在日外国人の日本人あるある。「その和製英語わかんねえよ」

 

いろんな外国人と花見に行くことになって、メールでやり取りをしていたときのこと。
アメリカ人から花見で何をするのかきかれたから、「leisure sheet(レジャーシート)を広げて、桜を見ながら食べたり飲んだりする」と返事をした。
するとこんなメールが返ってくる。

「Are we going to sit on a tarp “レジャーシート” and drink and watch the Sakura?」

“レジャーシート”のカタカナ表記が気になって質問したら、「leisure sheet」という英語はないことが判明。
レジャーシートは日本でしか通じない和製英語だからカタカナで書いたという。
英語にするなら「tarp(タープ:防水シート)」でいい。「ピクニックシート」でもOKだ。

 

 

当日、こんな「tarp」を敷いて花見がはじまった。
このときふと疑問に思って、「これを日本では「ブルーシート」って呼ぶけど、これで通じる?」とアメリカ人にきいてみた。
そしたらこれも和製英語で、アメリカ人にはワケワカメ。
英語のネイティブがブルーシートときいたら、「青い布?席?」となるらしい。

ここから在日外国人による「日本人あるある」がはじまった。
日本では日本人にしか通じない英語がたくさんあるから、日本人と会話をしていると、外国人には「え?」と混乱することがよくある。
和製英語や日本だけで通じる英語があるのはいいのだけど、ボクの「レジャーシート」のように、日本人がそれを和製英語と気づいていないと、外国人はますますラビリンス(迷宮)に入りこんでしまう。

 

このときあった「マスカット」もそのひとつ。
ボクは「マスカット」だけでいいと思っていたのだけど、それではアメリカ人には通じない。
これはブドウだから、アメリカでは「white grapes(白ぶどう)」と言う。
ブドウで「muscat」という英語はあるけど、ふつうの会話では使わないから、これを聞いたら地名の「マスカット(オマーンの首都)」を思い浮かべるという。
*いま試しにアメリカ版ヤフーで「muscat」を検索したら、オマーンのマスカット情報ばかり出てきた。

「マスカットグレープ」なら、ブドウのことだと分かるらしい。
でも「シャンパン」なら、フランスの地名だけど飲み物として意味が通じる。

 

日本人は英語を魔改造してしまう。
その場にいた5人の外国人(タイ人、アメリカ人、トルコ人、リトアニア人、インド人)に、「パワースポット」と「リピーター」の意味をきいたら、日本に10年以上いるアメリカ人しか分からなかった。
そう言えば数年前、高速道路で「speed down」という英語を見て「え?ちょっと、何あれ?」と混乱するアメリカ人がいた。
「スピード」は「速度を上げる」という意味だから、「ダウン」ということばとセットにはならない。
これだと、アクセルとブレーキを同時に踏むような変な感覚になるかも。
「速度を落とせ」なら「スロウ・ダウン」だ。

こんな和製英語のほかにも、日本人は単語をよく省略して短く言う。
それで、「アパマン」が「アパート・マンション」のことだと知って驚くアメリカ人もいた。
そのアメリカ人に「ベアって分かる?ベースアップのことだけど」と言ったら、「そんなもん、分かるわけねえだろ」と怒られた。

「和製英語」と省略が合わさってできた「コスパ」は究極の日本人英語だろう。
まず「コスト・パフォーマンス」とことば全体をきいても、外国人には意味が分からない。
「コスパ」はこの和製英語をさらに省略したものだから、これはもう日本語だ。
*コスト・パフォーマンスについては知り合いのアメリカ人やイギリス人は「和製英語」と言っていたけど、ネットで見てみると、和製英語という説とそうでない説がある。だからここでは「」付きにしておく。

 

 

この花見のとき、トルコ人が「シュークリーム」を持ってきていた。
これが好きだから持ってきたのだけど、そのトルコ人は「シュークリーム」の意味を知らなかった。
「シュークリーム」は英語ではなくて、フランス語の「chou à la crème(シュー・ア・ラ・クレーム)」が日本語になったもの。
ちなみに「chou」とはキャベツという意味。
日本のシュークリームは英語だと「クリーム・パフ」になる。
「シュークリーム」ときいたイギリス人が「靴のクリーム?」と思った、という話をまえに本で読んだことがある。

ちなみに、トルコではシュークリームのことを「エクレア」と言うらしい。
その理由をきいたけど、トルコ人も知らなかった。
こういう「ご当地外国語」はどこの国でもあるのだろう。

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。