日本の元号を説明するYouTube動画で、どっかの外国人がこんなコメントをしていた。
Reiwa is pronounced like “lei wa”.
It’s referred to Japanese ancient literature<万葉集>.
令和は「レイ ワ」と発音されて、これは日本の古典「万葉集」から引用されている。
まあ、あってる。
「美しい調和」という意味の新元号・令和は漢字二文字という点ではこれまでの元号と同じ。
でも決定的にちがうのは、この元号は日本最古の歌集「万葉集」から選ばれたというところ。
約1400年の元号の歴史のなかで、中国ではなく日本の古典から選ばれたのは令和がはじめて。
ちなみに平成は、中国の古典・史記の「內平外成」と書経の「地平天成」から引用された。意味は「国の内外、天地とも平和が達成される」ってこと。
明治・大正・昭和とちがって国の内側であれば、たしかに戦争のない平和な時代だった。
元号という日本の文化は続けていくけど、時代や人々の意識に合わせて変えるところは変える。
いわゆる不易流行ですね。
変わらないためには、変えないといけないところもある。
意地になって変えないと、そのものが消えてしまう。
日本の古典から引用されたというポイントは先ほどのコメントをはじめ、海外でも大きな注目を集めた。
たとえば共同通信にはこんな記事(2019/04/01)がある。
AP通信「中国古典からの離脱」 米メディアも新元号を報道
アメリカのAP通信やウォールストリート・ジャーナル電子版は令和について、「中国の古典を使った元号からの離脱だ」と伝えたという。バイバイ、チャイナ。
新元号の発表によって、「何カ月にもわたり日本で話題を独占してきた熱狂的な元号当てゲーム」が終わったと、日本人のフィーバーっぷりは外国人の目に新鮮(奇異?)に映ったようだ。
ではその日本人は、この新元号や日本の古典からの引用についてどう評価したのか?
これからそれをみていこう。
NNNと読売新聞がおこなった世論調査では、令和に「好感を持っている」という人は62%で、万葉集からの引用について「評価する」という人が88%という結果が判明。
JNNがおこなった世論調査では、令和に「好感が持てる」と答えた人が82%、「好感が持てない」は15%。万葉集からの出典については「評価する」が81%で、「評価しない」は9%。
毎日新聞の世論調査では、令和に「好感を持っている」が65%。
さらにこれを内閣支持層・不支持層別でみていくと、「好感を持っている」という人が安倍内閣の支持層では81%、不支持層では55%になっている。
キリがないからこのへんでやめるけど、令和に好感を持った人は6~8割で、初めて日本の古典から引用されたことを評価したのは8~9割といったところだ。
全体的にみると日本人は令和という元号より、「万葉集から」という点に好感を持っているようだ。
その理由はなんだろう?
読売新聞の記事(2019年5月4日)で、日本文化研究家のピーター・マクミランさんがこう話している。
マクミランさんは新元号について、「万葉集は日本人の心の原点。そこから選ばれたことがうれしい。古典を訳している身として励まされた」などと語った。
「万葉集は日本人の心の原点」魅力に迫る
そう。
奈良時代の日本人の心情や感性にふれられる万葉集は心の原点なのだ。
保守的な内閣支持層で高く評価されたことにもつながる。
これはきっと新しい伝統になる。
これからの元号も中国の古典からではなくて、日本人の心の原点から選ばれることが多くなるはずだ。
日本は始まった。
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