いよいよ明日、W杯で日本がポーランドと対戦する。
これに勝つか引き分けなら、日本の決勝トーナメント進出が決定。1億総歓喜。
試合は日本代表にまかせるとして、この記事では、対戦国のポーランドについて理解を深めようと思う。
と、そんなことを考えたのは、ポーランドは日本でマジで知られてないから。
前回の記事で、「ポーランドについて何を知ってますか?」と日本人に聞いたインタビュー動画を紹介した。
すると、ふつうの日本人はポーランドについてほとんど知らない。
だいたいこんな感じ。
・ポーランドの首都を「ベルリン」と思った。
・ポーランドの場所が分からない。ヨーロッパのどっか。
・ヘタリアなら知ってる。
・印象がない。国名を聞いたことあるぐらい。
・ポーランドの通貨をユーロやペソと言う。
・ポーランドの有名人はだれも知らない。
くわしいことは、この記事をどうぞ。
ポーランドに関心のない一般の日本人なら、だいたいそんな感じだと思う。
だからこの記事で、知られざるポーランドを知っていきましょう!
まず、ポーランドとはどんな国か?
外務省ホームページによると、かなりの親日国だ。
伝統的親日国であり、国連や多くの国際機関選挙において我が国の立場を支持するポーランド
日本とポーランドの関係はとてもいい。
この良好な関係については、次回に回すとして、ここではポーランドの基本情報について書いていきたい。
ポーランドという国名は、「平原の国」という意味。
その名のとおり、ポーランドには広大な平野が広がっている。
自然がとても豊かで、ポーランドはとても気持ちのいい国だ。
行ったことないけど。
これがポーランドの基本情報。
面積:31.2万平方キロメートル(日本の約5分の4,日本から九州,四国を引いた程度)
人口:約3,844万人(2016年)
首都:ワルシャワ(約172万人)
民族:ポーランド人(人口の約97%)
言語:ポーランド語
宗教:カトリック(人口の約88%)
以上の数字は「ポーランド共和国(Republic of Poland) 基礎データ」から。
ポーランドの通貨はユーロではなくて「ズウォティ」。
ポーランドは中・東ヨーロッパの国のなかで、最大の人口と経済力がある。
EU(ヨーロッパ連合)の中でも存在感がある。
では、ポーランド出身の有名人とは?
ショパン(音楽家)
コペルニクス(地動説を唱えた)
キュリー夫人(物理学者・科学者)
ヨハネ・パウロ2世(第264代ローマ教皇:在位1978年 – 2005年)
レヴァンドフスキ(世界的に有名なサッカー選手)
といったところかな。
高校で世界史を学んでいる人は、「レフ・ヴァウェンサ(ワレサ)」を忘れないように。
労働運動「連帯」の指導者で、1989年にポーランドの民主化を達成した人。
その後、ポーランドの大統領に選ばれた。
ノーベル平和賞も受賞している。
この他にも、日本人として知ってほしいポーランド人がいる。
それが、長崎に住んでいた「コルベ」という神父さん。
コルベ神父
コルベ神父は第二次世界大戦のとき、ナチスがつくったアウシュヴィッツ収容所に入れられていた。
あるとき、そのアウシュヴィッツ収容所から囚人が脱走する。
これに怒ったナチス側は見せしめとして、10人の囚人を処刑することを決定。
選ばれた10人のなかに、妻と子どもがいる男性がいて、彼が泣き崩れた。
これを見たコルベ神父は前に進み出る。
その後のことは、長崎にある「聖コルベ館」のウェブサイトから引用したい。
所長が「お前は何者だ」と問うと、その男は「カトリックの司祭です」と答えた。そして静かに続けた。「自分は、妻子あるこの人の身代わりになりたいのです」。
所長は驚きのあまり、すぐには言葉が出なかった。
アウシュヴィッツの所長がこれを認める。
コルベ神父は男性の身代わりとなって、地下牢に入れられ、殺害された。
後年、同じポーランド人のヨハネ・パウロ2世によって、コルベ神父はカトリックの聖人に認められている。
イギリス・ロンドンにあるウェストミンスター教会に、「20世紀の殉教者」の1人としてコルベ神父の像が飾られている(一番左)。
ところで、ポーランドについてたずねた動画で、ポーランドの首都を「ベルリン」と答える日本人がいた。
それを見た外国人(ポーランド人?)が、「this girl probably trigered a lot of Poles :D」とコメントする。
「そんなことを言うと、ポーランド人が怒るぞ」という。
この理由はとても大事。
そのことは知っておこう。
では、歴史クイズです。
第二次世界大戦は、いつどうやって始まったでしょう?
答えは、1939年にナチス=ドイツがポーランドに侵攻したことから。
高校世界史ではこう習う。
第二次世界大戦の開始
1939年9月1日のドイツのポーランド侵攻に対し、ポーランドの同盟国イギリス・フランスが9月3日、ドイツに宣戦布告したことから始まった。
「世界史用語集 (山川出版)」
ナチス=ドイツがポーランドに攻めこんだことで、第二次世界大戦が始まった。
つまり、ポーランドはドイツによる最初の犠牲者になる。
このときポーランド人は徹底抗戦をしたけれど、力及ばず、ドイツに制圧・支配されてしまう。
首都ワルシャワは、ドイツ軍の無差別爆撃で廃墟になった。
このときのワルシャワ市民の手記には、こう書いてある。
*上の画像と下の手記は、「NHK 映像の世紀 第5集」から。
街のいたるところ、炎上している家が煌々(こうこう)と通りを照らしていました。
目の前にはモルタル、石材、コンクリートの塊が瓦礫(がれき)の山と化し、その下から生き埋めになっている人の悲痛なあえぎ声が聞こえてきました。
何もかも燃え尽きていく。イギリス製の織物(おりもの)、高価な革製品、愛用した家具、大事な思い出の品、そして、希望も。 何もかも。
ポーランド人はこういう思いをしている。
だから、ポーランドの首都を「ベルリン」と言うのは、一番あり得ない答えだ。
首都ワルシャワ
ポーランドの人たちは日本について、どう思っているのか?
それをたずねたインタビュー動画で、ポーランドの人たちは「勤勉・スシ・桜・アニメ・北斎・折り紙…」と、いろいろ答えている。
「素敵な国。行ってみる価値はある」と言う人もいた。
ポーランド人から見た日本については、こちらの記事をご覧ください。
では次回、日本とポーランドの素晴らしい関係について書いていきます。
こちらの記事もどうですか?
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