1919年の3月1日、韓国で日本の支配に対する独立運動(3・1独立運動)がおきた。
それで韓国では毎年、3月1日の記念式典で大統領が演説をおこなっている。
もちろん、その内容は「反日色」がとても強い。
今年の文大統領もそれは同じで、慰安婦問題と竹島問題を持ち出して日本を強く非難した。
日本をたたくのだから、韓国国民の受けはいい。
でもその分、多くの日本国民を怒らせた。
このことは後で少し触れる。
文大統領の「反日スピーチ」を日本の新聞はどうみたか?
朝日・毎日・東京新聞は社説でこれを取り上げていなかったから、読売と産経新聞の見方を紹介しようと思う。
でもその前に、文大統領の演説がどんな内容だったのかを確認しておきたい。
文氏は演説のなかで「慰安婦問題は2015年の日韓合意では解決していない」という立場をハッキリさせ、日本にまた”真の謝罪”を求めてきた。
ただこれは、文氏が前から言っていることで新しさはない。
慰安婦問題は日韓合意で、両政府が「最終的かつ不可逆的な解決」を確認している。
それとこのとき、日本と韓国が「おたがいに非難や批判することを避ける」ということも約束した。
文氏のスピーチはこの合意の精神に反している。
3月1日の演説では、大統領が日本を厳しく批判することは韓国のお約束。
今年は文氏の口から、こんな言葉が飛び出した。
「加害者である日本政府が『終わった』と言ってはいけない」
「戦時の反人倫的な人権犯罪行為は終わったという言葉で覆い隠せない」
また、韓国が竹島(独島)を不法占拠しているに日本が抗議していることについては、「帝国主義の侵略への反省を拒否していることにほかならない」と飛躍した論理で日本を攻撃する。
読売と産経新聞はこれをどうみたか?
まずは読売新聞の社説(2018年03月02日)をみていこう。
読者に伝えたいことが最初の一文に集約されている。
独善的な歴史観に基づく一方的な日本批判が、未来志向の関係構築につながると本気で思っているのだろうか。左派政権の「反日」的な主張を懸念せざるを得ない。
文大統領演説 歴史を歪曲する「反日」体質
文大統領は「加害者である日本政府が『終わった』と言ってはいけない」と言う。
文氏がこう強調したことに、読売新聞は「驚かされる」と書いて「歴史のわい曲」だと非難した。
旧日本軍や官憲による強制連行を裏付ける資料は見つかっていない。慰安婦の境遇が悲惨だったのは確かだが、あたかも戦争犯罪のように見なすのは歪曲である。
慰安婦というのは悲劇的な存在だけど、それをつくり出したことは「戦争犯罪」ではない。
国連軍にも韓国軍にも慰安婦はいた。
日本の場合、「軍が女性を無理やりさらう」などの強制連行をおこなったという証拠がいまだに見つかっていない。
読売新聞が文氏のことばを「歴史の歪曲である」と断じたのは当然。
しっかり反論してもらわないと困る。
また文氏は、韓国が日本の植民地支配から解放されたことについてこう話した。
「我々の先祖の独立闘争は世界のどの国よりも熾烈だった」
「外から与えられたものではない」
読売新聞はこれも次のように否定する。
第2次世界大戦での日本の敗戦が独立につながった歴史的事実に反する。
文大統領は誤った歴史認識をもって、独善的・一方的に日本を非難する。
こんな姿勢で日本と良好な関係は築けない。
問題は、文氏がそれに”気づけない”こと。
最後に読売新聞は、これから韓国と北朝鮮が連携して「『反日』キャンペーンに乗り出すことを警戒せねばならない」と指摘している。
たしかにこれは要警戒。
次は産経新聞の社説をみてみよう。
いまは日米韓が協力して北朝鮮の核・ミサイル問題に対応しないといけない。
それにもかかわらず、文大統領は反日に夢中になっている。
それで産経新聞は「文氏は、誤った歴史観で日本を叩(たた)いている場合か」とあきれている。
というか、怒っている。
「加害者である日本政府が『終わった』と言ってはいけない」ということばに対して、産経新聞は文氏が「合意を破っている」と非難した。
そんなことを言う前に、韓国には「日本との約束を守る」という責任がある。
日本大使館の前にある慰安婦像は、いつ引っ越しをするのか?
文氏は慰安婦問題を「反人倫的な人権犯罪行為」と言った。
読売新聞はこれを文氏の「歴史のわい曲である」と非難する。
産経新聞はこう主張した。
史実をゆがめ、慰安婦問題とは関係のない戦争犯罪であるかのように印象づけ、日本の国と国民に延々と謝罪を強いていくつもりだろうか。
「史実をゆがめ」も「歴史のわい曲である」も同じこと。
文氏の歴史認識がそもそも誤っている。
日本は竹島(独島)の領有権を主張している。
そのことを文氏は「帝国主義の侵略への反省を拒否していることにほかならない」と言ったけれど、産経新聞に「竹島を侵略したのは韓国のほうである」と反撃されている。
これもまったくその通り。
こんな感じで読売・産経新聞は、文大統領による「3・1スピーチ」を全否定している。
読売新聞は文氏のことばを「歴史的事実に反する」と指摘して、文氏を「歴史を歪曲する「反日」体質」とみた。
たしかに、文氏の「独善的な歴史観に基づく一方的な日本批判」が未来志向の日韓関係につながることはないだろう。
産経新聞の文氏への見方は読売新聞と基本的に同じ。
「文氏は、誤った歴史観で日本を叩(たた)いている」、「史実をゆがめ」ていると批判した。
慰安婦問題を「戦争犯罪であるかのように印象づけ」る文氏の印象操作に怒り、「日本の国と国民に延々と謝罪を強いていくつもりだろうか」とウンザリもしている。
読売と産経新聞の見方には、いま多くの日本人が同意している。
文大統領のスピーチに対して、ヤフコメがとんでもないことになっていた。
「韓国と断交したい」という意見を支持する声が約14万もある。
それに対して、反対の声は約2200しかない。
これに韓国メディアが衝撃を受けていた。
*このことは別の記事でもう少しくわしく書きます。
文大統領はまえから、「日本と真の友人になりたい」「未来志向の韓日関係を望んでいる」と話していた。
でも、自分が言ったことをいつも自分のことばで否定する。
だから、文大統領は「”反日”体質」と指摘されてしまう。
日本の全国紙がここまで書くことはあまりない。
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