ハッピー・ラマダン!ムスリムにその理由や結果を聞いてみた

 

2日前の日曜日、マレーシア人が「Salam Ramadhan(ラマダンのあいさつ)」というメッセージとともに、フェイスブックでこんな投稿をシェアしていた。

パレスチナ、シリア、イエメン、ロヒンギャなど苦しい状況にあるムスリム(イスラーム教徒)を気づかっているところは、イスラーム教が世界宗教であることを感じさせる。
ちなみにボクは熱心な無宗教ですよ。

そしてこれはバングラデシュ人が投稿したもの。

 

投稿に寄せられたコメントを見ると、「ハッピー・ラマダン!」と書いているムスリムが多い。
ラマダンの一か月は断食をしないといけないから、ムスリムにとっては「苦行」だと思っていたけど、実際には「待ってました!」という感覚らしい。
キリスト教徒にとってのクリスマスのようなお祝い気分か。

ボクがラマダンについて、初めてムスリムから話を聞いたのはエジプト旅行をしていたときのこと。
宿にいた暇そうなエジプト人にラマダンの理由をたずねると、世界中のムスリムが同じことをすることで団結が深まるとか、食事もできない貧しい人の気持ちが分かるという話をしていた。
さっきのパレスチナ、シリア、イエメン、ロヒンギャのムスリムに~、というのはそういうことだろう。

これもエジプト人に聞いた話だけど、ラマダン期間中は食事をしないから、みんな怒りっぽくなってケンカや車の事故なんかが増えるらしい。
ただ、食事をしないといってもそれは昼間で、太陽が昇る前と沈んだ後は食べても飲んでもOKだ。
夜中にドカ食いをするから、一か月の断食のあと、太ってしまう人も多いとか。

「死者やけが人が増えるなら、ラマダンをやめたらいいじゃん」と、とんでもないことをカジュアルに言ったのだけど、エジプト人いわく、これはムスリムの義務だから基本的に「する/しない」という選択肢はない。

 

日本に10年以上住んでいるアメリカ人が、初詣や七五三などは宗教行為ではなくて文化と言っていた。
初詣に行くか行かないかは自分で決めることができるから、それは文化的行為。
キリスト教徒やイスラーム教徒は神と契約を結んだから、自分に拒否権はない。必ずしないといけないことだから、それは宗教行為だと言う。

仏教徒の日本人が教会で結婚式を挙げるのも、結婚を宗教行為ではなくて文化的行為と考えているからだろう。
ほとんどの日本人は神と契約なんて結んでいないから、そういうことが自由にできる。

これはたしかパキスタンで聞いた話だけど、現地に住んでいた日本人が従業員のパキスタン人に、「ラマダンだから、オレも断食するよ」と言ったところ、「これはオレたちムスリムの神聖な行事だから、異教徒の君はしないでほしい」と言われて凹んだという。
宗教行為と文化的行為をごちゃ混ぜにして、イベント感覚でとらえてしまったのだろう。
無宗教の日本人にはそんなことが多いと思う。

とにかくハッピー・ハロウィン、じゃなくてラマダン!
ボクは24時間好きなときに好きなものを食べるけど、ムスリムはがんばれ。

 

おまけ

イエメンの首都サヌアの様子。
きっと彼らも今ごろラマダン。

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。