マクドナルド、ガスト、ロイヤルホスト、スターバックス、ヒルトンホテル。
身近な店から高級ホテルまで、これらに共通するのはなんでしょう?
答えは「カタカナ」。
ではなくて、「脱プラスチック」。
もうプラスチック製のストローを廃止したか、これからやめると発表したのが上の5つ。
もちろん他にもたくさんある。
脱プラスチックの動きはいま、日本や世界で進んでいるから、
その理由はプラスチックごみによる海洋汚染。
人間が使ったプラスチック製品が海に流れ出てる。
そのあと海にただよっていたり日光を浴びたりして、直径5ミリ以下のマイクロプラスチックになってしまう。
それを魚がパクリ。
そんな魚を人間がパクリ。
それでこうなった。
ナショナルジオグラフィックの記事(2018.10.24)。
人体にマイクロプラスチック、初の報告
*魚を食べたことだけが原因かは分からない。
1週間にわたって、ヨーロッパ人7人と日本人1人の計8人の食事の記録を取ったところ、すべてのウン〇からプラスチックが見つかったのだ。
くわしいことは記事を検索して読んでほしい。
いまを生きる人間にとって、これは衝撃的な結果だ。
マイクロプラスチックが人間の体内にあることを示す証拠が初めて見つかったという事実は重大だ。
でも、
マイクロプラスチックは内臓まで到達しているのか?
人体にどんな影響をあたえるのか?
ここまでは分かっていない。
でも、マイクロプラスチックでヘルシーになれないことはたしか。
いまやプラスチックは人類の敵、自然にとっては悪魔のような存在になってしまった。
日本のいろいろなところで、プラスチック廃止の動きが進んでいる。
でも、それにとまどっている会社が岡山県にある。
それがプラスチック製ストローを生産しているシバセ工業さん。
社員50人の会社で、日本のシェアの半分を握っている。
まさに小さな巨人。
でも、まわりは敵だらけ。
世界的な脱プラスチックの流れには逆らえない。
「四面楚歌」の状態に社長がため息をついている。
朝日新聞の記事(2018年10月23日)から。
「プラ製品の存在が悪いのではなく、問題は廃棄の仕方にあるのに」。製造から廃棄にいたるまでの過程できちんと管理ができていれば、汚染にはつながらないはず。磯田拓也社長(58)は、急にわき上がった「ストロー廃止運動」に疑問を投げかける。
ストロー、突然「悪者に」 シェア半分握る会社の疑問
でも、世界規模で「きちんと管理」はきっと無理。
東南アジアの路上を見てほしい。
プラスチック製品をふくめて、日常的にごみが散乱しているから。
海でも川でも湖でも、外国人は気さくにポイ捨てをする。
「廃棄の仕方」を指導するより、プラスチック製品をなくしてしまうほうが現実的だ。
時代の流れを読んでいるらしく、ネットでは、社長さんに同情する声は本当に少ない。
・国内半分のストローを50人の会社が作ってたとは驚きだな
・廃棄の仕方の問題というなら、製造者として廃棄の仕方までコントロールしなきゃだめだろ
・下手したら倒産か
小さな町の企業だし地元もショックだろうな
・一方、製紙業界が「ビジネスチャンス到来」と小躍り。
・なくせるところからなくしたらええやん
必要のないものはいらんやろ
・次はコンタクトレンズだぞ
・麦のストローに戻れば皆幸せになるじゃないか
・普段ストロー使わない。
つまり、不要なものなんだろう。なくても困らないもの。
・ちゃんと捨てないお前等が悪いんだろ
ストローに責任転嫁するな
・この世は不条理で成り立っているんだ
諦めるしかない
そうなのだ。
人間は自然や時代には勝てないのだ。
合わせていかないと、消えるしかない。
上の画像は駕籠(かご)。
言ってみれば、江戸時代のタクシー。
でも、明治時代に人力車があらわれると、駕籠は姿を消してしまう。
人力車
人力で引く乗用車。和泉要助らが発明。1870年に官許される。以後、駕籠は急速に衰えた。
「日本史用語集 (山川出版)」
でもそのあと蒸気機関車が登場して、日本に鉄道が広まっていくと、今度は人力車が消えていった。
世の中は栄枯盛衰(栄えたり衰えたりする)。
何かがあらわれたら、何かが消える。
社長さんには残念だけど、いまの脱プラスチックはとまらない
太平洋には、これほどのプラスチックごみが漂っているのだから。
Plastic Pollution Coalitionの動画から。
これももうすぐ消える。
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