韓国の歴史と風習:新羅時代にあった生きた人間を埋める人柱

 

今回は、韓国の歴史と風習について書いていきます。

最近、韓国で「人柱」がおこなわれていたことを示す人骨が発見された。

人柱って知ってますか?
人を生きたまま埋めてしまうという残酷な風習のこと。

人柱(ひとばしら)とは、人身御供の一種。

大規模建造物(橋、堤防、城、港湾施設、などなど)が災害(自然災害や人災)や敵襲によって破壊されないことを神に祈願する目的で、建造物やその近傍にこれと定めた人間を生かしたままで土中に埋めたり水中に沈めたりする風習

(ウィキペディア)

 

神様にお願いをするとき、タダというわけにはいかない。
何かをささげないといけない。

これは今の日本も同じ。
お寺や神社の賽銭箱にお金を投じて、心の中で神様に願いごとをとなえることはよくやっている。

神へのささげものだから、それは価値のあるものでないといけない。
もっとも貴重なのはなにか?
それが人間の命や人間そのものであることがあった。
生きた人間を埋めてしまうという残酷な風習、人柱にはそんな背景がある。

この人柱という風習は、日本をふくめて世界中でおこなわれていた。
理由はよく分からないけど、静岡県にはこの人身御供や人柱の伝説が多い。

 

今の中国では、豚が神へのささげものにされることもある。

 

古代韓国では、王が死んだ後、その死体といっしょに王に仕えていた人間も埋められるという風習があった。
その人間は生きたまま埋められていたという。

でもこれは人柱ではなくて殉葬になる。

殉葬
じゅんそう

王侯の死の際,臣下従者が殉死し,それをともに葬ることをいう。

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

 

古代韓国で殉葬がおこなわれていたということは、以前から確認されている。

でも今回の発見は、殉葬ではなく人柱。
建築物が破壊されないためであったり建築事業の成功を願ったりして、人間が犠牲にされている。
今回発見された人骨から、韓国で人柱の風習があったことが確認されたという。
これは韓国で初めてのこと。

AFP通信の記事(2017年5月16日

いにしえの時代、建築事業の成功を祈って人間を埋める「人柱」の風習が韓国においても行われていた証拠が、同国の遺跡で初めて発見された。

「韓国で行われた「人柱」の初証拠、新羅時代の遺跡で人骨発見」

 

考古学の専門家は、この人柱についてこんな見方を述べている。

神々をなだめ、建築中の構造物が末永く立ち続けることを祈るためだったとされる

 

今回、韓国の慶州にある新羅時代の遺跡から、この人柱のあとが発見された。

新羅(シンラ、しらぎ)と聞けば、韓国好きの旅行者なら「新羅免税店」や「新羅ホテル」を思い浮かべるかもしれない。

 

金城が今の慶州
画像はウィキペディアから。

 

韓国の歴史から見てみると、新羅はとても重要な国だったことがわかる。

新羅は百済(くだら)と高句麗(こうくり)を滅ぼして、朝鮮を統一した初めての国だから。
韓国の歴史ではこの新羅による「三国統一」をとても重視している。
この朝鮮半島の統一は7世紀に完成した。

韓国の歴史教科書では、新羅についてこう書いている。

私たちの歴史上大きな意味をもつ重要な事件だった。
それはたとえ不完全ではあっても、わが民族がなし遂げた最初の統一であり、新しい民族文化をつくり上げる重要なきっかけとなった。
特に、新羅が領土的野心をもった唐を退け、統一を完遂したという事実は、新羅人の自主的性格を示している。

(韓国の中学校歴史教科書 明石書店)

 

慶州は日本でいう京都ような古都で、歴史ある都市として有名だ。

新羅の古都・慶州、世界遺産や数々の遺跡巡りを楽しめる韓国歴史の宝庫の街。

釜山ナビ

 

先ほどのAFP通信の記事には、慶州の王宮遺跡から発見された2人分の骨格の写真がある。

今回発見された人骨からすると、この人たちは生きたまま埋められたわけではないらしい。
意識がない状態か死んだ後に埋められたという。

 

この時代の風習を現代の価値観から考えても意味はないけど、人を埋めるというのはどうしても残酷な気がしてしまう。

一番良いのはおそなえ物を人間にするという考えをやめること。
前に記事でも書いたけど、饅頭をつくって人の代わりに埋めたらいいのに、と思う。

じつは怖い「饅頭」の由来。孔明が生け贄を肉まんに変えた説

古代韓国に、諸葛孔明のような賢者はいなかったか。

 

おまけ

これは新羅時代の「仏国寺」というお寺。
世界遺産にもなっている。

 

仏国寺は釈迦の世界である「仏国土(彼岸)」、つまり「極楽浄土」を現世に具現したものとされ、最盛期には現在の10倍近い広さを誇っていたと言われています。

仏国寺

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。