外国を旅行中、日本語で話をしていたら現地の人にキレられた。
ボクにはそういう経験がないけど、中国のレストランで(たぶん)酔っ払った中国人から「この国で日本語を話すな」とにらまれたという人には会ったことがある。
でもそれは30年以上前のことだから、いまは大丈夫。のはず。
これは反日感情によるものだけど、差別的発想から「この国ではこの国の言葉をつかえ」と要求する人間もいる。
それが下の動画。
アメリカのスターバックスで韓国人が韓国語で話をしていたところ、店内にいた白人のお年寄りが「ここはアメリカ、英語を使え!」と激怒する。
「当店ではどんな言葉でもOKです」と店員は言うものの、このおばあさん、まったく聞く耳を持たない。
それで最後には、駆けつけた警察官によって「出て行け」と追い出されてしまった。
出典:IBTimes UK
白人女性を非難するコメントが圧倒的に多いのだけど、このコメントはまったく別の光を放っていた。
In India there are 1652 languages, she would die from heart attack if she ever comes here😂😂😂😂
インドには1652の言語があるから、この女性がインドに来たらきっと、心臓発作で死んでしまうという。
日本と違ってアメリカもインドも多様性のある国だけど、言語の多様性ではインドのほうが上。
肌の色や宗教だけではなくて、言葉が差別の原因になることもある。
最近アメリカで、それに関する世論調査をおこなった結果がワシントンポストの記事(May 9, 2019)にあった。
Among all racial groups, whites (34 percent) are most likely to be bothered hearing foreign languages, followed by blacks (25 percent), Asians (24 percent) and Hispanics (13 percent). Among Americans overall, 70 percent put their level of unease at “not much” or “not at all.”
Nearly half of white Republicans say it bothers them to hear people speaking foreign language
調査によると公共の場所で英語以外の言葉を聞くと、「bothered(気になる)」と感じる白人は34%、黒人は25%、アジア系が24%、ヒスパニック系は13%という結果が判明。
けっきょく南極、街中で外国語を聞くと不快になるというアメリカ人は人種に関係なくいる、ということらしい。
ちなみにこの調査では、白人の共和党支持層でとくにこの傾向が強かった。
これがアメリカ人のよく言う「トランプのアメリカ」だろう。
アメリカ全体では、30%の人が外国語が気になるという。
「人種のちゃんこ鍋」と言われるアメリカでこの数字なら、日本ではどうなんだろう。
口に出しては言えないけど、外国語を聞くと「unease」になる人はかなり多いのでは?
ネットをのぞいて見たら、やっぱりそうらしい。
・青森でマダイ釣りしてたら、やたら外国語が気になった
・分からない言語は基本的に不快
・恐らく日本人の9割は日本語以外の言語は避けたがるよな
・当たり前だろ
関西弁でさえ不快なのに
・外国語が不快になるという感覚が分からん
・わからんでもない
最近は日本でも店に入ったら回り全部外国語ということがあって落ち着かない
日本で日本語以外の言葉を聞いて、不快になるのはかまわない。
アメリカでも3割の人が気になるという結果があるのだから、日本の「多文化共生度」を考えると、街中で外国語を聞いてイラっとする人は多いだろう。
それが良いと言わないけど、行動でしめさなかったらOKだ。
内面でどんなに差別的なことを言っても、何もしなかったら何も起こらない。
差別というのは思想より行為だから、たとえ差別の意図がなくても、たとえば顔を黒く塗るブラックフェイスはアウトになってしまう。
スタバのおばあさんは自制心がなさ過ぎた。「その言葉がムカつく」と口に出したら、自分が外に出ないといけなくなる。
でもこれからの日本では、あんな動画がたくさん投稿されるような気がしてならない。
でも、言葉でムカつくとしたら、それは外国語か母国語かではなくて声の大きさだろう。
あの韓国人の声の大きさがちょっと気になった。
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