師匠にとって一番うれしいことはなにか?
それはきっと、弟子が自分を越えてくれること。
弟子にとっては、それが師への最大の恩返しだ。
アニメではよくそんなパターンがある。
ドラゴンボールではゴクウが亀仙人を上回った。
まさか亀仙人がヤムチャにまで抜かれるとは思わなかったけど。
現実の世界にもそんなことはあって、「青は藍(あい)より出でて、藍より青し」ということわざもある。
意味は、弟子が師匠の知識や能力を越えること。
ドラゴンボールでいえば、亀仙人が藍でゴクウやヤムチャが青になる。
ちなみにこれは古代中国人の思想家・荀子の言葉だ。
「青は藍より出でて、藍より青し。氷は水これをなして、水より寒し」
氷は水からできるけど水より冷たい、という方がわかりやすいかも。
さて、ことし2018年は、明治時代がはじまって150周年の記念の年。
興味のある人はこれをのぞいてほしいっす。
明治時代、日本はヨーロッパ各国からいろいろなことを学んだ。
日本が弟子でヨーロッパは師匠の国。
そのなかでも、日本人はイギリスに親しみやあこがれを持っていたように思う。
日本とイギリスは同じ島国で、国王と天皇という君主がいる。
それに当時のイギリス、大英帝国は疑う余地のない世界の一等国だった。
福沢諭吉はこんなことを言っている。
日本の軍艦東洋の海面を蔽ひ、日章旗は西洋諸国まで吹き及ぼすは、愉快ならずや。アジアの東辺に「新英国」を出現するは難からず。
「福沢諭吉と朝鮮 時事新報社説を中心に (彩流社) 杵淵信雄」
福沢は日本を「アジアの英国」にしたかった。
この時点では、日本はゴクウでイギリスが亀仙人だ。
でも、平成のいまは違う。
部分的にだけど、ゴクウの日本は亀仙人のイギリスを越えた。
明治5年(1872年)、日本で初めて鉄道が開通した。
これは高校日本史で習う重要事項だから、覚えておこう。
鉄道開通
鉄道敷設計画は、イギリス人モレルの指導下、大隈・伊藤らが進め、英国より100万ポンド(488万円)を借り、その一部で新橋駅と横浜駅間に敷設。狭軌鉄道。1872年に完成し、当時、陸蒸気といって人気を呼んだ。
「日本史用語集 (山川出版)」
日本に鉄道ってやつを教えたイギリス人モレルは、「日本の鉄道の恩人」と呼ばれている。
モレル(ウィキペディアから)
人類の歴史上、鉄道の運行はイギリスで始まった。
だからそれについては、イギリスが世界で一番の歴史と経験がある。
2017年、日本が鉄道の母国イギリスに乗り込んだ。
JR東日本や三井物産などがイギリスの鉄道路線の運営権を取得して、鉄道の運行をはじめたのだ。
くわしいことはこの記事をどうぞ。
日本が海外の鉄道運営をおこなうのはこれが初めて。
GO!日本!
ということで、日本は鉄道の師匠だったイギリスを越えてしまった。
日本では、電車が20秒早く出発すると鉄道会社が公式に謝罪する。
でもそれは外国人にはインクレディブル。
イギリスBBCはこう報じた(2017年11月17日)。
感銘を受けた世界中の鉄道利用者たちは、自分たちの地元の鉄道運営会社に向けてこの出来事をツイートした。鉄道が頻繁に遅延する英国で、こうしたツイートは特に多く見られた。
このとき、「イギリスの鉄道も日本人が運行してくれ!」とツイートするイギリス人がいた。
「悟空ー!!!!はやくきてくれーっ!!!!」というリクエストに応えて、日本がイギリスにやって来たのだ。
これはタイカレー
鉄道に続いて、今度はカレーもイギリスを越えてしまうかもしれない。
ココイチがロンドンに殴り込み、じゃなくて、売り込みをかけた。
朝日新聞の記事(2018年10月6日)にそのことが書いてある。
12月に欧州1号店をロンドンに開き、独仏にも出店をめざすと発表した。中国や東南アジアを中心に160超の海外店を出してきたが、欧州でも日本式カレーの売り込みを加速する。
ココイチ、ロンドン上陸へ 欧州に日本式カレー売り込み
とうとうイギリスに日本カレーの黒船が上陸するらしい。
このニュースにネットの反応は?
・イギリスではカツカレーが何故かえらく人気がある
・米はどうするんだ現地調達かイギリスの米はうまいのか
・バーモントカレーこそが至高
・バルチックカレーの野菜カレーならロンドンだろうがNYだろうが絶対受けると思う
あれはもう1回食いたい
・イギリスで日本式のどろどろカレーが売れるわけない
・丸亀製麺が香川に出店するようなものか
・無理だね
スプーンはスープに使うもの
モノを食うのにスプーンを使うのは低俗というイメージあるから
・ココイチは日本式じゃない名古屋式だ
・ポポラマーマはイタリアに店を出してほしい。
スターバックスがイタリアで店を開くようなものか。
でも、「いや待て、カレーはインドから来たんじゃないのか?」と思った人もいると思う。
カレーはインドで生まれた料理だけど、日本のカレーはイギリスから伝わった。
インド料理ではなくて、西洋料理のひとつだった。
農林水産省のホームページにこう書いてある。
明治(めいじ)時代は、アメリカやヨーロッパの文化が日本に積極的に取り入れられ、その中でイギリスからカレーが伝わりました。
日本の「カレー師匠」はイギリスだった。
カレーのつくり方を紹介するレシピ本「西洋料理指南」が出たのは明治5年(1872年)のこと。
そう、日本で鉄道が開通した年だ。
日本では、イギリス伝来のカレーと鉄道が同時にが広がったらしい。
さっき「バーモントカレーこそが至高」というコメントがあったけど、カレー粉を考案して日本に伝えたのはイギリス。
インドカレーにカレー粉はない。
それに近いものとして「ガラムマサラ」があるけどね。
くわしいことはこの記事をどうぞ。
ということで、ココイチがロンドンに出店するというのは、恩返しであり里帰りになる。
でも、イギリス人に日本のカレーが受けるかどうかは、まったくの未知数。
知り合いのイギリス人は、「カレーとビールの組み合わせが最高なんだ!」と言っていた。
ココイチのカレーにビールは合うと思う。
日本のカレーも師匠の国で成功してほしい。
でも、共同通信の記事( 2018/10/10)によると、ニューヨークに上陸した「いきなりステーキ」は苦戦している。
一瀬社長は「日本では安く売ってお客様数が圧倒的に多く(という)成功した事業モデルが、こちらで成功できない。安く売ればいいというわけではない」と指摘。
「安さ」ニューヨークでは苦戦 「いきなり!ステーキ」社長
イギリスではみかんを「サツマ」と呼んでいる。
その理由はこちらの記事をどうぞ。
なんでイギリス人はみかんを「サツマ」と呼ぶの?②薩摩藩と英の「薩英戦争」
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