さて、明日から10月が始まる。
10月の注目のイベントといえば、何と言っても「2018大韓民国海軍国際観艦式」だっ(は?)。
これは、10月10日から韓国の済州(チェジュ)海軍基地で行われるもの。
「海上自衛隊もぜひ参加してください!」と韓国側からラブコールを受けて、日本の自衛艦も参加する予定ではある。
でも韓国ではいま、「自衛隊は来るな!」と反対する声もある。
海上自衛隊の艦船は旭日旗をかかげているのだけど、韓国民がこれに激怒。
中央日報の記事(2018年09月30日)では、大統領府への国民請願が止まらない状況だ。
青瓦台(チョンワデ、大統領府)国民請願掲示板には6日に「自衛隊の旭日旗掲げての済州入港を拒否してください」という請願文が掲載されたのをはじめ、29日現在78件の請願が上げられている。
大変だと思うけど、これは国内問題だから韓国がんばれ。
韓国からは、間接的に旭日旗をかかげないよう要求があった。
でも小野寺防衛相はこれを拒否。
あくまで旭日旗をかかげて韓国に行くつもりだ。
日本がんばれ。
日本の反応は「旭日旗をかかげるべき。絶対降ろすな」という意見が圧倒的だ。
でも、日本にいる外国人はそうでもない。
知り合いのアメリカ人は「韓国が反発するなら、自衛隊は旗を降ろせばいい」なんてことを平気で言う。
彼がそう思った理由のひとつに、ジャパンタイムズの報道がある。
今回は、その報道について紹介しようと思う。
困ったことに、これはかなり韓国寄りなんですわ。
数十年前から、海上自衛隊の艦船は旭日旗をかかげている。
韓国側もそれを知ってて、自衛隊を招待したはず。
そのアメリカ人が見た記事の前に、「ジャパンタイムズ」というメディアについて簡単に知っておいてもらいたい。
日本にいる外国人が一番よく見るのがジャパンタイムズだろう。
ジャパンタイムズの現在の発行部数は、日本国内で発行される英字紙の中で最大。 また、在日外国人に対するカバー率において他紙を圧倒しています
ジャパンタイムズを通して、日本について知る外国人は多い。
このメディアが在日外国人にあたえる影響は絶大だ。
このジャパンタイムズが下の記事を載せていた。
Japan will raise the Rising Sun flag at an international naval review in South Korea despite its Asian neighbor’s request, Defense Minister Itsunori Onodera said Friday.
先ほどのアメリカ人がフェイスブックでこれをシェアしていた。
記事では、韓国を「Asian neighbor’s request(アジアの隣人)」と表現している。
なにこれ?普通に「韓国」でいいだろ。
「despite(~にもかかわらず)」があるから、これだと読者に「隣人がお願いしたにもかかわらず、日本はそれを無視した」と、日本に悪い印象をあたえそうだ。
ひょっとしたら、それがねらいとか。
そのせいかこの報道を見て、コメント欄に「They are creating friction in Asian relationship.」と書き込む外国人がいた。
「They」とは日本のことだろう。
日本がアジアで摩擦や問題を引き起こしている、とこの人は考えている。
でも、この記事を読むとそういう印象を持ってしまうかも。
日本側が旭日旗をかかげる理由について、記事では小野寺防衛大臣の言葉を紹介している。
Onodera noted that Maritime Self-Defense Force ships are obliged by national law to hoist the flag.
国内法(national law)によって、この旗を揚げることになっているのだ。
でもそれだけじゃない。
国際法でも、海上自衛隊の艦船は旭日旗を掲げることになっている。
でも、ジャパンタイムズの記事にはそのことが書いてない。
さらに、この記事は旭日旗についてこう説明している。
The flag was used by the Imperial Japanese Army until the end of World War II. The MSDF adopted it when the organization was launched in 1954.
「第二次世界大戦の終わりまで、日本軍によって使われていた」というのはその通りだけど、旭日旗は戦争の前から使われていた。
旭日旗は軍国主義だけをしめす旗ではない。
いまでも民間で広く使われていることについて、菅官房長官はこう言っている。
産経新聞の記事(2017.5.8 )から。
「自衛隊旗や自衛艦旗だけでなく、大漁旗、出産、節句の祝い旗など日本国内で広く使用されている。法令上も使用実態も国旗とは異なる」
旭日旗は出産や節句のお祝いでも使われている。
こういうことも書いてほしいのだけど、ジャパンタイムズは華麗にスルー。
ジャパンタイムズは外国人読者に、「旭日旗は軍国主義の象徴だから、韓国は不快になる」というイメージを植え付けたいような気がする。
これが「これはかなり韓国寄りなんですわ」と書いた理由になる。
本文全体を読んで確認してほしい。
では、「自衛艦は旭日旗を掲げるな!」という韓国人の主張を、在日外国人はどう思っているのか?
知り合いのアメリカ人は「韓国が反発するなら、自衛隊は旗を降ろせばいい」と韓国サイドの見方をしていたけど、他の外国人はどうなのか?
次回、そのことについて書いていこうと思う。
少し書いておくと、在日外国人は韓国の立場を支持している人が多いようだ。
例えば、上のジャパンタイムズの記事を読んだ人はこう書き込んでいる。
「日本軍は過去、ひどいことをした」
「でもいまの日本人は、その歴史をよく分かっていない」
「海上自衛隊の艦船に旭日旗をかかげることは、ドイツ軍の軍艦がナチスのハーケンクロイツをかかげるようなもの」
これらは全て韓国が主張していることと同じ。
彼らはその立場に立って日本を批判している。
くわしいことは次回に。
旭日旗の歴史の一時期にたまたま戦争があっただけ。それなら日の丸も君が代も戦犯旗のはず。
旭日旗を戦犯旗と呼ぶのは韓国だけです。
韓国の価値観は特殊ですから。