日本人に対する海外の反応をよく見ているのだけど、ここ数年は、日本人といえば「掃除をする」と「時間を守る」が2大イメージになっている感がある。
今回取り上げるのは掃除の方だ。
外国人が日本に来ると、「どこの街もとてもきれい。路上や電車の中にゴミが落ちていない」とよく感心する(渋谷には行ってないらしい)。
「わたしの国も日本と同じぐらいきれい」と言ったのはノルウェー人しか記憶にない。
「来たときよりも美しく」の精神で日本人は自分のゴミを持ち帰るから、これが掃除の必要性をなくしている。
でも、そういう美徳も薄れているようで、最近ではタピオカドリンクのプラスチック容器をそこらに捨てることが問題になっている。
世界が「日本人といえば掃除」というイメージを持ったのは、何といってもサッカー・ワールドカップの影響が大きい。
2018年におこなわれたロシア・ワールドカップでは、日本代表が使ったロッカールームが「伝説」になった。
「サッカーダイジェスト」の記事(2018年07月18日)に、イギリスのサッカーメディア「FourFourTwo」の記述がのっている。
日本とセネガル、ウルグアイのサポーターたちが試合後のスタンドを片付ける姿は大いに胸を打ったが、日本代表チームはドレッシングルームをも綺麗に掃除して立ち去った唯一のチームである。
「永遠に称えられるべき振る舞い」英誌が日本代表“伝説のロッカールーム”をロシアW杯10大名場面に選定!
まるで使用前(ツイッターの画像より)
日本の「お掃除伝説」はまだ終わっていなかった。
いまフランスで行われているサッカー女子ワールドカップで、日本代表がスコットランドを2-1で撃破したあと、FIFA(国際サッカー連盟)はある日本人ファンに注目。
公式サイトやツイッターアカウントで、変わらない日本人の姿に「リスペクト」と拍手を送る。
Respect, as always, to the Japanese travelling supporters 👏👏👏#JPN #FIFAWWC pic.twitter.com/CtBflXyo3y
— FIFA Women’s World Cup (@FIFAWWC) 2019年6月14日
「来たときよりも美しく」は日本人の価値観で、これに性別は関係ない。
サッカーのコパアメリカ大会でも、日本代表は練習として使ったスタジアムのロッカー(ブラジル1部パウメイラスのもの)を完璧に掃除して、これを見たパウメイラス側は感動して、公式ツイッターアカウントでこう称賛している。
A Seleção do Japão esteve na Academia de Futebol e deixou nossas instalações brilhando após o treino. Muito obrigado! 👏👏👏 Voltem sempre ao #MaiorCampeãoDoBrasil! #AvantiPalestra pic.twitter.com/gVPwxINIYS
— SE Palmeiras (@Palmeiras) 2019年6月15日
機械翻訳を修正したものだから正確ではないけど、こんなことが書いてある。
「日本代表はトレーニング後に施設を輝かせて行きました。ありがとうございました!」
これには日本のファンもネットで拍手を送った。
・これが日本
でも汚なくして帰るやつも普通にいる
・毎度のことだけど、いいことだ
・掃除も大事だけどいい加減ブラジルに勝ってほしい。
・この前の大会の時も綺麗にして帰っていったみたいな話あったよね
・同じ日本人として誇れるね
素晴らしい
ただこんな声もある。
・タピった後のカップも片付けろよ
事前の評判はきわめて良し。
で肝心な試合はというと、初戦のチリ代表に0-4という大惨敗。
これには見ていたファンも怒りをおさえきれない。
当然ネットの反応も辛らつで、「同じ日本人として誇れるね」という人は皆無。
・もうゴミ拾いしてろ
得意だろ日本
・地球の裏まで何しに行ってんだよ
・ダスキン・ジャパンでいい
・もう清掃員だと思われてるな
・最近の日本サッカーは掃除しか誉めるところねぇのか?
ボクはこの試合をダイジェストでしか見ていないけど、最大の見せ場はロッカールームにあったと思う。
外国人から「感謝される日本」や「称賛される日本」はもうお腹いっぱいだから、早く「恐れられる日本」になってほしい。
でも、でも日本代表にはまだあと2戦残っている。
伝説は次でつくってくれたらいい。
最悪、今回のコパアメリカで勝ちがなくても、それで価値がないわけではない。
世界の舞台で経験を積んで、来年の東京オリンピックで大爆発してくれたらいい。
それができなかったらもう、「ダスキン・ジャパン」となって、東京中のタピったカップを片付けやがれ。
コメントを残す