今日2月11日は建国記念の日。
ということで、さっきは「日本はいつできたのか?」という記事を書いた。
日本神話によると、紀元前660年に初代天皇の神武天皇が即位した。
2月11日はこの即位日に由来する。
せっかくなんで今回は、世界でもっとも有名な建国神話を紹介しようと思う。
建国神話は世界中の国にあるけれど、一番知られているのはきっとローマの建国神話だ。
ローマの観光スポット「真実の口」
海の神「トリトーネ(トリトン)」が描かれている。
「海のトリトン」で有名ですね。
ウソつきがこの口に手を入れると、「手を噛み切られる」とか「手が抜けなくなる」という言い伝えがある。
さて、神話によると、ローマは「ロムルスとレムス」という双子のロムルスによってつくられた。
昔々、ある王女が軍神マルスの子どもを身ごもった。
軍神マルスを父に、王女を母にして「ロムルスとレムス」という双子が生まれる。
でも、アムーリウスという王がこの子どもたちを気に入らず、兵士に「殺してしまえ」と命じた。
かわいそうに思った兵士はそれができず、ロムルスとレムスを殺さず川に流してしまう。
すると川の精霊がこの双子を見つけて救い、メスの狼にあずける。
狼の乳を飲んで育ったロムルスとレムス
この後、羊飼い(これは人間)がこの双子を見つけて育てることにした。
この双子はすぐに羊飼いのボスとなって、その地域を支配するようになる。
軍神マルスという最強親父から生まれてきたロムルスとレムスに、人間が勝てるわけない。
そして勢力をのばしていって、後にローマと呼ばれる地に新しい都市をつくることを決めた。
でも、そこを支配する王は2人もいらない。
ロムルスはレムスを殺して、初代ローマ国王になる。
「ローマ」という名称は、ロムルスの名前にちなんでつけられたという。
それは紀元前753年4月21日のことだった。
王になったロムルスは、まずはじめに、パラティーノの丘の周辺に城壁をめぐらせた。都市建設の意思表示である。神々に犠牲を捧げての式も、厳かにすませる。
その日は、紀元前七五三年の四月二十一日であったという。このローマ建国の記念日は、以後一千年もの歳月、絶えることなく毎年祝われる祭日になった。「ローマ人の物語 1 (塩野七生)」
このときロムルスは18歳だった。
ロムルスが建てたというローマが、後にローマ帝国という世界帝国(前27年 – 1453年)になる。
「前27年 – 1453年」というのを見ると、約1500年間も続いているようだけど、395年に東ローマ帝国と西ローマ帝国に分裂いている。
でも、現在のヨーロッパやアメリカを生み出したローマ帝国が偉大な帝国だったことは間違いない。
西暦117年ごろのローマ帝国(ウィキペディアから)
ところでローマの建国神話には、どこかで見たような場面がなかっただろうか?
ロムレスとレムスを殺すはずだった兵士は、双子を見てかわいそうになって川に流す。
それを精霊が見つけて拾う。
そして狼の乳を飲んで育った。
アニメや桃太郎にもこんな場面が出てくる。
「すべての道はローマに通じる」といったところか。
全ての道はローマに通ず
すべての道はローマに通ずとは、目的までの手段や方法は、何通りもあることのたとえ。また、一つの道理はあらゆることに適用されるというたとえ。
「故事ことわざ事典」
ローマ帝国では、各地の道は首都ローマにつながっていたことから、こんな言葉が生まれた。
おまけ
世界史に興味がある人は「アッピア街道」も覚えておこう。
アッピア街道
ローマ最古の軍道。
はじめローマ・カプラ間に建設され、のち南イタリアまで延長され全長540kmにおよんだ。
「街道の女王」と呼ばれ、石で美しく舗装されていた。「世界史用語集 山川出版)」
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