今はセントレア空港にいる。
満州(大連)行きの飛行機のチケットをもらうために、受付の列にならんでいるところ。
世の中には、いろいろんな「当たり前」がある。
鳥は空を飛ぶ。
魚は海を泳ぐ。
日本ではそれと同じぐらいあたり前のこととして、「中国人はルールを守らない」がある。
なんていったら怒られるかな?
でも、これは中国人の友人も認めていた。
「中国人ですか?ルールなんて守りませんよ。だから日本に来て感心しました。みんなどこでも列にならんでいますしね」
これは日本にいる中国人に聞いてみたらわかる。
きっと同じことを言う。
日本に住んでいた中国人の女性がひさしぶりに中国に戻ったら、街で車にひかれそうになった。
そんなことを前回かいた。
日本人のドライバーは運転のマナーの良いし、交通ルールをしっかり守っている。
それにすっかり慣れてしまったその中国人は、乱暴な運転をする中国人のドライバーの車にひかれそうになってしまったという。
在日中国人の「あるある」だ(?)。
ベトナムを旅行していたときは、原付にぶつかりそうになった。
通りをわたるのもコツがいる。
この中国人の話を聞いてあらためて思った。
「中国人のルールを守らないっぷりは、あいかわらずだなあ」
これはその中国人とボクの感想だけではない。
ネットで「中国人 ルール」や「中国人 マナー」で調べたら、「これでもかっ」というぐらいの実例がでている。
「中国人はルールを守らない」
今の日本では、これは「カニは前には歩かない」ということとおなじぐらい当たり一般的な認識になっている。
中国人のことを一方的に書いていると気が引けてしまう。
じつは、日本人男性についても海外で悪いイメージがある。
この前話を聞いたアメリカ人は、こんなことを言っていた。
「アメリカでは、日本人のヘンタイっぷりはなかなか有名だよ」
そのことはネットで「日本人 ヘンタイ」で検索したらすぐわかる。
さ、次にすすもう。
上海から南京までの距離は、茨城県から新潟県までとおなじ。
この情報を必要としている人が日本に存在しているのかは知らない。
中国を旅行していたときに、「このルール無視は本当にひどい!」と腹が立ったことがある。
それは上海の街中を歩いていたときのこと。
ボクの前方の歩行者信号が青をしめしている。
だから、そのまま横断歩道をわたった。
すると右側から、原付に乗ったおばちゃんがクラクションを鳴らしてこちらにつっこんでくる。
「え?」
あわてて後ろにさがる。
ボクの目の前を原付のおばちゃんが風のように通りすぎる。
「あれ?信号が赤だったのかな?」
と思って前方の信号を見たけど、まちがいなく青になっている。
こちらは正しい。
あのおばちゃんが信号を無視をしたのだ。
赤信号のままつっこんできて、クラクションをならして歩行者をどかして自分が通りすぎる。
そういうこと。
おいこら、ちょっとまて。
こっちの落ち度はまったくないじゃないか。
青信号だったから横断歩道をわたる。
そんなグローバルスタンダード(世界の常識)にしたがって行動しただけ。
なのに、赤信号を無視した原付のおばちゃんが通行人を蹴散らしてすすんでいく。
赤兎馬にのった関羽のように。
この傍若無人っぷりには、さすがに腹が立った。
ぼうじゃく‐ぶじん【傍若無人】
《「史記」刺客伝から。「傍(かたわ)らに人無きが若(ごと)し」の意》
人のことなどまるで気にかけず、自分勝手に振る舞うこと。また、そのさま。
デジタル大辞泉の解説
「史記」といったら、日本ではキングダムが有名ですね。
今の中国人も、この時代の中国人のDNA(傍若無人)をしっかりうけついでいるらしい。
だったらしかたがないか。
赤信号だけど平気でそのまますすむ。
交通ルールを当たり前のように無視して歩行者をけちらす。
これには怒りをとおり越してあきれてはて、やがて感心した。
自分もこれぐらい自分中心に考えることができたら、かなりのストレスをへらせるはず。
赤信号を無視してすすむ。
さえぎるものがなにもない無人の野原をゆくように。
こんなルール無視は原付のおばちゃんだけではない。
自転車の人も歩行者も、信号なんて守っていない。
ちゃんと信号を守っている自分が孤立感を味わうくらい。
車もときどき、信号無視でつっぱしっている。
「列にならびましょう」とよびかけるポスター。
広州の地下鉄にあったもの。
中国を旅行していると、「文明化」の必要性をうったえるポスターをよく見る。
でも、それは守っている人はほんの一握り。
今まで書いたことは、5年ぐらい前の上海でのはなし。
今の中国はどうなっているんだろう?
きっと変わっていない。
史記の時代から続いているものを、文明化のポスターで変えることは本当にむずかしいと思う。
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