今回は、台湾人から聞いた「日本と台湾の学校の違い」について書いていきたい。
「日本のアニメが大好きです!」という台湾人3人と話をしていたときに、こんな質問をしてみた。
「アニメを見ていて、日本のことで不思議に思ったことや印象に残ったことは何ですか?」
すると1人がこう言う。
「日本の学校ですね。日本では、生徒が学校に着いたら靴をはき替えます。あれは不思議に思いました」
日本の学校では、昇降口で外靴を上靴にはき替える。
日本人なら当たり前。
他の2人の台湾人も、日本のアニメで高校生が靴をはき替えるシーンは印象的だったと言う。
ボクとしては、むしろそれが意外。
欧米人ならわかる。
欧米では、靴をはき替えないで建物の中に入ることが多い。
だから学校でも、外靴のまま校舎に入ることは知っていた。
「でも台湾は日本と同じっしょ」と勝手に思い込んでいたら、じつは違ったらしい。
ちなみに日本の中学校で英語を教えていたアメリカ人は、中学生のこんなことに感心していた。
「彼らは靴を脱いだりはいたりするのがとても速いんだ!あれには驚きだね」
日本人の靴をはき替える速さは、世界でもトップクラスだ。
ひょっとしたら、最速かもしれない。
日本人は家や学校に入るときに靴をはき替える。
その頻度は世界でもトップクラスだと思う。
靴のはき替え以外で、彼らが言っていたのは日本のランドセルだ。
「日本のアニメを見て、ランドセルがすごくいいと思いました。わたしも小学生のころに、ランドセルで学校に行きたかったですよ」
台湾人の女の子がそんなことを言う。
その子が小学生だったころは、リュックサックを背負って登校していたらしい。
こんなものだと思う。
でも今では、台湾でもランドセルがある。
しかもそれが中国人に大人気だとか。
人民網日本語版の記事(2015年09月01日)にそのことが書いてある。
淘宝で「台湾 ランドセル」と検索すると、1万点以上の商品がヒット。その多くが「台湾貴族ランドセル」と宣伝され、値段は100元から2000元とさまざまだ。うち、最も人気となっているのは、300元以内のタイプ。日本のランドセルと比べると、非常にお手ごろだ。
この記事では、1元が約18.9円となっている。
1元=19円として計算したら、300元は5700円になる。
まあお手ごろか。
日本のランドセルはとても高いから、手が出ないらしい。
この記事では、日本製ランドセルが4000ー5000元と書いてある。
5000元なんていったら、95000円だ。
日本のランドセルより、「台湾貴族ランドセル」を選びたくなるのも納得だ。
この台湾人から学校生活について話を聞いていて、「それはうらやまい!」と思ったことがある。
それは、台湾の学校には”昼寝の時間”があること。
「KENKO JIMAN」というサイトにそのことが書いてある。
この昼寝は義務で、30分間は机に突っ伏して静かに寝なければなりません。昼ご飯を食べ終わった後の30分間は、全員が自分の席で机に突っ伏して寝なければなりません。この習慣は中国の学校にもあるそうです。
「この昼寝は子どもたちの健康や学習にとてもいい」ということで、台湾ではこの昼寝が子どもの”義務”になっているらしい。
ボクも小学生や中学生のときに、この義務がほしかった。
日本の文科省は昼寝制度の導入を検討するべきだ。
台湾の小学校
日本では「授業中」というところを、台湾では「上課中」というらしい。
ちなみに、今の台湾の教育制度に大きな影響をあたえたのは日本だ。
台湾の歴史の教科書(台湾国民中学歴史教科書 台湾を知る 「雄山閣」)に、日本の統治時代に近代的な教育制度が整えられたと書いてある。
でもそれは「総督府は西洋式の新教育制度を建立して植民政策貫徹のための道具」だったという。
それでもこの歴史教科書によると日本は統治時代、台湾に初等教育を普及させている。
今の日本でいう小学校のことだろう。
そのときの教育はこんな感じだ。
公学校の修業は6年で、日本語教育を最も重視した。公学校の数は不断に増加し、1940年には、学齢児童の入学率はすでに60%に接近していた。1943年、正式に義務教育が実施された。1945年の入学率は80%に達した。
「台湾国民中学歴史教科書 台湾を知る (雄山閣)」
この時代、日本は日本語教育にとても力を入れていた。
上のような公立学校以外にも、日本語を教える機関をつくっている。
日本統治時代の終わりごろには、75%以上の台湾人が日本語を理解するようになったという。
日本人の友人が、蛇を探しに台湾の山の中に入って行ったときのこと。
彼はその山に住んでいる少数民族の村に行きついた。
すると村長が出てきて、「こんにちは!」と日本語で彼に話しかけてきたという。
彼は言葉を失ってしまった。
これも日本統治時代の影響だ。
くわしくはこの記事を↓
日本と台湾の学校では、「組」と「班」の意味が違う。
日本の学校では「3年5組」となるけど、台湾の学校では「3年5班」となる。
日本の学校の1班2班というグループが、台湾では1組2組となる。
つまり、日本と台湾の学校では「組」と「班」が反対になっているのだ。
だから日本でいう「班員」は「組員」になるらしい。
日本で「組員」は暴力団のイメージだけど。
ちなみに韓国の学校も台湾と同じで、「3年5班」になる。
台湾や韓国で近代的な学校制度がととのえられたのは、日本の統治時代のとき。
なんで日本の学校だけ、「3年5班」ではなくて「3年5組」になっているのかは謎。
今回ボクが話を聞いたのは台湾の世新大学という大学の学生たち。
この大学では、学生が日本語のボランティアガイドをしてくれている。
ボランティアチームには日本語学科の3,4年生が属しています。無料のボランティアサービスである事に加え、学生たちの熱心なガイドは、日本人観光客にとてもよい評判です。
台湾へ旅行に行くなら、ここでガイドのお願いをするといい。
学生だから、プロのように日本語がペラペラというわけではない。
彼らの移動や食事にかかる費用もすべてこちらが持つ。
でも、学生ならではの一生懸命さが伝わってきたし、漢字の筆談でけっこう話はできる。
台湾旅行では、いろいろなものを見たり食べたりしてきた。
でも、一番印象に残っているのは台湾人との交流だった。
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