前回、「日本にある中国」の謎にせまった。
と、力を入れるほどのことでもない。
「岡山県・広島県・山口県・鳥取県・島根県の5県は、なんで『中国地方』って呼ばれてんの?」ということ。
このあたりは「畿内(京都・大阪・奈良のあたり)」と「西海道(九州地方)」の中間にあることから、古代の日本で「中国」と言われていた。
畿内を中心として、近国・中国・遠国に分けたときの中国がいまの中国地方になる。
「中国」の由来はこの説が有力。
ということで、チャイナの方の中国は関係ナイ。
オレンジ色が畿内で、西海道(九州地方)との間にあるから中国。
西海道の道は「みち」ではない。
地域のことで、北海道の「道」と同じ。
これは中国に由来する。
中国に起源し、日本、朝鮮、ベトナムに置かれていた。現在も道を置いているのは、日本・大韓民国(韓国)・朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)である。
日本で「道」は北海道しか残っていない。
でも韓国では今でも「道」によって、全国が分けられている。
ほれ。
楽天トラベルの地図から。
今回はそんな前回の記事のオマケ。
古代の日本では、都に近いところを「近国」、遠く離れた九州を「遠国」、その間にあるところを「中国」と呼んでいた。
これと同じような考え方でつけられた地名が静岡にもある。
それが「遠江(とおとうみ)」。
浜松市をふくめた静岡県西部を、むかしは遠江といった。
今でも、遠江総合高校や遠江病院なんてものがある。
遠江の「遠」は「都から遠い」という意味。
湖のことを「淡海(おうみ)」と言う。
「淡水の海」という意味で、潮海(しおうみ)に対してこの言葉が使われる。
都に近い淡海が琵琶湖。
で、遠い淡海が浜名湖。
浜名湖は「遠い淡海(とおいおうみ)」だから、そのあたりが遠江(とおとうみ)と呼ばれるようになったという。
とおとうみのくに【遠江国】
現在の静岡県西部を占めた旧国名。国名は、琵琶湖の「近淡海(ちかつおうみ)」に対する「遠淡海(とおつおうみ)」(浜名湖のこと)に由来。
「藩名・旧国名がわかる事典の解説」
近淡海(ちかつあはうみ)の琵琶湖のあたりは、「近江国」と呼ばれるようになった。
つまり、「遠江国(とおとうみのくに)」と「近江国(おうみのくに)」は対になっているということ。
まー、兄弟みたいなものだ。
だから、家康くんとひこにゃんを一年ぐらい交換してほしい。
浜名湖
・・・じゃなかった。
これはオーストラリアの海岸。
ついでに地名の話をもうひとつ。
浜松市の北部に「都田」という地名がある。
日本人の99.9%は興味ないと思うけど、この地名の由来についても書いておこう。
話は奈良時代の末期、都が京都に移される前にさかのぼる。
「都に適したところはないかな~?」と日本各地を探していたところ、いくつか候補地が見つかる。
その中に都田があった。
そして桓武天皇が「ここがみやこだ!」と言ったことが、「都田」の由来になったという話がある。
都田にある有名豆腐店「勘四郎」のホームページにそのことが書いてある。
遷都の候補地として「都田」の地を選び、『ここが都(みやこ)だ』と言われたが「みやこだ」の地名の由来だと伝えられているのは、ここの地では有名な話です。実際、都田は京都の地形とよく似ていて盆地や川があり、都田地内には「鴨川」、「丸山」といった京都にある同じ地名が存在しています。
この話を信じるかどうかは、あなたしだい。
でも1000年以上前の木簡に、ここが「京田」と書かれていたことは事実。
天竜浜名湖鉄道のホームページでは、都田の由来についてこう説明している。
地名は、いにしえ人が都恋しさから付けられたと言われていますが、定かではありません。
新しい都の候補地に選ばれたけど、結局ダメだった。
それで人々が「都が恋しい」と思ったのかも。
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