日本人にとっては当たり前でも、外国人の目には印象的に映るものがある。
たとえば、日本人が靴を脱いだりはいたりすること。
「日本のアニメが大好きです!」という台湾人3人と話をしていたときに、「アニメを見ていて、日本のことで印象に残ったことはありますか?」と聞いてみた。
1人がこう言う。
「日本の学校ですね。日本では、生徒が学校に着いたら靴をはき替えます。あれは印象的でした」
日本の学校では、生徒は昇降口で外靴を上靴にはき替える。
日本人なら当たり前。
他の2人の台湾人も、日本のアニメで高校生が靴をはき替えるシーンは新鮮だったと言う。
「台湾人には、そんなことが’日本的’に見えるんだ」と、ボクにはこの答えが印象に残った。
くわしくはこの記事を↓
台湾人がアニメを見て感じた「日本と台湾の学校との違い」とは?
外国人といっしょにいると、時どきこんなことを感じる。
「え?靴を脱いだりはいたりするのって、そんなに大変なの?」
日本人にとっては何でもないことだけど、外国人にはそれがけっこう面倒くさいらしい。
たとえば、イギリス人と浜松の新居町へ行ったときのこと。
新居町には江戸時代の関所・宿・料亭があるから、外国人を何度か連れて行ったことがある。
イギリス人と一緒にその三か所をまわっていたとき、彼から何回も「すまない」という言葉を聞いた。
建物に入るときには靴を脱ぐ。
ボクはすぐにできるけど、イギリス人には時間がかかる。
だから彼が靴を脱ぐまで、ボクは待っていることになる。
それで「待たせてすまないね」と彼が言う。
建物から出るときも同じ。
彼が靴をはくまでボクが待っているから、「すまない」となる。
そんな感じで、関所・宿・料亭の三か所をまわった。
1時間半で、「ソーリー」を4、5回は聞いたと思う。
「イギリスにいたときは、1日に何度も靴を脱いだりはいたりすることがなかったから、どうしても遅いんだ。日本に来たときは、日本人の靴を脱ぐ速さに驚かされたよ」
そうか、そこが驚きポイントなんだ。
このとき彼は「fantastic(ファンタスティック)」という言葉を使っていた。
日本人が靴を脱ぐのは、ファンタスティックなことらしい。
こういうことを聞くと、それも一つの”技術”なんだと思う。
新居の関所
ニューヨーク出身のアメリカ人は、この関所を「自由の女神があるエリス島みたいだ」と言っていた。
いろいろな反応があっておもしろい。
次は中国人の女の子とお寺に行ったときのこと。
その子が寺にある建物を指さして「これは何ですか?」とボクに聞く。
ボクもよくわからなかったから「中に入る?」と聞くと、その中国人はこんなことを言う。
「興は味ありますけど、靴を脱がないといけないんでしょ?じゃあ、いいです。面倒くさいですから」
「靴を脱ぐのが面倒くさい」ということで、日本文化を知る機会を逃している。
まあ、本人がいいならいいけど。
ヨーロッパや東アジアだけではなくて、東南アジアの人でもそんなことがあった。
バングラデシュ人と居酒屋に行ったときのこと。
「座敷がいい?イスがいい?」とボクがたずねると、彼は迷わずイスを選ぶ。
「イスにしよう。靴を脱ぎたくないんだ」
なあ外国人、靴を脱いだりはいたりするのって、そんなに面倒か?
考えてみれば、イギリス・中国・バングラデシュはイス文化の国だ。
畳の国で生まれ育つと、彼らの大変さは理解できないと思う。
靴を脱いだりはいたりする速さは、日本人が世界最速だと思う。
国民全体が1日に何度も靴をはき替えるという国は、日本の他にどこがあるのだろう?
タイ人やカンボジア人も、建物に入るときには靴を脱いでいた。
だからこれは日本特有の文化ではない。
でも、日本人ほど日常的にはしていない。
ボクがタイやカンボジアで見学した学校では、子どもたちは靴をはいたたまま校舎に入っていた。
韓国の学校では、靴をはき替えると聞いたことがある。
ひょっとしたら、「世界最速選手権」の決勝は日韓対決になるかもしれない。
日本人が靴を脱ぐ理由は何か?
下のコラムでは、日本の自然環境をその理由にあげている。
日本の夏は暑い。
熱いだけではなくて湿度も高い。
高温多湿が日本の気候の特徴なんだけど、これにまいってしまう外国人はけっこう多い。
タイ人やインドネシア人も、母国より日本の夏のほうが厳しいと言う。
日本人が靴を脱いで建物に入る大きな理由は、そんな高温多湿の気候による。
雨でも降れば足元は泥だらけになります。そんな状態で履物のまま上がれば家の中は汚れて仕方がありませんし、衛生上も問題があります。そこで日本では履物を脱いで上がり、清潔に保たれた家の中では畳や板敷きの床に直接座って生活するようになったのです。
タイ人やカンボジア人が靴を脱ぐ理由もこれと同じだろう。
日本人が建物に入るときに靴を脱ぐ理由はこの他にもある。
興味があったら、上の記事を見ておくれやす。
高温多湿の日本では、ふんどし姿は当たり前だった。
一般的に欧米の国では、建物に入るときには靴を脱ぐ習慣がない。
でも、脱ぐ地域もあるらしい。
最近では床を汚さないようするために、靴をはき替えることも多くなっているとか。
それで、超面倒くさがりのアメリカ人はこんな発明をする。
この動画を見た外国人はどんなコメントを書き込んだか?
アメリカ人のことをボロクソに書く。
Why not just take your shoes off at the front door!
なんで靴を脱がないんだよ!
他にも「プラスチックごみを出すなよ!」「もっと環境のことを考えろよ!」とか。
やっぱり、靴を脱いで入るのが一番いいようだ。
おまけ
修学院離宮の動画
やっぱり、畳の部屋はシンプルで美しい。
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