日本と韓国の歴史の違い。日本と中国はクジラ、韓国はエビ

 

はじめの一言

*19世紀末の朝鮮人の宗教観
「朝鮮人の家屋はここもあそこもいたるところが鬼神の支配下にある。鬼神は人生の節目節目にたたるので、朝鮮人が平穏でいられるかどうかは、鬼神をなだめることができるかどうかにかかってくる。(イザベラ・バード 明治時代)」

「朝鮮紀行 講談社学術文庫」

 

今回の内容

・日本と韓国の歴史の大きなちがい
・「韓国はエビのような国です」

 

・日本と韓国の歴史の大きなちがい

韓国の歴史と日本の歴史のちがいとは?

そりゃまあ、いろいろありますよ。
でも大きなちがいは、韓国は「何度も外国から攻め込まれた歴史がある」ということ。
記録に残っているだけでも、2000年で1000回ほど外国から攻め込まれているという。

これは日本とはまったく違う。

日本が外国から攻め込まれたというのは、鎌倉時代にモンゴル人が攻め込んできた「元寇」ぐらいしか思い浮かばない。
あとは、女真人が攻めてきた「刀伊(とい)の入寇」かな?

 

 

そして韓国は、異民族の支配を受けた歴史もある。

日本は一度もそれがない。
これは、日韓の決定的なちがいだと思う。

 

さらに韓国の場合、異民族の支配を受けたことによって自国の文化が大きく変えられたことがあった。

韓国の高校の歴史教科書「韓国の歴史(明石書店)」には、こう書いてある。

12世紀中頃から高麗の独特な技法である象嵌法が開発され象嵌青磁の全盛期を迎えた。しかし元の干渉期になると堕落するようになった。

ここには、「元の干渉期になると」としか書いていない。

元とは、モンゴル族がたてた国のこと。
日本に攻め込んできたのも、この元という国。

この時代、高麗は日本より先に元に攻め込まれ、負けてしまう。
そして、元の強い影響下におかれた。

具体的にはこんな感じ。

高麗の領土を奪い、高麗の政治制度を勝手に改め、毎年数多くの財物を奪っていった。王室も例外ではなかった。
高麗王は必ず元の王女と結婚しなければならなかった。

王の名前も元に忠誠をちかうという意味で忠宣王、忠烈王、忠穆王など『忠』の字を一番前に付けた。
国の姿もみじめで、民衆の生活は次第に苦しくなっていった。

(躍動する韓国の歴史 明石書店)

このときは、モンゴル族が高麗を支配していたといってもいい。

 

 

モンゴル族の支配によって、全盛期を迎えていた高麗芸術は変えられ、象嵌(ぞうがん)青磁はつくられなくなり廃れていったという。

高級な陶磁器は支配者が使うためにつくられていた。

だから支配者のモンゴル人は、自分たちの好みに合うような物を高麗人の職人につくらせていたのだろう。
この象嵌(ぞうがん)はモンゴル人の好みに合わないから、次第につくられなくなったのだと思う。
その結果、すたれていったしまった。

 

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韓国の塔はだいたい奇数の層でつくられている。
でもモンゴル人の支配を受けたことによって、この塔は偶数の10層になっている。
これと同じ物はソウルのタプコル公園にもある。

画像は「躍動する韓国の歴史 明石書店」にあるもの。

 

異民族の支配を受けることで、自国の文化が大きく変えらてしまう。
こんなことは日本の歴史にはない。

日本が太平洋戦争で負けてアメリカの占領下にあったとき、「忠臣蔵」が禁止されたことがあった。
そのていどのことはならあるというぐらい。

 

 

日本が元寇でモンゴル族を撃退できたことは大きい。

鎌倉の御家人の必死の戦いと神風がなかったら、日本もモンゴルに支配されていた可能性は高いだろう。

そうなったら、日本は高麗のようなってしまう。

日本の天皇は必ず元の王女と結婚しなければならなかった。天皇の名前も、元に忠誠をちかうという意味で『忠』の字を一番前に付けた。国の姿もみじめで、民衆の生活は次第に苦しくなっていった

「天皇」という言葉を使うことさできなかったかもしれない。

当然それまでの日本の伝統文化も、「モンゴル風」になってしまっただろう。

 

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・「韓国はエビのような国です」

記事のはじめに書いたけど、韓国の歴史の特徴(困難)は、外国の勢力から何度も攻め込まれているということ。

高麗時代には元に攻め込また。
朝鮮時代には日本に攻め込まれた。
豊臣秀吉の朝鮮出兵のこと。

 

韓国人は、そんな韓国を「エビ」に例えることがある。
韓国はまわりを強大な国に囲まれていて、クジラ(大国)の間にいる「エビ(小さな国)」だと考えているのだ。

2013年の韓国の大手新聞紙「中央日報」には、このような記事がある。

韓国人は地政学的な状況から自らを「クジラに挟まれたエビ」と認識している。不運にも周辺国は世界最強の中国・日本・ロシアだ。領土・人口などを比べると、自国を弱小国と感じるしかない。

韓国、“クジラに挟まれたエビ”コンプレックス捨てるべき

ここでは、「韓国という国は、韓国人が思っているようなエビ(弱小国)ではない」と主張をしている。

この「韓国はクジラに囲まれたエビ」という表現は、韓国の初代大統領である李承晩(イスンマン)が言ったのが始めだと思う。

 

 

でも、「韓国=エビ」という韓国人の認識を変えることはむずかしいらしい。

先ほどの記事の2年後に、こんな記事があった。
2015年3月28日の「Record China」の記事から。

米中2大国に挟まれ揺れる韓国、「クジラにはさまれたエビ」と自嘲―英紙

2015年3月26日、英紙フィナンシャル・タイムズは「世界の大国である米中両国の間で、韓国は自らを『クジラにはさまれたエビ』と自嘲している」と報じた。

米中にはさまれ韓国は苦しんでいる。中国は最大の経済パートナーであり、米国の軍事支援がなければ北朝鮮問題で大きな代償を払うことになる

 

むかしは韓国のまわりにいたのは中国と日本という2頭のクジラだった。

けど2013年には、「中国・日本・ロシア」とクジラが一頭増えている。
さらに2015年には、アメリカという「新しいクジラ」が加わっている。
エビにとっては大変だ。

 

2016年、韓国はTHAAD(高高度ミサイル防衛)を国内に配備することを決めた。
これに中国が激怒して、韓国は大騒ぎになっている。

この様子を新聞(中央日報)で知ったとき、失礼ながらこの「韓国=エビ論」を思い出してしまった。

過去最上と呼ばれた韓中関係が暴風雨の中に吸い込まれていった。高高度ミサイル防衛(THAAD)システムの韓半島(朝鮮半島)配置決定がもたらした後遺症だ。

韓中関係の第一線で長らく従事してきたある当局者は「予想はしてきたことだったが中国の反発が思っていたよりはるかに激しい。この危機を賢く克服すべきだが、中国があまりに強硬ですぐには妙手が見つからない」と話した。

「韓中関係はこんなものだったのか」…THAAD配置で沸き立つ中国世論

大変だと思いますが、韓国さん頑張ってください。

 

 

追記

2016年10月21日の朝鮮日報に、「いくら韓米軍事協議体があっても北の核は防げない」というが社説あった。

韓国国民が不安に思っているのは、北朝鮮がニューヨークやワシントンに核ミサイルの照準を合わせ、米国に交渉を要求したとき、米国政府は果たして自ら犠牲を払ってでも韓国を守るという決断を下せるだろうかーという部分だ。

アメリカは韓国のために戦ってくれるだろうか?
アメリカの核兵器で韓国を守ってくれるだろうか?

韓国人は、そんな不安をもっているという。
アメリカという強いクジラを頼みにしていることが分かる。

 

今回の復習

・13世紀にモンゴル族に攻め込まれた朝鮮の王朝は?
・日本がモンゴル族に攻め込まれた出来事をなんという?
・そのとき、日本は何時代だった?

 

答え

・高麗
・元寇
・鎌倉時代

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。