中国はドでかい国で、日本と比べるとこんな感じ。
でも、北海道から沖縄県の先までの距離は、北京からヤンゴン(ミャンマー)までとだいだい同じだから日本もわりと大きい。
10年以上前こんな広大な中国を旅行していたとき、3泊4日かけて北京からウルムチまで列車で移動した。
ウルムチへ向かう列車のなかで、1人のアラブ人と知り合う。
寝台列車のシートの上で彼がひざまずいてお祈りをはじめたから、「え?」とビックリしてしまった。
これはインドのムスリム(イスラーム教徒)のお祈り
このときのモロッコ人も、列車のなかでおなじように礼拝をしていた。
お祈りが終わると、彼のほうから声をかけてくれた。
「ボクはイスラーム教徒だから、一日に5回のお祈りをしないといけないんだ」と笑う。
彼はモロッコ人のイスラム教徒で中国の大学に留学していた。
休みを利用して、多くのイスラム教徒が住む新疆ウイグル自治区に旅行に向かう最中だという。
彼もボクと同じく退屈で死ぬ寸前だったから、おしゃべりが始まって、彼がイスラム教とキリスト教とユダヤ教の関係を話をする。
それで初めて知ったのが、
「イスラム教もキリスト教もユダヤ教も、信じている神はまったく同じなんだ。ただ呼び方が違うんだよ」
ってこと。
その3つの宗教はそれぞれ別で、まったく違う神を信じているのと思ったのだが。
モロッコ人の説明によると、神は共通しているけど、その呼び方と預言者(神の言葉を預かる者)が違う。
「ヤハウェ」という神は、モーゼという預言者に教えを伝えた。
モーゼが人びとに伝えたのがユダヤ教になる。
「ゴッド」はキリストになって地上にあらわれ、神の教えを人びとに伝えた。
これがキリスト教になった。
「アッラー」は、ムハンマドに教えを伝えた。
そのムハンマドが人びとに神の教えを広めたのがイスラム教になった。
だから預言者と現れた時代が違うだけで、イスラム教もユダヤ教もキリスト教もすべて同じ神から言葉(教え)をもらったことになる。
イスラム教ではアッラー、キリスト教ではゴッド、ユダヤ教ではヤハウェと呼んでいても、
すべては同じ神。
天使のジブリール(ガブリエル)から、神(アッラー)の教えを伝えられるムハンマド
モロッコ人の話を図にするとこんな感じ。
まさか中国で、こんな宗教のレッスンを受けて開眼することになるとは。
日本には、仏教の仏や菩薩が神道の神になって現れたという「本地垂迹」(ほんじすいじゃく)の考え方がある。
宗教はいろんなトコロでつながっているのだ。
キリスト教とイスラム教の大きな違い。「受肉」の意味とはなに?
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