たまにイギリス人と、日本語と英語を交互に教え合う「language exchange」なんてものをする。
先週、ファストフード店でそれをしたときのこと。
コーヒーを買ってきたイギリス人がマドラーを見て、「やっぱりこれはいらない」と言ってカウンターに戻しに行った。
この人はプラスチック製品が大嫌いで、環境保護に関心があるからこうやってムダをなくそうとしている。
でも、そういう自分を周りにアピールすることはないからイヤミもない。
「小さなことからこつこつと」という西川きよしさんのような人だ。
ここ数年、マイクロプラスチックという言葉をめっちゃ聞くようになった。
これは小さな小さなプラスチック粒子のこと。
1㎜より小さいものをマイクロプラスチックと言う人がいれば、5 ㎜以下のものをそう呼ぶ人もいる。
定義はどうあれこれが海洋汚染の原因になっていて、いま世界が取り組まないといけない問題になっている。
2016年(平成28年)5月16日に富山市で開かれた先進7カ国(G7)環境相会合で、海を漂う微細プラスチックごみについて「海の生態系にとって脅威だ」との認識を確認した。
マイクロプラスチックが海に流れ出れば、魚がパクっと口を開けたとき、体内に入ってしまうことがある。
これは海の民、日本人にとっては大問題だ。
東京農工大の教授らが行った調査では、東京湾でとれたイワシや貝からこれが検出されている。
そんな魚を食べると、マイクロプラスチックが人間の体内にも入ってきてしまう。
これが人体にどんな影響を与えるのかはまだハッキリ分かっていないけど、マイクロプラスチックが有害な化学物質を吸着しやすいことは分かっている。
今週の朝日新聞の記事(2019/2/19)に、人体からマイクロプラスチックが見つかったという事例が載っていた。
微小プラ、すでに人体に 貝からも検出 健康への影響は
アメリカ、イギリス、イタリア、キューバ、インドなど14カ国で水道水を調べてみたら、イタリア以外のすべての国からマイクロプラスチックが検出されたという。
またオーストラリアや日本など8カ国で製造されて、マレーシアで販売されている食塩からもマイクロプラスチックが出てきやがった。
さらにオーストリアの研究チームが日本人、イギリス人、フィンランド人など8カ国の人の大便を調べたところ、すべての人の便からマイクロプラスチックが出てきた。
10グラムのウン〇から、平均で20個が見つかったという。
この研究チームは「健康に影響が出る量ではなかったが、体内に蓄積されるので引き続き調べていく必要がある」と話している。
警告の意味で言わせてもらおう。
マイクロプラスチックはもう、あなたの体の中にある。
そして毎日の生活のなかで、それは蓄積されている。
くり返しになるけど、この微細なプラスチックが人間に有害かどうかはまだ分かっていない。
でも、「ただちに影響はない」という言葉の恐ろしさは日本人なら知っているはず。
生活のなかでプラスチック製品の使用をひかえる、という小さいことの積み重ねが有効だ。
それと欧米人と付き合う機会がある人なら、そのことに注意したほうがいい。
英語ができないことはどうでもいいけど、プラスチックに無関心なのは、彼らに悪い印象をあたえると思う。
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