【徴用問題】日韓が“解決済み”というから、この案が最適解

 

きょねん韓国で文政権から尹(ユン)政権へ変わると、「戦後最悪」といわれていた日韓関係に変化が現れた。
「韓日両国の未来発展」を強調する尹大統領は有言実行のヒトで、それを具体的に示したことで暗黒に光が見えてくる。

さてこれは超重要なことなんで、くり返し言わせてほしい。
徴用工問題は1965年の請求権協定ですでに解決済みと日本政府は主張していて、韓国政府もそれと同じ立場だったのだ。
2005年の廬武鉉(ノ・ムヒョン)政権の時、この協定で日本から受け取った支援金には「強制徴用の補償金が含まれたと見なす」という判断をして、「政府が日本に再度法的な被害補償を要求することは信義則の上で問題がある」と確認したのだから。
日本と請求権協定を締結した後、韓国政府が元徴用工の人たちに渡すべきお金まで経済発展に使ったことは事実だから、韓国としてもこういう結論になるしかない。

でも、2018年に韓国最高裁がその見解をひっくり返す。
このとき実は韓国政府も困ったらしい。

産経新聞の記事(2018/10/30)

歴代韓国政府見解は「解決済み」 現政権と与党困惑

すると文政権は、この問題はまだ解決していないと、日本に“再度”補償を要求して過去の政府見解を否定する。
いきなり手のひらを180度回転させたから、日本は文大統領の手首がちぎれないか心配したけれど、そんなことはなかったらしい。
でも、日本はこの変節に激怒。
日本の立場からすると、これでは“二重払い”になるから納得できるワケない。
いまの日本と同じように、韓国もこの問題は「解決済み」と確認していたことは、徴用工問題の重要ポイントだからぜひ知っておいてほしい。

過去の政府見解を最高裁に否定され、困った文政権はそれを日本へ丸投げしたから暗黒時代を招来したが、「未来志向」の尹政権は違った。

読売新聞の記事(2023/03/05)

「元徴用工」賠償金、日本の経済協力で恩恵受けた企業が寄付金拠出…韓国が解決策発表へ

元徴用工の人たちにお金を渡さないで、その分まで経済発展に使ってしまったのだから、いまとなってはこの判断がもっとも合理的だ。
ただ、現在の韓国は世界10位圏の経済大国になったのだから、その当時の政府の判断が間違っていたとも言えない。
豊かになったいまこそ、そのとき救えなかった人を救うという、過去の韓国政府や尹政権の考え方はこれ以上ないほど正しい。
それに該当する韓国企業の「ポスコ」なども寄付には前向きだから、国内では「屈辱的だ!」と怒る人もいるけど、内心では「そりゃそうですよねー」と納得している人も多いと思われる。
それを口にすると総攻撃をくらうから、黙っているのだろうけど。

まだ韓国政府が解決案を発表した段階で反対意見も多いし、これからどうなるかは不透明だ。
でも、日本企業も別の基金に参加する意思を示していて、日本も尹政権を全力サポートしているから、やっと生まれた光がこれから大きくなっていくことを願うしかない。
にもかかわらず、この解決案が消えたとしたら、日韓は無明地獄に入るしかない。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。