マレーシアの選結果にビックリ。
マハティール元首相が勝って、また首相になることが決まった。
マレーシアは、1957年にイギリスから独立して以来、ず~っと政権が替わっていなかった。
だからこれが初の政権交代。
AFPの記事(2018年5月10日)は「歴史的勝利」と伝えている。
マハティール元首相が率いる野党連合の希望連盟が過半数にあたる112議席を獲得した。
1957年の独立以来、与党連合の支配が続いたマレーシアで初めて政権交代が起きる見通しとなった。
初の政権交代ってことより、マハティールさんの年齢に注目ですよ。
92歳って。
まいあさ散歩するだけでもすごいのに。
92歳の人が首相に選ばれるとはね。
もう「老人」なんて言葉は使えなくなってしまう。
失礼ながら、もう”過去の人”だと思ってました。
このまま何もなかったら、マハティール氏が次の首相になる。
そうなったら、世界最高齢の首相の誕生だ。
マレーシア国民は、どれだけマハティール氏に期待しているのだろう?
いまの政権に、それほど絶望していたということか?
マレーシアの政治はマレーシア新首相にまかせるとして、「マレーシアから見た日本」を紹介しようと思う。
といっても、少し古い。
でもその前に、マレーシアって国を簡単に確認しておこう。
マレーシアは他民族国家という点で、日本とは大きくちがう。
次のデータの「民族・宗教・言語」に注目してほしい。
1 面積:約33万平方キロメートル(日本の約0.9倍)
2 人口:3,119万人(2015年マレーシア統計局)
3 首都:クアラルンプール
4 民族:マレー系(約67%)、中国系(約25%)、インド系(約7%)(注:マレー系には中国系及びインド系を除く他民族を含む)
5 言語:マレー語(国語)、中国語、タミール語、英語
6 宗教:イスラム教(連邦の宗教)(61%)、仏教(20%)、儒教・道教(1.0%)、ヒンドゥー教(6.0%)、キリスト教(9.0%)、その他
以上の数字は、外務省ホームページマレーシア(Malaysia) 基礎データから。
マレーシアと日本の面積はだいたい同じ。
はなしをマハティール次期首相に戻す。
マハティールについては、高校世界史でこう習う。
マハティール
第4代マレーシア首相(在位1981~2003)。
統一マレー人国民組織から首相となり、マレー人中心政策であるプミプトラ(「土地の子」の意)政策や、日本の経済成長に学ぶ、「ルックイースト」政策を進めた。「世界史用語集 (山川出版)」
はい!この言葉に注目!
「日本の経済成長に学ぶ、ルックイースト政策」
そのときマハティール首相は悩んでいた。
マレーシアを発展させるには、どうしたらいいか?
どうやったら、”強いマレーシア”になるのか?
なにをモデルにしたらいいか?
マハティール首相は、マレーシアが向くべき方向は西(ヨーロッパ)ではなくて、東(アジア)と考えた。
それでマレーシアは「日本や韓国に学べ」というルックイースト政策をとる。
具体的には、日本人の労働規律や会社への忠誠心などをマレーシアの企業に取り入れようとした。
このときに、たくさんの留学生が日本にやって来ている。
マハティール氏は22年間も首相をしていた。
今回選挙で勝ったということは、このときのことが市民に高く評価されたという証でもある。
さて、ここで疑問がある。
マハティール氏が首相になったあと、また「ルックイースト(日本に学ぼう)」と言うだろうか?
たぶんない。
あえて言おう、ムリであると。
国の発展に関して、マレーシアから見て、いまの日本に「ぜひ学びたい!」と思わせる点がどれだけあるだろう?
ほとんどないような気がする。
外国がいまの日本を見て、よく注目するのは「礼儀正しさ」「協調性」「マナーのよさ」といった教育や精神面だ。
例えば、2016年にシンガポールの教育省が日本の「掃除」を学校に導入している。
教育省は公立の小・中・高校の生徒に、学校での清掃を義務にした。
エジプトの学校でもいま、日本式教育を取り入れる動きが進んでいる。
エジプトでも”掃除”が注目されていて、子どもたちが教室を掃除する学校が増えている。
ほかにも日本の学校のように、子どもたちが当番(日直)をする学校もあるという。
最近はこんなんばっか。
「世界が注目した日本!」は、礼儀や規律の正しさといった人格的な面が多い。
サッカーの国際試合でもそう。
世界を驚かすのは選手のプレーではなくて、日本のサポーターがスタジアムのゴミを拾うこと。
こういうマナーをほめられるのもいいんだけど、最近はもうお腹いっぱい。
「経済大国としての日本」で世界の注目を集めてほしい。
海外旅行で空港に着くとガッカリする。
まえはソニーやパナソニックなどの看板がたくさんあったのだけど、いまは韓国や中国の企業ばかり。
日本企業もあるけど、本当に減ってしまった。
まさかシャープが台湾企業の、まさか東芝が中国企業の傘下に入る日がくるとは想像もできなかった。
また海外で日本企業の存在感を見てみたい。
もう”過去の人”と思っていたマハティール氏が返り咲いた。
日はまた昇るかもしれない。
「ジャパンアズナンバーワン」と世界を驚かせた日は来るのだろうか?
戦後の日本経済の高度経済成長の要因を分析し、日本的経営を高く評価している。
こちらの記事もどうぞ。
コメントを残す