はじめの一言
*「傍ら」は「かたわら」
「馬で郊外の小ぢんまりした住居や農家や小屋の傍らを通り過ぎると、家の前に日本人好みの草花を少しばかり植え込んだ小庭をつくっている。日本人の国民性のいちじるしい特色は、下層階級でもみな生来の花好きだということだ。
(ロバート・フォーチュン 幕末)」
「日本絶賛語録 小学館」
東京と名古屋で旅好きの人たちが集まると聞いて、ボクも行ってみた。
今回は、そのときに聞いた話や感想なんかを書いていきたい。
その前に、「旅」という漢字の雑学を一つ。
「旅」という漢字は、もともとは「戦いに行くこと」をあらわしていた。
戦車を連ねて軍団が進み、他の国へ遠征をする。
このことを「旅」といいました。
旅という字の古い形は(4)のように字の中に「車」が入っています。旗と人と軍がひとつになっている形です。
旗をひるがえし、物を車に積んで人々は進む、これが「旅」なのです。「図説 漢字の成り立ち事典 教育出版」
画像は、「図説 漢字の成り立ち事典 教育出版」から。
今回の内容
・世界一周をめざす人たち
・説教好きな旅人
・日本人が旅にでる理由
・世界一周をめざす人たち
世界一周をめざしている人は「熱」が違う。
それも当然かも。
数か月・数年という時間と百万単位のお金を使う、一生に一度の冒険だから。
世界一周に出る理由をきくと、「自分を変えたい」といったことが一番多かったかな。
広い世界を見て自分の価値観や考え方を変えたい、というもの。
あと、「人生は一度だけ。好きなことをしたい」ということも聞いた。
これは、アメリカ人の若い人がよく言う「YOLO(You only live once)」と同じものだろう。
沢木耕太郎は「深夜特急」で、旅には適齢期があると書いていた。
それが、26歳。
そういえば、この時集まっていた旅人さんも、そのくらいの年齢の人が多かった。深夜特急はもうずい分前の本になるけど、日本人には今でも旅に出たくなる「適齢期」というものがあるのかも。
以前の旅と比べて、最近の旅は本当に変わった。
前回書いたけど、今の海外旅行ではリコンファームをする必要がないし、今の旅人さんはリコンファームなんて言葉を知らない。
空港での搭乗手続きは、パスポートを見せるだけでチケットをもらうことができる。
「光陰矢のごとし」で、時代は変わったなあと実感する。
でも「旅にかける熱い思い」であれば、今の若いバックパッカーも20年前のバックパッカーも変わっていないと思う。
旅先で出会った旅行者と、時間を忘れて旅話をしたこともよくあったもんだ。
「なんで旅に出るのか?」
「旅に出てどうするのか?」
なんて話した記憶がある。
今から考えたら、ちょっと気恥ずかしいけど。
このとき会った旅好きの人たちも、旅に出る目的やその旅にかける思いや期待なんかを話していた。
世界には、日本人が想像できないような習慣がある。
サティー、この世に残した「小さな手形」:ジョードプル(インド)
・説教好きな旅人
その場にいた人たちには、「上から目線」で話すような人はいなかった。
こんなとがった言い方をする人。
「ツアーなんて、旅とはいわない。オレの旅をそんな観光旅行と一緒にしないでほしい」
20年前は、そういうことを言っている人にけっこう会った。
とか言いつつ、20代の自分がそう思っていたからその気持ちは分かる。
今から思うと、ちょっとどころではなくて、かなり恥ずかしい黒歴史。
そして、たまに旅人を説教する旅人もいた。
インドを旅した時は、宿のドミトリーにいたおっさんに、ボクが「地球の歩き方」を持っていただけでこう言われた。
「『歩き方』ってみんな持ってるよね?みんなと同じことをするのは旅じゃないんじゃない?ツアーと同じで、ただの観光旅行」
最近では海外旅行に行っても、こうした「濃い旅人」には出会わなくなった。
もう、あういう人たちはいなくなったんだろうか?
まあ、いなくなってもいい人たちけど。
どんな人と出会うかは運しだい
・日本人が旅にでる理由
日本人には、むかしから「自分を変えるために外国へ行く」という考えがあると思う。
「アジアンジャパニーズ」という本が売れた理由も、そうした考えが共感を呼んだからだろうし。
「日本人が海外へ行く理由は、今でもあんまり変わらないなあ」と、若い旅人さんの話をきいていて思った。
こちらの記事もいかがですか?
外国人(アメリカ人とヨーロッパ人)との会話がで盛り上がる話題
コメントを残す