【日冷韓熱】日本で韓国の印象は過去最悪、一方あちらでは…

 

近くて遠い国は、やっぱり遠かった。
さいきん日本と韓国でおこなわれた世論調査によると、日韓両国民では、相手の見方が正反対であることがわかった。

 

日本に好印象を持っている韓国人はいま過去最高に多い。
でも日本ではいま、韓国に対する印象は最悪。
どうやら日本人と韓国人では、ものの見方をはじめとして価値観や考え方が根本的にちがうらしい。

これを人間関係にたとえるとどんな状態か?
自分の大嫌いな相手から、すごく好かれている。
または自分が大好きな相手から、すごく嫌われている。
現在の日韓関係はこんな感じだ。

この世論調査はきのうの記事で紹介した読売新聞と韓国メディアのものではなくて、民間団体によるもの。
一応書いておくと、日本では「言論NPO」という民間団体、韓国では「東アジア研究院」という民間シンクタンクによる共同世論調査。

ではさっそく、その結果をくわしく見ていこう。

時事通信の記事(2019年06月12日)

韓国の印象、過去最低=「徴用工・レーダー影響」-共同世論調査

韓国の印象を「良い」と答えた人は日本で20%(昨年より2.9%減)で、2013年からはじまったこの調査では今回が最低。
韓国の結果はこれと正反対で、日本の印象が「良い」と答えた人は31.7%(昨年より3.4%増)で過去最高を記録した。

日本で韓国に対するイメージが悪くなったのは、韓国最高裁による徴用工判決や韓国海軍によるレーダー照射事件の影響が大きい。
これについては日韓のそれぞれが、「自国の主張を評価する割合がそれぞれ6~7割だった。真っ向から対立する結果となった」ということだ。
日本では文大統領の印象が「悪い」と答えた人が5割を超え、昨年と比べて倍増している。
韓国メディアから「手当たり次第の反日」と書かれるような大統領なのだから、知れば知るほどイメージも悪くなる。

この結果について言論NPOの代表は、「徴用工問題とレーダー照射が間違いなく日本人の意識を変えた。韓国では渡航経験や情報源の多様化があり、大きな対立感情に飛び火しなかった」と分析する。
韓国では日本旅行が空前の人気で、昨年の訪日韓国人は過去最高を記録した。
だから実際の日本や日本人を知って、日本の印象が良くなることは理解できる。

でも、「情報源の多様化」ってなに?
ボクが見てきた韓国メディアの報道は、日韓で何かあっても「悪いのは日本、韓国は無罪で被害者」という方針で、韓国に都合の良い伝え方ばかりしていたのだが。
反対意見なら、むしろ日本メディアのほうが丁寧に伝えている。

それに韓国では「大きな対立感情に飛び火しなかった」というのは当たり前。
徴用工訴訟で日本企業に賠償判決を下したのも、レーダー照射事件で話をごまかして事実を認めなかったのも韓国側の都合によるものだから、これで怒るのは日本であって韓国ではない。
韓国人は冷静な反応をしたけど、日本人は感情的だったとでも言いたいのか。
この言論NPOの代表はどうも韓国寄りだ。

 

 

同じ世論調査を伝えているのだけど、毎日新聞の記事(2019年6月12日)を読むと別の印象をもつ。

日本に良い印象持つ韓国人は過去最高 日韓共同世論調査

時事通信の記事とちがって、「韓国の印象、過去最低」がない。
見出しだけを読む人も多いから、「日本は韓国人に好かれている」という印象を人々にあたえたいのだろう。
それで、韓国に対する日本人のイメージを良くしたいと。
毎日新聞は基本的に韓国推しだから。
でもさすがに記事には、「韓国に良い印象を持つ日本人が20・0%で過去最低だった」と書いてある。

でもやっぱり、毎日新聞は日本人に韓国を好きになってもらいたいらしい。
徴用工判決やレーダー照射事件の見方は日韓では大きく異なっていることには触れているけど、全体的には、見出しのように韓国側の視点で記事を進めている。
韓国での日本の悪印象は「15年の72・5%から改善しており、初めて5割を切った」と、韓国で日本の好感度が上がっていることをアピールする。
親切にその理由も書いている。

韓国人が日本の「良い印象」として挙げた理由では、「日本人は親切で誠実」「生活レベルが高い」といった交流に基づく回答が多かった。

「外国人の『日本人スバラシー』は気持ち悪い」という人は、こういうのを見ると吐き気がするのだろうか。

 

時事通信の記事とちがって、この記事ではいまの日韓関係にも触れている。
互いの関係が「悪い」と回答した人は日本で63・5%(前年40・6%)、韓国で66・1%(同54・8%)という結果。
日韓のどちらも関係が悪くなっていることは感じているけど、日本では約23ポイントと韓国の倍ぐらい増えている。
いまは韓国の反日よりも、日本の嫌韓のほうが広がっているらしい。
まあ、韓国の反日は飽和状態なんだろうけど。

 

毎日新聞と同じく、韓国寄りの朝日新聞の記事(2019年6月12日)のタイトルはこうだ。

日本に「良い印象」韓国で13年以来最高 一方日本は…

やっぱり韓国の視点で書いている。
時事通信とちがって、「日本での韓国の印象は過去最低」ということは「…」で済ましている。
なんかこれだと、「韓国は日本を良く思っているのに、日本はその気持ちに応えていない」と暗に日本を非難しているようにも読めてしまう。
韓国にだけ光を当てるような報道はやめてほしい。

さて来年はどうなるのだろう?
韓国がいまの韓国のままだと、日本では過去最低を更新するとしか思えない。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。