自由やデモをする権利はドイツでとても尊重されているから、デモをするロシア人の安全はドイツ警察が責任をもって守っている。
ロシアで反政府デモをする人がいたら、当局はすぐに身柄を拘束してデモをたたき潰すのに。
大変な母国には戻らず、ドイツの権利や自由を利用して一方的な主張を叫ぶ。
こうした現状には「苦々しい」を超えて、ネットにはとても口にできないような侮辱的・差別的な言葉が書き込まれていると知人は言う。
日本でこんなことがあったら、きっと同じ反応を引き起こす。
ロシア人が集まって一方的な政治的主張をしたとしても、ドイツ人はその自由や権利を尊重しないといけないから、これを禁止や規制することはできない。
民主主義国家として大事な概念を悪用することは、在日ロシア大使館の「物議ツイート」と共通している。
まあ本国の目もあるから、大使館の人間が政府見解を無視して、自由に情報を発信するわけにはいかないだろうけど。
この一件での最大の被害者は、プーチン政権を支持しないドイツに住むロシア人だ。
一般のドイツ人と同じ見方をしていても、身勝手なロシア人のせいで“事故”に巻き込まれて、憎悪の対象になってしまう。
表現する自由や権利は守らないといけない。
こういう悩みは民主主義国家と独裁国家の違いを示すものでもある。
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