“外国人の不満”で変わる日本の社会←在日外国人はどう思う?

 

今年の正月(2月5日の旧正月)、台湾人の友だちに「元気ですか?」とお祝いのメッセージを送ったところ、こんな返事が来た。

「お元気です!今年また日本にきました!今、高山にいますけど」

「お元気です!」という言葉は、本当に外国人の日本語っぽい。
台湾人の友人が日本旅行をしたいということで、高山を案内したらしい。

こんな感じで(やや強引)、いま世界で日本旅行の人気が高まっている。
2018年の訪日外国人の数は過去最高の3000万人を突破したし。

その影響は二条城の砂利にまで及んでいた。

読売新聞にこんな記事(2019/02/06)がある。

二条城の砂利道舗装へ、訪日客歩きやすく…京都

 

二条城は1603年に徳川家康が建てた城で、1867年の大政奉還もここで行われた。
京都市は最近、そんな二条城にある砂利道を舗装することを決めた。
記事によると、「訪日外国人客らから「歩きにくい」との声が上がっていたため」だ。
ただこの砂利道は明治時代(1884年)にできたもので、もとからあったわけではない。

ちなみに二条城の来場者は2017年度で約244万人いて、その約6割が外国人とみられている。
ベビーカーや車いすを使う人がいたことも、砂利道舗装の理由にある。
ということで、「砂利道の二条城」を見たかったら早めに行った方がいい。

このニュースに対するネットの反応を見たら、案の定、外国人に対する文句が多かった。

・次は皇居だろうな
・砂利道ひとつ歩けないの?
どんな国から来てんだよ。
・ホント外国人には滅法弱い国だな。
・外人が騒いだらアクション起こす、っておかしくねえか?
・京都なら京都らしく嫌味で返せ
・のちの外人「風情がなくなった・・・、元に戻せ」
・そこまで外国人の顔色伺う必要があるのかね?
・嫌なら来なくていいと突っぱねろや

全面舗装ではなくて、舗装した道をつくるだけではなダメなんだろうか?

 

 

ネットの反応はわかった。
では、日本にいる外国人はこのニュースをどう思うのだろう?
砂利道を舗装することに賛成か反対か?それとも他の案があるのか?

この前の日曜日に、バングラデシュ人・カナダ人・イギリス人・インド人と神社に行って砂利道を歩いたときにこのニュースを思い出しから、彼らに聞いてみた。

「君たち外国人にはこの道は歩きにくい?」と質問したら、「なんで『外国人』なの?」「砂利の上を歩くのに、日本人と外国人で違いがあるの?」と聞き返されてしまった。
それで二条城のことを話すと、みんな舗装には反対。
このとき出た意見をまとめると、だいたいこんな感じ。

スニーカーや革靴だったら「歩きにくい」とは思わないけど、ヒールだったらそう感じると思う。
でも、それぐらいは仕方ないと思ってガマンするべき。
日本の伝統はヒールに対応していないのだから。

カナダ人はこんな提案をする。

チケットを買うところに、「中にこういう道があります」と砂利道の写真を置いておけばいい。
それで、入るかどうかはその外国人に判断させる。
その結果、文句を言う人がいても無視すればいい。
問題は砂利道ではなくて、その人間にあるのだから。

外国人にはこれでいいけど、車いすやベビーカー利用者にとっては解決にならない。

 

これとは別で、「外国人が不満を言うから」という理由が気に入らないという外国人もいた。

砂利道を「歩きづらい」と文句を言う外国人より、車イスやベビーカーを使う日本人の方が多いと思う。
「外国人のため」というけど、舗装したいもっと大きな理由は他にあるのではないか?

そういえば、つい最近もこんなことを聞いた。
外国人のためにコンビニの成人誌(エロ本)が撤去されると決まったとき、日本に十年以上いるアメリカ人は、「それは一番の理由ではないと思う」と言っていた。

それに一部の「わがまま外国人」のせいで日本の社会が変わると、「そこまで外国人の顔色伺う必要があるのかね?」というように、自分たちが白い目で見られる。
これもすごくイヤと言う。

 

上の話を聞いて、在日外国人がそんな視点や気持ちを持っていることに初めて気づいた。
江戸時代の開国もそうだけど、日本はむかしから「外圧」に弱い。
外圧とは、「外部からの強要しようとする力。特に、外国からの軍事・政治・経済上の圧力。(大辞林 第三版の解説)」のこと。

日本人が日本社会の何かを変えたいときに、「外国(人)が~と言うから」と外圧を利用することはあると思う。
二条城の砂利やコンビニの成人誌のことは分からないけど。
ぶっちゃけ、「~と不満を言う日本人がいるから」と言うより、外国人のせいにしたほうが無難だと思う。

「外国人」と一言で言っても、訪日外国人と在日外国人は違う。
「訪日外国人の不満を解消するため」という理由で日本の何かを変えることには、在日外国人としては不満を感じることもあると思う。
タイへ行ったとき現地に住んでいる日本人が、「観光で来る日本人がくだらない理由で文句を言っている」と怒っていたのを思い出した。

「外人が騒いだらアクション起こす、っておかしくねえか?」と日本人が思っても、じつは在日外国人もそれを苦々しく思っているかもしれない。
それにそもそも、「外国人のため」と言うけれど、本当の理由は別のところにあるかもしれない。

 

 

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外国人から見た不思議の国・日本 「目次」

 

2 件のコメント

  • 日本に限らず欧米でも少数派の正義感で社会に変化を迫るケースがあります。日本人でも外国人でも滞在先の不満を正当化するのだけは慎む必要がありそうです。ただ日本と外国の違いは外圧を利用する勢力が国内にいるかどうかではないでしょうか。リベラルを称する思想の方々にその傾向が強いように感じます。

  • 建設的な意見ならいいのですけど、価値観の違いからくるただのワガママではダメですね。
    おっしゃるように、たしかに日本には自分の声を外国人に語らせる人たちがいるように思います。
    そのことは多くの人に伝えていく必要がありますね。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。