今回はユダヤ人の歴史について。
それともうひとつ。
ユダヤ人が欧米をはじめ世界中にいる理由について書きまっせ。
ユダヤ人と日本人の歴史は全然ちがう。
まあ「日本人は、もともとはユダヤ人だった!」という日ユ同祖論(にちゆどうそろん)なんてものはある。
日本人(大和民族)とユダヤ人(古代イスラエル人のうちのユダ族、ベニヤミン族、レビ族)は共通の先祖ヤコブを持つ兄弟民族であるという説。
信じたい人はどうぞ。
こんな都市伝説もあるけど、ユダヤ人と日本人とは民族の歴史がちがう。
このちがいを知れば、海に囲まれた島国の日本に生まれたということが、とてもラッキーだったと気づくと思う。
なんなら、今日の夕食に赤飯を炊いちゃうかもしれない。
でもそれを書く前に、ユダヤ人がテーマということでこんな導入からはじめたい。
ゴールデンウイーク中に、安倍首相がイスラエルを訪問していた。
この訪問中、イスラエルの人たちから「それは日本に失礼だ!」という声が上がる出来事があった。
ネタニヤフ首相が安倍首相をまねいて夕食会を開く。
そのときに出されたデザートを見て、市民が「それ、日本人にはマズくね?」と感じたという。
それは、そのデザートの容器が「紳士靴の形」をしていたから。
時事通信の記事(2018/05/08)
イスラエルのメディアや市民からは、屋内で靴を脱ぐ日本の習慣を取り上げるなどして「非常に失礼だ」との批判が出ている。
イスラエル、「靴のデザート」で物議=安倍首相との夕食会で提供
日本はタタミの国。
靴を履いたまま家に上がったら、ぶっ飛ばされる国。
でも個人的には、「靴の形をした入れ物」なんてどうでもいい。
それより、それを見て「非常に失礼だ」と思ってくれるほど、イスラエルの人たちが日本の文化を気にしてくれたことの方が何かうれしい。
これがネットの反応。
・これは馬鹿にされてますわ
・無礼以外の何物でもない
・まぁ全員で食うんだから別にな
・自分とこの首相にも出してるんだから
馬鹿にしてる訳じゃないだろ
・そもそも、靴を脱ぐ習慣関係無くね?
・日本に来たときじゃあイスラエルの習慣になぞらえて……
ってイスラエルの名物とか文化とか知らない
・だって靴型のビールジョッキとか普通にあるだろう
・京都の和菓子屋さんで、ウサギとかウグイスとかを象った練りきり菓子を
作るんだけど、決して「本物そっくりに作らない」ことをポリシーにしてるらしい。
ウサギにもひよこにも見えるような形に、赤い点を2つつけてウサギとする、みたいな。
日本文化は高度だよね。
さて、上にこんなコメントがあった。
・日本に来たときじゃあイスラエルの習慣になぞらえて……
ってイスラエルの名物とか文化とか知らない
これからの記事を読めば、少しはイスラエルやユダヤ人について分かりますよ。
まずはイスラエルという国について簡単に確認しておこう。
イスラエルは中東にある。
大きさは四国と同じぐらい。
イスラエルってこんな国だ。
面積:2.2万平方キロメートル
人口:約868万人(2017年5月)
首都:エルサレム
*イスラエルとアメリカはエルサレムを首都としている。
でも、日本をふくめ国際的には認められていない。
民族:ユダヤ人(約75%),アラブ人その他(約25%)(2016年9月)
言語:ヘブライ語,アラビア語
宗教:ユダヤ教(75.0%),イスラム教(17.5%),キリスト教(2%),ドルーズ(1.6%)(2014年)
以上は外務省ホームページ「イスラエル国(State of Israel)基礎データ」から。
前回、いま飛騨高山に行くユダヤ人がとても増えていることを紹介した。
これは、「東洋経済オンライン」にあった海野麻実氏の記事(2018年05月05日)による。
その記事では、岐阜県がユダヤ人を呼びこむキャンペーンを、アメリカでもおこなっている。
イスラエルからの観光客だけではない。幅広くユダヤ人に来てもらおうと、岐阜県はJTB中部と連携し、ユダヤ人が多く住むニューヨークやロサンゼルスに“命のビザ”「杉原千畝・ 訪日旅行インフォメーションセンター」を開設した。
イスラエルはユダヤ人が建てた国だから、そこにたくさんのユダヤ人が住んでいる。
というのは当たり前。
でもユダヤ人は、ヨーロッパにも南米にもアフリカにもいる。
特に多いのがアメリカで、米国内にいるユダヤ人の数は本国イスラエルとほぼ同じ。
なるべくたくさんのユダヤ人に「岐阜に来てください!待ってます!」と呼びかけたいのなら、ユダヤ人が多く住むアメリカの都市でキャンペーンをするのが効果的。
さて、日本人とユダヤ人の決定的なちがいって何だろう?
それはやっぱり「ディアスポラ」でしょ。
ディアスポラって、新しいスマホゲームじゃないよ。
高級生チョコでもなくて、ギリシャ語だよ。
2000年ほど前に、ユダヤ人は敵から攻めこまれて国を失ってしまった。
住む場所(パレスチナ)を失ったユダヤ人は世界中に逃れて行く。
それを「ディアスポラ」って言うのさ。
高校の世界史でこう習う。
ディアスポラ
ギリシア語で「分散」の意で、パレスチナ以外の地にユダヤ人が離散したことを指す。
「世界史用語集 (山川出版)」
ユダヤ人が世界各地にいる理由をさぐっていくと、このディアスポラ(分散・大離散)にたどり着く。
1948年にイスラエルを建国するまで、ユダヤ人には自分たちの国がなかった。
外国でずっと「いそうろう」のような状態で生活していた。
だからその国で何かあると、すぐ迫害されたり追放されたりしてしまう。
だからナチス=ドイツによって、600万人も殺されてしまった(ホロコースト)。
日本の歴史にはディアスポラがない。
日本人が国を失って世界中に散ってしまったことはない。
だから異民族の支配下にあって、迫害・追放・虐殺された経験がない。
ユダヤ民族と大和(日本)民族は全然ちがう。
島国に生まれてよかった。
1100年から1600にかけて、ヨーロッパ各地でユダヤ人が追放され移動していたことを示す地図(ウィキペディア)
母国がないと流浪の民になってしまう。
だからユダヤ人は「国のない民」なんて言われる。
記事のはじめに紹介した「日ユ同祖論」の根拠のひとつに、「ディアスポラによって、古代ユダヤ人が日本にたどりついた」というものがある。
世界に散らばったイスラエルの失われた10支族の1支族(第9族エフライム族、第5族ガド族、または第7族イッサカル族)の数人が日本に移住したという説。
信じたい人はどうぞ。
ボクがインドやイエメンに旅行したときにも、ユダヤ人居住区があった。
下の動画はイエメンのユダヤ人村。
イエメン人のガイドは、この村ができたのはディアスポラの結果と話していた。
ホントかどうかは分からない。
信じたい人はどうぞ。
こちらの記事もどうぞ。
ナチスによるユダヤ人迫害の実態・”絶望の航海”とホロコースト。
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