日刊スポーツの平昌五輪についての記事を見て驚いた。
以前、日刊スポーツの平昌特集である「韓国人美女」を取り上げたらしい。
それで、日本人記者がその女性に取材を申し込む。
なぜか「ふと慰安婦問題の話」になって、その女性が手首にはめたブレスレットを記者に見せる。
それは、慰安婦問題を応援するための「チャリティーブレスレット」だったとか。
記事で、その韓国人美女の言葉を伝えている。
「強制連行された人もいる。元慰安婦はお金が欲しいわけじゃない。本人たちの意見を聞いて、日本ともう1度、話し合うべきだ」
記事にはそのブレスレットの写真もある。
だが待ってほしい。
この記事は読者の読みたいものだろうか?
記者は「韓国で取材を続けると市民の政治意識は高いと感じる」と書いている。
でも、スポーツ新聞のオリンピックについての記事で「韓国市民の高い政治意識」はいらないだろう。
それと記事をつくるうえで大事なことは、韓国の主張よりも事実を優先させることだ。
歴史の事実が第一。
日本の主張も韓国の主張も二の次。
根拠がなくて事実と確認できない情報を記事にのせてはいけない。
「強制連行された人もいる」という部分は、韓国政府と日本政府によってすでに否定されている。
「日本軍に強制連行された慰安婦はいなかった」
3年前に、韓国政府がそれを”暴露”してしまって、韓国で騒ぎになった。
2015年に、政府の女性家族部が慰安婦問題を教えるための教師用教材を制作した。
この教材の中で、慰安婦について「自分の意思に反し、慰安所に動員された女性たち」と説明したことが問題になる。
韓国社会では「慰安婦は日本軍によって強制的に連行された」と信じられている。
なのに、なんで教師用の教材に「強制」という言葉を使わないのか?
このことについて、レコードチャイナの記事(2015年4月16日)で女性家族部の関係者がこう言っている。
「『強制動員された』という証拠はないので、その表現を直接的に入れることは難しい」と述べた。
この言葉は正しい。
「慰安婦が強制連行された」という証拠は何一つ見つかっていない。
事実を優先するのなら、その表現を入れることはできない。
でも、韓国では根拠や証拠よりも、国民感情が優先される。
韓国政府の人間が「慰安婦が強制連行された証拠はない」と言ったら、ネットでぶったたかれるに決まってる。
記事ではこんなコメントを紹介している。
「前々から無能だとは思っていたが、ついに狂ったようだね」
「韓国人の敵は韓国内にいる」
「女性家族部ではなく、日本家族部に改名しろ」
「この国の政府は日本のための政府か?それとも米国のための政府か?」
この翌年には、日本政府が「強制連行説」を国連の女子差別撤廃委員会で否定している。
産経新聞の記事(2016.1.31)から。
慰安婦問題について誤った認識の拡散に利用された国連で、正しい情報を発信しようとする政府の取り組みといえる。
日本がこうした場で、慰安婦の強制連行を否定したのはことのときが初めて。
個人的には、「遅すぎた」という不満はある。
でも、「それだけ時間をかけて強制連行の証拠を探したけれど、見つからなかった」ということで、日本政府にはこの説を国連で否定できるだけの絶対的な自信があった、とみることもできる。
実際、日本が国連で強制連行を否定しても、韓国政府が強制連行の根拠をしめしたことはない。
今のところ、そんなものは存在しない。
慰安婦問題については、すでに世界中の史料を探っているから、今さら新しい決定的な証拠は出てこないだろう。
話を日刊スポーツの記事に戻す。
韓国人美女は、「強制連行はあった」と言うのなら、ブレスレットではなくてその根拠を示せばいい。
日本の記者も、「チャリティーブレスレット」に「高い政治意識」を見なくていい。
何の裏付けもなく、「強制連行された人もいる」という言葉をそのまま記事にしてはいけない。
その説は韓国政府や日本政府によって、すでに否定している。
それに日本政府はいま、誤った認識をなくすために、正しい情報を発信しているのだ。
それなのに、日本人の記者が足を引っ張ってどうするのか。
先ほど「韓国人の敵は韓国内にいる」というコメントがあったけど、それは日本も同じだったらしい。
韓国の文大統領について、「北朝鮮との融和をアピールし続けた。(中略)平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)を政治にフル活用した」と書く感覚もどこかおかしい。
単純に考えて、平昌五輪を政治利用してはいけないだろう。
平昌五輪についての記事なら、競技や選手についての情報を日本の読者に伝えればいい。
それか、東京スポーツの「モルゲッソヨ」のような大発見をしてくれると、きっと読者は歓喜する。
これからの日刊スポーツの記事に期待してますよ。
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