この絵を見て、これが何のことかわかりますか?
これは「進化論(しんかろん)」をあらわしている。
「エヴォリューション」とは進化論のこと
日本の学校では、進化論についてこう習う。
進化論
ダーウィンが発表した、種は自然淘汰によって進化したとする学説。進化論は社会科学の諸分野に大きな影響を与えたが、生物が神によって創造されたのではないといった考えは、キリスト教関係者の強い反発を招いた。
「世界史用語集 山川出版」
「人は猿から進化した」という言葉をどこかで聞いたことがあると思う。
進化論は「キリスト教関係者の強い反発を招いた」とあったけど、これに怒ったのはキリスト教の関係者だけではない。
イスラーム教の関係者も進化論には反対している。
「人類は猿から進化した」という進化論の考えと「人類は神がつくった」とするイスラーム教の創造論の考えはまったく違うから。
「イスラーム教に反することを学校で教えるべきではない!」
トルコではそんな声が多くある。
それで最近、トルコの教育委員会が学校で進化論を教えることを禁止する決定をくだした。
でも、インドネシアは違う。
インドネシア人でイスラーム教徒の友人は、「インドネシアでは学校で進化論を教えても問題ないです」と言っている。
インドネシアのアチェ州はわからないけど。
イスラーム教の影響が強い国でも、進化論を学校で教えていいかどうかは国によって変わってくる。
そのことは下の記事をごらんください↓
日本と世界の進化論①人は猿から進化 VS イスラム教では神が創造
アメリカでも、学校で進化論を教えることについてはいろいろな問題がある。
「アメリカと進化論」といえば有名な裁判がある。
いわゆる「猿裁判」というもの。
先ほどの「キリスト教関係者の強い反発を招いた」ことを象徴するようなできごとが、1920年代のアメリカでおきている。
これはアメリカだけではなくて、世界的にも有名な裁判だ。
猿裁判
さるさいばん
Scopes Trial1925年、アメリカ、テネシー州デイトンの高校教師ジョン・T・スコープスが、公立学校で進化論を教えることを禁じている州法を犯してそれを教えたため裁判にかけられた事件。
「日本大百科全書(ニッポニカ)の解説」
「人間は猿から進化した」という考えは「すべての生き物は神がつくった」というキリスト教(やイスラーム教)の考えとはまったくちがう。
これでは、人が神の教えを否定することにつながってしまう。
「そんなことをしていけない!」と、公立学校の教員が子どもたちに進化論を教えることを法律で禁止していたのは、1920年代のアメリカでは当然のこと。
でもスコーブスはその州の法律をあえて破って、学校で進化論を教えてしまった。
これに多くのキリスト教徒が激怒する。
そしてスコープスは裁判にうったえられてしまう。
この裁判は全米の関心を集め、テレビで中継されることになった。
アメリカで裁判をテレビ中継したのはこれが初めてだろう。
「聖書を読みなさい」と進化論に反対する人たち
「NKH 新・映像の世紀」のキャプチャー
「ダーウィンは正しい」と進化論を支持する人たち
「NKH 新・映像の世紀」のキャプチャー
「聖書を擁護する」検事
「NKH 新・映像の世紀」のキャプチャー
この世紀の裁判の結果、教師のスコープスは有罪になって罰金100ドルを言い渡される。
でも、「進化論と学校教育」はまだアメリカで終わってはいない。
「進化論を学校で教えていいのか?」
「進化論を学校でどのように教えるべきか?」
アメリカでは今でもそんなことが問題になる。
1982年にはアーカンソー州で、1987年にはルイジアナ州で裁判沙汰になった。
2005年には、大統領報道官が「進化論を学校教育から外そうとも、創造論を教えようとも考えていない」と話している。
こちらの記事もいかがですか?
ツイッターでつぶやいてます。
folow me plz.
@amamatsushizuo3
コメントを残す