佐賀県で地元の人たちと韓国の留学生との交流がおこなわれたらしい。
いいこっちゃ。
佐賀新聞の記事(2017年07月23日)から。
佐賀女子短期大学に韓国から約1カ月留学に来ている金浦(キンポ)大の学生と県民との交流会が20日、佐賀市の国際交流プラザであった。20人が参加し韓国式のり巻き「キンパプ」や焼きそばを作り、互いに異文化への関心や理解を深めた。
静岡県でもたまにこんな交流がある。
「互いに異文化への関心や理解を深めた」という深みのない表現がいかにも地方新聞らしい。
外国人との交流で、その国のグルメを味わうというのは鉄板だ。
「スリランカの歴史や文化について文化学ぼう!」ではなくて、「スリランカカレーを作って食べよう!」にすると人がよく集まるらしい。
「韓国式のり巻き『キンパプ』や焼きそばを作り」という部分で、韓国の留学生がキンパブを紹介するのは分かる。
でも、なんで日本側が焼きそばを紹介したのかがよく分からない。
日本人のほうでものり巻きを作って韓国のキンパブと比べてみたら、日韓の食文化の違いが見えてきておもしろいと思う。
日本でもおなじみのチヂミ。
でも、「チヂミ」という言葉は韓国語ではない。
友人の韓国人は日本人から「チヂミ」と聞いても、その意味が分からなかったという。
「韓国ガイド」にもこう書いてある。
実はこの「チヂミ」という言葉は、韓国語ではないのです。
厳密にいうと、本来チヂミの意味を持つ韓国語「ジョン」の方言で「チヂム」というものがあり、それが訛って日本語のチヂミが出来上がったようです。
韓国で「チヂミください」と言っても通じないので、注意してください。
韓国人は、雨が降るとチヂミを食べながらマッコリを飲みたくなるらしい。
これも日本にはない韓国の食文化のひとつ。
キンパプはご飯をのりで巻いて食べるという食べ物で、日本でいうのり巻きのこと。
このキンパプは、もともと日本から朝鮮半島につたわった食べ物だ。
日本の海苔巻きに由来し、日本との行き来が盛んになり始めた19世紀末から韓国でも日本の海苔巻きが食べられ始め、韓国併合以降の韓国半島で、ごま油を使うなどのアレンジが加えられ派生したものである。
(ウィキペディア)
だから韓国でも、むかしはキンパプとは言わずに「ノリマキ」と日本語を使っていた。
日本から伝わったのり巻きだけど、今では現地化して韓国料理のキンパブになっている。
日本ののり巻きと違う点は、酢を使わないでごま油を使っていること。
韓国のキンパブには、表面にごま油をぬってあることが多い。
松岡修造が崖っぷちを大好きなように、韓国人もごま油が大好きだ。
ナムルをはじめとして、韓国料理ではよくごま油で味付けがされている。
キンパブについていえば、ネーミングのセンスも日本とは違う。
ソウルの広蔵市場には、「コマキンパッ」というキンパブがある。
これは「麻薬キンパプ」という意味だ。
「麻薬のように、一度食べたらやめられなくなるほどおいしいキンパプ」ということらしい。
食べ物の名称で「麻薬」という言葉を使っているところなんかは、日本人の感覚とはちょっと違う。
くわしいことは韓国の情報サイト「ソウルナビ」をご覧ください。
日本ののり巻きが海をわたって韓国へ伝わった。
そして韓国で独自の変化が加わることによって、キンパプという韓国料理ができ上がった。
韓国へ行ったら、のり巻きとの違いを考えながらキンパブをかじってみるといい。
日本との違いが「韓国らしさ」になる。
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