シク教徒のインド人が京都へ行ったというから、どこのお寺か神社が良かったか聞いたら、その答えは「金閣寺」だった。
というのはシク教徒にとって、最も神聖で重要な総本山も「Golden Temple」だから。
日本語で「黄金寺院」とも呼ばれるこのハリマンディル・サーヒブも金箔で覆われていて、「アムリタ・サラス」(不死の池)という人口の池の中でキラキラと輝いている。
見た目の特徴なら金閣寺とソックリだ。
シク教の総本山・ハリマンディル・サーヒブ
シク教は15世紀にインドでグル・ナーナクが始めた。
グルとは指導者や聖者の意味で、シクとはもともとは弟子を意味したから、シク教徒はみんな偉大なグルであるナーナクの弟子ということになる。
世界的に見るとシク教はわりと勢力があって、キリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教、仏教につづく世界で5番目に信者の多い宗教だったりする。(約2400万人)
1604年の9月1日、 シク教の聖典であるグル・グラント・サーヒブが黄金寺院(ハリマンディル・サーヒブ)に置かれたから、きょうは全世界のシク教徒にとって重要な日のはず。
シク教は日本ではほとんど知られてないけど、実は気づかないだけで、シク教徒のインド人ならいろんなで見ることができる。
日本人がよくイメージする「ターバンを巻いたインド人」はシク教徒のみなさんだ。
シク教徒は髪を切ったり、体毛を剃ることができない。
知人のシク教徒にその理由を聞くと、自分の身体は神にもらった大切なもので、自然に生えてくる毛も大事にしているから、刃物で切ることはできないとのこと。
ただネットを見ると、戦いで頭を守るためといった説もあるから理由はいくつかあるかも。
となると当然、髪の毛は伸び放題になるから、日常生活で不便にならないようにターバンの中にしまっておく必要がある。なお、爪を切ることはいい。
これは宗教的に大事な教えで、信者はいつでも守らないといけないから、インド社会も全力でバックアップしている。ということで、シク教徒がオートバイに乗る時にはヘルメットを着用しなくてもいい。
これはイギリスでも同じらしい。
20代のこのシク教徒は、生まれてから一度も髪を切ったことがない。
ターバンを取ると、腰ぐらいまでの長さがあるとか。
ターバンの着用や体毛を切ってはいけないことはシク教徒の義務だから、犯罪者であってもそれは守られないといけない。
なのにアメリカの拘置所で職員が写真撮影のために、シク教徒の受刑者のターバンを外して、ひげをそったから問題になった。
米CNNニュース(2021.05.28)
米刑務所、シーク教徒の受刑者のひげをそり問題に 教義に違反
日本でも信仰の自由や権利は憲法で保障されている。
となるとシク教徒がバイクに乗る時、ヘルメット着用義務はどうなるだろう?
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