はじめの一言 (日本人の美意識について)
「他の国では、有能で鑑賞眼のある人たちのあいだにのみ、美を味わう能力が見られるが、この国では、全国民のあいだにそれがひろがっている
(タゴール 大正時代)」
「日本絶賛語録 小学館」
今回の内容
・外国人と交通事故にあったときの難しいところ
・きれいな言葉は役に立たない
・外国人と交通事故にあったときの難しいところ
外国人が多く住んでいる浜松市は、「他文化共生社会」になっている。
「浜松市多文化共生都市ビジョン」なんてのを打ち出して、全国に積極的にアピールしているぐらいだから。
日本人市民・外国人市民を問わず、誰もが自分の持つ能力を発揮でき、その多様な文化を織り込んで新たな価値を創出する地域を目指します。
市の考えは別として、浜松市民のほとんどは日本人だけとつき合っている。
現実にそくして言えば、日本人と会って日本語だけしか使わない「一文化単独社会」で生活だ。
国際交流イベントに参加することもなく、外国人とつき合いたいとも思わなかったら、必然的に日本人だけとつき合うことになる。
「誰もが外国人と仲良くならなければいけない!」ということはないから、これはまったく個人の自由で悪いことではない。
自分がつき合いたいと思う人とつき合えばいい。
ボクは外国人の友人がいるけど、「誰もが外国人の友人をつくるべき」なんて思わない。
交際相手を他人から指示される、なんてことがあっていいはずがない。
でも、意外なところで「不幸な接点」はできる。
浜松市は車社会だから、一家に数台のマイカーを持っていることはめずらしくない。
車がたくさんあれば、当然、交通事故も多く起きる。
浜松市には、こんな不名誉な「日本一」がある。
全国20の政令指定都市の中で、人口10万人あたりの人身事故発生件数を比較すると、浜松市が2009年より連続でワースト1になっているという
浜松が「多文化共生社会」であっても、外国人に興味や関心がない市民にとっては関係はない。
でも、ある日突然、多文化共生の問題とぶつかることがある。
「交通事故を起こされた相手が外国人だった」ということが、浜松市では起きている。
実際の話、日本人が相手なだまだいい。
言葉や考え方は同じだから、事故処理の手続きは比較的スムーズにいく。
でもこれが外国人が相手となると、かなりやっかいなことになる。
「弁護士ネット」の「外国人が運転する車の交通事故被害者が知っておくこと」にはこのようにある。
・外国人にぶつけられた場合は、通常とは違う対処が必要となるのです。
・外国人が任意保険に加入していなかったり、祖国にとんずらしてしまったような場合は、運が悪かったと思って自分で何とかするしかありません。
「弁護士ネット」で「とんずら」という言葉を使っていたのには笑ってしまった。
でも、「運が悪かったと思って自分が何とかするしかない」という現実は笑えない。
交通事故だけではなくて、ゴミの出し方をめぐる争いでも「運が悪かったと思って自分が何とかするしかない」ということが現実にある。
市のHPには綺麗な言葉が並んでいるけど、具体的に役立つ情報がない。
これが、多文化共生社会の大きな課題だ。
・きれいな言葉は役に立たない
こういう困った問題が起きたときには、多文化共生社会の理想や理念は役に立たない。
市町村のホームページにはこんなことが書いてある。
国籍や民族、文化、言葉などの「ちがい」を認め合い、支えあう関係を持って暮らしていく
国籍や民族、文化の違いを豊かさとして生かし、すべての人が互いに認め合い
文化的な「ちがい」を乗り越えるために、お互いに一歩踏み出すことが必要です
こうした理念はとても良いことだと思うし、その理想に賛成もできる。
でも、これらの言葉には、実際に起こるトラブルを解決する力がない。
市民にとって必要な情報でもない。
こうした言葉を知らなくても、一般市民が日常生活で困ることはないから。
だから外国人とトラブルが起きたら、結局は「自分で何とかするしかない」となってしまう。
ひとりの浜松民としては、素晴らしい理想と一緒に具体的な情報がほしい。
市が多文化共生社会を全国に宣言するのもいいけど、それと同時にやってほしいことがある。
「浜松は車社会なんだから、市民が外国人と交通事故になったとき、その解決に市も積極的に動いてほしいというのが本音のひとつ。
浜松市のHPを見ると、目立つところにこんなことが書いてある。
多様な文化を持つ市民の間で活発な対話や交流が行われ、ともにつくりあげる地域を目指します
日本人市民・外国人市民を問わず、誰もが自分の持つ能力を発揮でき、その多様な文化を織り込んで新たな価値を創出する地域を目指します
「浜松市多文化共生都市ビジョン」
これはこれで素晴らしい。
これに加えて、具体的な情報があるともっと素晴らしい。
「外国人との交通事故やゴミ出しのトラブルがあったら、どうすればいいのか?何をしてはいけないのか?」といった情報があると役立つはず。
浜松市には外国人とどのようなトラブルがあったか?
それをどうやって解決したか?
そんな事例集があるととても助かる。
ひょっとしたら、浜松市のHPに事例集があるかもしれないけど、見つけられなかった。
あるサイトでは、外国人との交通事故にあった場合のアドバイスを紹介していた。
そのときは、必ず「在留カード」を見せてもらって、相手を確認しておくことがとても大切だという。
実際、外国人との交通事故があったら、相手の在留カードをスマホで撮っておくぐらいはした方が良い。
こういう具体的なことも、市のHPに書いておいてほしい。
市のHPを見ると、「多文化共生社会」の素晴らしい考え方や理念はすぐ分かる。
そのためには市民の協力が不可欠だ。
「市民に浜松市の理想を伝えるけど、トラブルの事例や解決策は示さない」となると、さっきの弁護士ネットにあるように、「運が悪かったと思って自分が何とかするしかない」となる。
市民にこんな思いをさせていては、「多様な文化を持つ市民の間で活発な対話や交流」というのはむずかしい。
理想は理想として大切だけど、実生活に役立つ具体的な情報もぜひ!
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