今回取り上げるのはマレーシアとシンガポール。
この2つの国の同じと違いを知ってますか?
これからそれを見ていきましょう。
シンガポールはマレー半島の先っちょにある小さな国。
東京23区と同じぐらいの大きさで、シンガポールには首都がない。
シンガポールはもともとマレーシアの一部だった。
でもマレーシアにはマレー系の住民、シンガポールには中国系の住民が多く住んでいた。
これが大きな理由となって、1965年にシンガポールはマレーシアから分離独立する。
高校世界史ではこう習う。
シンガポール、分離・独立
1965 中国系住民の多いシンガポールがマレー人優遇政策に不満を持ち、リー=クアンユーの指導でマレーシアから分離・独立した。
(世界史用語集 山川出版)
さて、今日(2019年2月5日)はお正月。
といっても旧正月(チャイニーズ・ニューイヤー)のこと。
ということで、知り合いのシンガポール人がマリーナベイサンズから見える初日の出をSNSに投稿していた。
このシンガポール人は中国系の人で、英語と中国語で新年のメッセージを書いている。
New Year Greetings from SG Melion Park. Wishing all a very Happy and Prosperous New Year
豬各位華族的朋友們新春愉快 萬事如意 豬樂安康 財源滾滾
「SG」とは創価学会のこと。ではなくてシンガポールのこと。
ということで、シンガポールは中国の影響がとても強いのだ。
これに対して、マレーシアではイスラーム教の影響が強い。
だからこうなる。
産経新聞の記事(2019.2.4)
豚年の春節、自粛のマレーシア イスラム教徒に配慮
日本で今年は猪年だけど、シンガポールやマレーシアでは豚年になる。
これは、豚を嫌っているイスラーム教徒にとっては気持ちのいいことではない。
だからマレーシアではイスラーム教を尊重して、豚の飾り付けをひかえめにする動きがある。
上の記事では、そこがシンガポールとの違いだと指摘している。
豚を「けがれた」動物とするイスラム教徒に配慮しているためだが、豚の飾り物が街にあふれる隣国シンガポールなどとは対照的。
ちなみにイスラーム教徒は犬も嫌っている。
だから戌年にも犬の装飾はひかえめにしていた。
シンガポールもマレーシアも多民族国家であることでは同じ。
でも中国度の高いシンガポールと違って、イスラーム度の高いマレーシアではこういう配慮が必要になる。
インドネシアもイスラーム教の影響が強いけど、マレーシアほどじゃない。
これはマレーシアで見つけたグリコの「ロッキー」。
「ポッキーのパクリかよ」と思ったけど、グリコが作っているから偽物ではない。
このときはロッキーの理由が分からなかったけど、あとで話を聞いて納得。
ポッキーがマレーシアでロッキーになる理由は分かりますか?
「ポッキー」は、イスラーム教徒が大嫌いな「ポーク」と似ているから。
だからイスラーム教徒に配慮して「ロッキー」になった。
この話をインドネシア人のイスラーム教徒にすると、「本当ですか?インドネシアではポッキーですよ!」と驚いていた。
*でも今では「ポッキー」になったらしい。
こちらの記事もどうぞ。
コーヒーとお茶の共通点:聖職者(イスラム教と仏教)の眠気覚まし
コメントを残す