きのうの記事で、きょねん12月に浜松の秋葉神社でおこなわれた「火祭り」のことを書いた。
神聖な火の力によって火災や水難、いろいろ病気を祓(はら)うことを祈願するというもので、こういう伝統行事は日本全国にあるはず。
くわしいことはここを見てほしい。
出典:マシューキングの「秋葉神社火祭り」
この火祭りにアメリカ人、トルコ人、リトアニア人、インド人を連れて行った。
ということでこれから、彼らの感想を書いていこうと思う。
夜9時ごろ、階段をのぼって神社に向かった。
これは20代のトルコ人女性の感想
I really liked fireworks and sweets I bought that day is very good!
彼女は火祭りより、その前におこなわれた手筒花火のほうがよかったらしい。
それと神社の売店で売っていたお菓子。
コンビニやスーパーでは売ってなさそうな、おじいちゃんおばあちゃんが喜びそうな饅頭や焼き菓子なんかがあって、とくにそば粉のかりんとうが外国人に大うけだった。
*このとき、かりんとうを英語でどう言うのか分からなかった。
いま辞書を調べたら「fried dough cookies」と書いてある。doughはドーナツ(doughnut)の「ドー(パン生地)」と同じ。
そしてこれは20代のインド人女性の感想
I liked the fireworks done in the initial stage ver much
And the night trip to mountain was very pleasant
彼女も手筒花火を気に入っていた。
それと夜のマウンテンウォーク。
インド人は写真を撮るのが大好き。
途中で写真を撮りまくっていて、このインド人だけ到着がかなり遅かった。
でも、みんなを待たせても謝ることはなく、「夜の神社はすごくいい」と笑顔を見せる。
まあインド人だ。
弓の舞
これは20代のリトアニア男性の感想
To be honest, I somehow expected more than there was. I am talking about fire dances, fireworks maybe, or something more entertaining. So the festival itself was like 5 out of 10. Best part in this was the trip.
正直言って火祭りは期待以下で、10点中5点というところ。
もっとエンターテインメント的なものを想像していたという。
こいつは日本の伝統行事である火祭りをこんなものと思っていたらしい。
出典:papico2222の ハワイアンズ Siva Ola バル憂弥『全力で、生きる。~ファイヤーナイフダンス~』
最後は30代のアメリカ人男性の感想
彼は10年以上日本に住んでいて、日本文化への理解や興味が深い。
だから感想も上の外国人とは一味違う。
As for me, I loved the event. Of course, I know it wasn’t exciting by modern standards
現代の感覚からすると物足りないけど、あのイベントは本当によかった。
But I also know that it is a Shinto shrine and they have been performing these rites for at least some 1300 years, so I am glad they preserve their traditions. I think we are lucky to be some of the few foreigners in the world to get to see such ancient rites.
神道の神社(秋葉神社)で火祭りが1300年以上も続けられている(これは正確か分からない)。
こんな伝統が守られていることが彼にはうれしく、古代の儀式を見ることができた外国人は少ないから私たちはラッキーだったという。
彼はさらにこう続ける。
It was interesting to learn how they shoot arrows and do a sword dance to cast away evil.
翌年の豊作を占うために矢を放つことや、鬼など邪悪なものを斬る剣の舞を見るのは興味深かった。
I could write more, but I loved the experience because it’s helping me with my research!
感想を書き出したらキリがない。
個人的な研究にも役立つから、火祭りを見る経験ができたのはすごくよかったという。
ということで本日の結論
日本の伝統行事がどんなものか知っていて、日本文化に興味のある人ならあの火祭りを楽しめる。
でも、エンターテインメント的なものを求める人には期待はずれ。
ディズニーランドかUSJに行きやがれ。
深夜に山中の神社を歩くという体験は「お楽しみの要素」があって、広い層の外国人に受けそう。
じいちゃんばあちゃん用のお菓子も珍しくて意外と高評価。
食に国境はない。でも宗教は大事で、トルコ人は豚肉が食べられなかった。
もし外国人を日本の伝統行事に連れて行くなら、事前にどんなものか説明したほうがいい。
でないと、勝手に期待して勝手にガッカリするかもしれないから。
「伝統・エンターテインメント・グルメ」の3要素があったら無敵だ。
では最後は、戦前戦後に活躍した歴史学者の津田 左右吉(つだ そうきち:明治6年 – 昭和36年)の言葉でしめるとしよう。
世界的文化にもそれぞれ民族的特色がある。あるいは文化がいよいよ世界的になるに従ってその民族的特色もまたますます濃厚になる
「日本精神について (津田 左右吉)」
いまは世界中を行き来することが簡単になっていて、国境の意味がなくなりつつある。
とくにネットの世界では、どんな国の人とも簡単にやり取りができる。
世界が一つになろうとしている今だからこそ、それぞれの民族性や伝統が際立ってくる。
日本人ならまずは日本の伝統文化を理解して、外国人にそれを説明できるといい。
それが国際人の条件だから。
津田 左右吉
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