知り合いにイスラーム教徒のインド人がいる。
彼は日本の大学を卒業して、そのまま日本で働いている。
さいきん車のない彼から荷物を運んでほしいと頼まれて、2時間ほど作業を手伝った。
何も言わないと「thank you!」だけで終わってしまうから、「食事をおごれ」と言うと彼はそれを快諾。
ということで、一緒にご飯を食べに行くこととなる。
今回はこのインド人から聞いた話を書いていこうと思う。
彼は南部のタルミナードゥ州の出身(チェンナイ(旧マドラス)のあるところ)。
・お風呂について
彼はシャワーを浴びるけど湯舟にはつからない。
スポーツをして疲れたときは、疲労回復として湯舟に入って全身をあたためる。
お風呂でリラックスするという発想はない。
*インド人、タイ人、インドネシア人などもシャワーはふつう朝に浴びる。
・学校について
彼はイスラーム教徒だけど、中学校・高校はキリスト教の学校だった。
インド南部ではキリスト教徒が多い。
ちなみにゴアにはフランシスコ・ザビエルが眠る教会がある。
遺骸は石灰を詰めて納棺し海岸に埋葬された。1553年2月にマラッカに移送し、さらにゴアに移され、1554年3月16日から3日間、聖パウロ聖堂にて棺から出され一般に拝観が許された。
翌年の1554年、1人のおばさんがザビエルの右足の指を噛み切って逃げるという出来事が発生。
インドは昔から不思議な国だった。
ザビエルの遺体が安置された棺(ゴア)
クリスチャンスクールのいいところはカーストが関係ないこと。
一般のヒンドゥー教徒の多い学校だと、「あの子は低いカーストだから付き合わないように」なんて親に言われることがある。
イスラーム教ではみんな平等だから、カースト制度は関係ない。
・仏教について
インドではブッダガヤに仏教徒がたくさんいるけど、自分は見たことがない。
*ブッダガヤはシャカが悟りを開いたところで、仏教の聖地になっている。
仏教のお寺とお坊さんは日本で初めて見た。
当然、佐々井秀嶺という日本人仏教僧のことは知らなかった。
佐々井氏についてはこの記事をどうぞ。
インド人が驚いた日本人。カースト差別と闘う佐々井秀嶺という仏教僧。
・宗教対立について
南インド出身ということで、さいきんケララ州で起きたことについて聞いてみた。
ナショナルジオグラフィックの記事(2019.01.10)
「女人禁制」の寺で参拝めぐり暴動、5800人逮捕
「女人禁制」のヒンドゥー教寺院に2人の女性が入ったことで、抗議(という名の暴動)が発生し、1人が死亡、5800人が逮捕されるという事態に発展。
彼はこの出来事を知っていて、女性が入ることには賛成という立場だ。
*イスラーム教徒だから、たぶんヒンドゥー教のルールにはあまり関心がない。
彼いわく、これは宗教問題や女性差別問題というより政治的な問題。
これに反対しているのはヒンドゥー至上主義団体や熱心なヒンドゥー教徒、さらにそういう人たちから支持を得ているインド人民党(BJP)で、彼らがあおって騒ぎを大きくしている。
インドではよく宗教対立が起きるけど、その背後には政治家がいることが多い。
北部に比べて、インド南部には過激なヒンドゥー教徒が少ない。
だからBJPや現在のモディ政権の人気も低い。
*いま大阪で開かれているG20にモディ首相が参加している。
モディ首相については、インド経済を良くしているからその点ではいいけど、宗教対立をあおって国内に亀裂を生んでいることは嫌い。
ヒンドゥー至上主義、反イスラーム主義的言動でも知られるが、一方で、後述する2014年のインド総選挙後には「全国民とともに」を掲げて国内が分断することは避けた。
モディ首相
・スポーツ
彼は次の日の天気を気にしていた。
わけを聞いたら、みんなでクリケットをする予定と言う。
クリケットはイギリスで生まれた野球のようなスポーツで、イギリスとその植民地だったところで盛んに行われている。
英連邦諸国では、ラグビーやサッカーと並び絶大な人気を誇る。日本での知名度はあまり高くないが、100以上の国と地域でクリケットが行われている。
クリケットのバッター
彼が大学生だったころは、インド人、スリランカ人、バングラデシュ人の学生とたまにクリケットをしていた。
すべてイギリスの植民地支配を受けたことのある国で、みんな常識としてクリケットは知っている。
一緒にスポーツをするとすぐに仲良くなれる。
日本人の学生を誘うと、「クリケット?やったことない。してみたい!」と言って一緒にやるけど、だいたい次からは来ない。
誘いを断わるときは「あれはつまらなかった」「やってみたけどおもしろくない」とハッキリ言わず、遠まわしに言うから分かりづらい。
おまけ
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