たとえば、こんな話があったとする。
両親と20代の息子と娘が住んでいる家庭がある。
以前から子どもたちは、父親からこんな話を聞かされていた。
「実はウチには、遠く離れたところに住んでいる親族がいるんだ。前は一緒に住んでいたけど、事情があって離れ離れになってしまったんだよ」
「へー」と子どもたち。
あるとき父親が、両親と子ども1人の計3人を家に連れて来た。
そして子どもたちにこう言う。
「これが前に言っていた親族だ。今日からこの家で、一緒に暮らすことになった。よろしくな」
子どもたちはとまどったけれど、拒否権なんてない。
同じ家で彼らと生活することになったとさ。
親族は貧しい環境で育っていて、お金がない。
だから、自分たちが彼らの生活費を出さないといけなくなる。
自分たちの食費、教育費、スマホの料金などを削って、親族の生活費を負担するようになった。
はたして、子どもたち2人はどう思うだろうか?
もちろんこれは、仮定の話。
でも、韓国の若い人たちはいま、将来こうなりそうな不安をかかえている。
北朝鮮軍と向き合う韓国軍の兵士
今週27日に、注目の会談がおこなわれる。
サッカー日本代表の監督を突然解任されて、激おこのハリルホジッチ氏が東京都内で・・・というのは会談じゃないですね。会見ですね。
これはこれで注目度が高いのだけど。
4月27日、韓国と北朝鮮のトップが話し合いをおこなう。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領と金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が国境にある「板門店」で会談をおこなう予定だ。
板門店
当日、この場所が映されるかもよ。
この南北首脳会談で、朝鮮戦争(1950~53年)の終戦が宣言されるかもしれない。
現在の韓国と北朝鮮は休戦中であって、朝鮮戦争が終わったわけではないのサ。
でも、「今週の南北会談で終結宣言が出されるかも」というウワサが流れている。
いま韓国と北朝鮮が統一する可能性が、かつてないほど高まっている。
現実味を帯びてきている。
で、韓国の人たちは北朝鮮との統一を望んでいるのだろうか?
トゥギャザーしたいと思っているのだろうか?
半年前の朝鮮日報の記事(2017/11/09)を見ると、そうでもない。
外交や安全保障分野の専門家98人に南北統一について聞いたところ、「同じ民族なんだから一つになる方が自然だけど、一緒になっても自分たちにメリットがない」という人がほとんどだ。
統一の必要性について98.0%は同感だと答えたが、「統一が国益に役立たない」との回答も98.0%に上った。
98.0%の人が「北朝鮮と一緒になっても、韓国の役には立たない」と見もふたもないことを考えている。
もう、「すべての人がそう思っている」と言ってもいいだろう。
北朝鮮と統一した場合、ぶっちゃけ韓国はかなりの費用を出さないといけなくなる。
餓死者や亡命(脱北)者を出す北朝鮮と先進国といってもいい韓国とでは、経済の格差があり過ぎる。
実質的に、韓国が北朝鮮の人たちの生活水準を、自分たちと同レベルに上げないといけないことになる。
でも、北朝鮮の人口は約2500万なんだけど。
韓国のみなさん、覚悟はできてますか?
後から書くけど、これは日本にとっても他人事ではない。
ニューズウィークの記事(2016年12月22日)を読むと、韓国人が「統一が国益に役立たない」と言う気持ちもわかる。
北の1人当たりの国民総所得(GNI)は139万韓国ウォン(約13万5千円)で、南の3094万ウォン(約304万円)の4%に過ぎない。(中略)今回の統計によると、北朝鮮の国民は毎月11万5000韓国ウォン(約1万1000円)で生活していることになる。
南北統一にいくらかかるのか?
「天文学的な数字」ということはわかるけど、正確に知っているのは神さまだけ。
韓国の人たちにはきっと「目玉が飛び出て、そのまま何も見えなくなった方がマシ」というレベル。
特に若い人たちにとってはね。
統一の費用を払うのは、20代の自分たちだということはハッキリわかっている。
つい最近、中央日報の記事(2018年04月13日)が当事者の感想を載せていた。
「祖父母の世代が作った分断なのに、どうして若い私たちが統一費用を負わなければいけないのか理解できない」
顔も知らない北側の人たちと一緒に暮らすからお金を出せという声は私たちの世代にはあまり通用しない」
南北の統一はいい。
でもそのためにかかるお金は、これから自分たちがもらう給料から引かれていく。
文大統領はウキウキだけど、「統一は望んでいなかった」という若者の気持ちは理解できる。
韓国ではいま、「統一税」という税を新設しようかと検討している。
新しい税金でもつくないと、統一費用なんて出てこない。
2つに割れたものを1つにするのはいいんだけど・・・。
で、改めて統一にかかる費用はいかほどなのか?
正確にはわからないのだけど、中央日報の記事(2015年03月20日)では「1兆4000億ユーロ以上をはるかに超える額」と書いてある。
我々の南北協力基金はドイツが統一後15年間に投入した1兆4000億ユーロ以上の金額とは比較にならない。
1兆4000億ユーロって、今日(2018年4月22日)のレートで約185兆円なんだが?
これと比較にならない額っていくらだ?
よくわかんないけど、「ファイティング・コリア!」としか言えない。
記事では、「我々は多くの費用を負担しなければいけない。準備されていない統一は費用負担を大きく膨らませるだろう」と泣きそうなことを言っている。
韓国人と北朝鮮人の父・檀君
今日、朝鮮日報の記事(2018/04/22)を見て、「マジかよっ」と声が出そうになった。
日本は、北朝鮮政権を起死回生させるカード、すなわち植民地支配の請求権名目で100億ドル(約1兆700万円)以上を北朝鮮に提供することができるからだ
北朝鮮の核は韓国を狙っていないと信じるのか
韓国では、日本が植民地支配の賠償として北朝鮮に1兆円払うことになっているらしい。
マジでか。
ただ「ironna」の記事によると、1965年に韓国と結んだ日韓基本条約でそれは解決済みらしい。
この時に日本は、北朝鮮の分もすでに韓国側にわたしている。
この時、韓国は朝鮮半島を代表する国家として北朝鮮の分も受け取っています。ですから百歩譲って日本が北朝鮮に協力金を支払う義務があるとしても、日朝の国交が開始された時点で支払い義務は日本にではなく韓国にあるのです。
でも、北朝鮮はこの日韓基本条約を認めていない。
日本からまだ、1円ももらっていない。
だから北朝鮮はいまでも、日本に戦後賠償を要求している。
それと謝罪も。
なんだかんだで、日本政府も北朝鮮に経済支援という名目でいくらかの費用を支払う方向で考えているらしい。
だが待ってほしい。
拉致問題は未解決のまま。
去年は去年で、ミサイルを何度も発射されて、日本国民はJアラームでたたき起こされた。
そんな日本の国民感情からすると、「南北統一おめでとうございます!これどうぞ!」と、1兆円をポンと出すわけにはいかないだろう。
でも、南北統一が成立した場合、韓国と北朝鮮がタッグを組んで日本に多額の賠償金を請求してくるはず。
「韓国のみなさん、覚悟はできてますか?」と書いたけど、日本人もそれなりの覚悟をしておいたほうがいい。
いろんな意味で27日は注目の日になる。
ハリルホジッチ監督の暴露話もふくめて。
こちらの記事もどうぞ。
コメントを残す