韓国社会には”悪い文化”がある。
国民感情に反する人間が出てくると、SNSで徹底的な攻撃を加えてしまう。
一部の韓国人がしていることだけれど、韓国社会の全体にそんな傾向がある。
韓国では、国際大会で「戦犯」とされた人間は国民から総攻撃を受ける。
そのことについて、中央日報は記事(2016年08月18日)で大学教授のこんな言葉を紹介している。
「非難する人々の立場では痛くも痒くもないが、標的になった選手はその後遺症が何年も続くことがある。選手がソーシャルメディアのアカウントを非公開に切り替えるのはよっぽどのこと」としながら「今回の問題を機に私たちの歪んだ応援文化を振り返って反省しなければならない」と述べた。
この記事の「五輪」とはリオ・オリンピックのこと。
でも、今回の平昌五輪でも同じことが起きた。
最初のターゲットになったのはカナダの選手。
ショートトラック女子500メートルで韓国選手が3位となる。
でもIOC(国際オリンピック委員会)は、「韓国の選手がカナダ選手を押した」と判断して、その選手は失格となった。
結果、4位だったカナダ選手が3位になって銅メダルを獲得する。
韓国選手も自分の反則行為を認めている。
失格にしたのはIOC。
でも、韓国人の怒りはカナダ選手に向けられ、”SNS攻撃”をしかける。
カナダ選手はすべてのSNSアカウントの閉鎖に追い込まれた。
フランスAFPの記事(2018年2月25日)にその選手の言葉がのっている。
「言葉では表せない気持ちですし、身の危険を感じて本当に怖かった」と話した。そして表彰式では「恐怖と怒り、満足感がないまぜになった気持ち」を味わったと続けた。
「五輪へ出るときは、予想外の事態も予想しておかなくてはならない。自分としては理解しがたい話です。どうしてあんな脅迫を受けなくてはならないのか、まったく理解できない」
「チームは私に寄り添って、あらゆる面で守ってくれました。そのおかげもあって山は越えました。克服することができたし、これからも勝っていきたいと思います」
この事件に対して、中央日報は社説(2018年02月15日)で、韓国社会にある”悪い文化”を指摘する。
繰り返される非理性的・反人格的「サイバーテロ」は韓国のインターネット文化の悪習だ。人身攻撃と魔女狩りから歪んだ愛国心による悪質なコメント、そしてネット上でさらし者にまでする。
3年前のリオ・オリンピックのときにも、同じようなことを書いていた。
もう、”文化”として韓国社会に定着しているようだ。
SNSでの人身攻撃と魔女狩りという悪習は、今度は自国の選手に向けられた。
女子パシュート(団体追い抜き)に、韓国は「キム・パク・ノ」の3選手がチームを組んで出場した。
でも、キム選手とパク選手がノ選手を置き去りにしてしまう。
それを見た韓国の視聴者は「ノ選手がいじめられている」と感じた。
さらに競技後のインタビューで、キム選手が敗戦の原因をノ選手の遅れのせいにするようなことを言う。
競技の様子とこの言葉が国民感情を逆なでした。
激怒した韓国のネットユーザーはキム選手に”SNSテロ”をしかける。
その結果、カナダ選手と同じように、キム選手もすべてのSNSアカウントの閉鎖に追い込まれた。
キム選手は公開の場で泣きながら謝罪した。
でも国民は許さない。
「キム選手の韓国代表の資格をはく奪しろ」と大統領府のウェブサイトに請願をおこなう。
その数は2月25日の時点で60万人以上にのぼっている。
国民からの猛攻撃を受けて、キム選手は深く傷つく。
朝鮮日報の記事(2018/02/25)から。
精神的なダメージを受けたキム・ボルムはマススタートのレースまで食事もまともに食べられなかったという。仏教徒であるキム・ボルムが僧侶に慰められたとのニュースが伝えられると、今度は「仏教信者の評判を汚す」などと中傷された。
「平昌五輪:内紛騒動のキム・ボルム、「銀」でもひれ伏し謝罪」
日本人と韓国人の感覚のちがいだろうけど、「仏教信者の評判を汚す」と攻撃する理由と必要性が分からない。
韓国のネットユーザーの怒りは収激しい。
キム選手のスポンサーをしていたスポーツウェアのウェブサイトにも不買運動をほのめかすメールを送って、キム選手とのスポンサー契約をやめさせている。
キム選手は女子マススタート決勝にも出場している。
そのときは、日本の高木菜那選手に敗れて銀メダルに終わった。
銀メダルをとったキム選手の顔によろこびはなく、スケートリンクの上で韓国旗を広げて土下座して国民に謝罪している。
この異様な様子に日本人がドン引きした。
「daily」の記事(2018.02.24)にこうある。
ツイッターでは「キムボルム」がトレンド入りし、日本の視聴者からは、笑顔のないキム選手について「銀とっても笑えないのか」「顔が暗すぎる」「切ない」「かわいそうになってきた」「許してやってほしい」との感想が相次いだ。
キム選手がしたことは「クンジョル」という韓国式のお辞儀だけど、日本の社会でいえば土下座や平伏になる。
競技後のインタビューで、この行為についてキム選手はこう話している。
「国民の皆さんに申し訳ない気持ちで深く頭を下げた」
「今思い浮かぶのは、申し訳ないという言葉しかない。本当にごめんなさい」
でも、この様子を見て、総攻撃していた韓国の世論が少し変わった。
産経新聞の記事(2018.2.25)によると、キム選手を許す韓国人も出てきている。
「キムよ、もう泣くな」
「われわればあなたをサポートする。ファイト!」
「よく我慢した」
こんなコメントがネット上に寄せられているらしい。
くわしいことはこの記事をどうぞ。
氷上の“土下座”で韓国世論が軟化 “魔女狩り”受けたキム・ボルムに代わる標的は…
でも日本人のボクとしては、遅すぎたと思う。
先ほどの朝鮮日報の記事を読むと、キム選手が負った心の傷は、回復できるか不安になるレベルだ。
所属会社の関係者はキム・ボルムについて「精神的な安定のために3-4月まではワールドカップのファイナルや世界選手権などの国際大会には出場せず、休養する予定」と説明した。
国民感情に反する言動はあったけれど、自国の五輪代表選手にここまでする必要はない。
3年前に韓国の大学教授が言ったようにはならないといいのだけれど。
「非難する人々の立場では痛くも痒くもないが、標的になった選手はその後遺症が何年も続くことがある」
韓国では、国民感情を逆なでするような言動をした芸能人が著名人がいると、徹底的な攻撃を加えられることがたびたびある。
安重根の写真を見て「豊臣秀吉」と答えたk-popアイドルは国民から非難を受けて号泣謝罪したし、「慰安婦は日本人によって強制連行されていなかった」と言った大学教授は公開の場で土下座で謝罪させられた。
「人身攻撃と魔女狩りから歪んだ愛国心による悪質なコメント」といった韓国社会の悪い文化は韓国人の手でなくしかないだろう。
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