ハッピーイースター!
4月1日はイースター(復活祭)の日だった。
昨日、アメリカ人と花見をしたときにイースターの話を聞いたから、今回はイースターについて書いていこうと思う。
イースターや卵(イースターエッグ)ってなに?
なんでウサギ?
イースターのとき、欧米人は何をしているのか?
そもそもイースターの由来って?
そんなことを知っていきましょう。
まずは「イースターってなに?」というところを確認しておこう。
イースターとは、キリスト教の復活祭のこと。
キリスト教では、イエス・キリストは一度処刑されたのだけど、その3日目によみがえったと信じられている。
それでその復活を祝う「イースター(復活祭)」がおこなわれるようになった。
イースターの日は太陰暦にしたがった日だから、太陽暦を使っている現在では、イースターの日は年によって違ってくる。
ちなみにイエスが復活したことから、「自分が死んでも、肉体をまとってまた復活する」と考えているキリスト教徒は多い。
最後の審判の日における復活については、身体も伴った復活がキリスト教において信じられている
それで、火葬を嫌うキリスト教徒もいる。
肉体を燃やしてしまったら、復活できなくなるかもしれないから。
ヒンドゥー教徒はこの点が違う。
「死後、生まれ変わる(輪廻)ためには、この世に何も残してはいけない。肉体も遺灰もダメ」と考えて、火葬後に遺灰をガンジス川に流すことを望むヒンドゥー教徒は多い。
だから一般的に、ヒンドゥー教徒にはお墓がない。
だから、その前で泣くこともできない。
アメリカ人がSNSに投稿していたイースターエッグ
キリスト教のイースター(復活祭)を象徴するものに、イースターエッグがある。
「復活」ということで、生命や誕生をしめす卵がイースターのシンボルになったわけだ。
イースターのときに、この卵を配る教会もある。
今ではチョコレートで作られたイースターエッグが売られていて、知り合いや家族にプレゼントすることもある。
イースターではウサギをよく見る。
ウサギは子どもをたくさん産むことから、「繁栄」をあらわす。
イースター(復活祭)のとき、欧米人は何をしているのか?
ニューヨークで生まれ育ったアメリカ人はこんなことを話していた。
「子どものころは、親に連れられて教会へ行っていた。教会では「卵さがし」をしていたよ。教会に隠してあるイースターエッグを見つけるんだ。その後、教会でイースターの儀式をしていたな」
復活祭のときに、教会でおこなう儀式についてはこちらをどうぞ。
いま彼は、教会には行っていない。
13歳のときに「自分はキリスト教徒にはならない」ということを決めて、それを両親に言っている。
彼は宗教を信じていないけれど、神は信じている。
だから彼は「agnostic(不可知論者)」になる。
神の存在さえ否定する「atheist(無神論者)」ではない。
一言で「私は宗教を信じていない」と言っても、キリスト教世界では「agnostic(不可知論者)」と「atheist(無神論者)」は大きく違う。
くわしいことはこの記事をどうぞ。
アメリカ人と京都旅⑦「日本人と神様」と「キリスト教徒とGod」
「脱キリスト教」した彼にとってイースターは、「チョコレートのイースターエッグを食べる日」でしかない。
「キリスト教にもチョコレートにも関心がなかったら、イースターなんて関係ない」と彼は言う。
次に、ヨーロッパではイースターに何をするのか?
教会でのマジメな儀式ではなくて、ここではお楽しみ的な行事を紹介したい。
イギリスでは、動物園にいる動物たちにもイースターエッグが配られた。
NHKニュース(3月30日)から。
世界最大のトカゲ、コモドオオトカゲは、飼育員が小屋の中に隠した大好きなニワトリやアヒルの卵を鋭い嗅覚で探しだすと勢いよく食べていました。
「英の動物園 イースター前に動物に卵ふるまう」
「隠してあるイースターエッグを探し出す」というのは、先ほどのアメリカ人が子どものころにやっていたことと同じ。
サルの場合は、エサが入っているイースターエッグが配られて、その卵からエサを取り出して食べていたらしい。
国民の6割がキリスト教徒というドイツでも、同じようなことをしている。
でもここでは、イースターエッグは雪の中に隠されていた。
NHKニュース(4月2日)から。
南部の町アッシャウでは、標高1600メートルを超えるスキーリゾートで雪の中に隠された卵を探すゲームが行われました。
「ゆで卵投げ大会 雪中卵探し 復活祭祝う ドイツ」
イースターはイエスの復活を祝う行事だけど、アメリカ・イギリス・ドイツでは「卵さがしゲーム」がおこなわれている。
ヨーロッパの他の国も同じだろう。
ちなみにドイツでは、「卵を遠くに投げやがれ」的なイベントもおこなわれた。
西部の町ホルハウゼンでは、固くゆでた卵を草原に投げてその距離を競う「卵投げ大会」が行われました。
「ゆで卵投げ大会 雪中卵探し 復活祭祝う ドイツ」
アメリカ人やイギリス人から聞いた話だと、イースターはもともとはキリスト教に関係がなかったらしい。
ハロウィーンと同じで、別の宗教の行事をキリスト教が取り入れて、キリスト教のイベントにしたという。
ウィキペディアにもその説は書いてある。
復活祭を表す英語「イースター(Easter)」およびドイツ語「オースタン(Ostern)」はゲルマン神話の春の女神「エオストレ(Eostre)」の名前、あるいはゲルマン人の用いた春の月名「エオストレモナト(Eostremonat)」に由来しているともいわれる。8世紀の教会史家ベーダ・ヴェネラビリスがこれに言及し、ゲルマン人が「エオストレモナト」に春の到来を祝う祭りをおこなっていたことを記録している。
ただこれは「こういう説がある」ということで、ゲルマン神話の女神がイースターの由来になったかどうかはハッキリ分かっていない。
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