反日に嫌気:日本企業の“脱・韓国” vs 協力を求める韓国経済人

 

「戦後最悪」という言葉は、最近では日韓関係のまくら言葉のようになった感がある。
特に韓国紙を見ていると、「最悪の韓日関係」とセットになってよく使われている。
近ごろはそれに“痛み”が伴ってきたから、韓国側があせっている。

たとえば今年1-3月期の韓国への日本の投資額は前年同期比で6.6%(6億3000万ドル)減、日韓の間での貿易規模も11.5%(193億ドル)減少した。
これは個人的な感想だけど、韓国の人たちは勝手に儲けを想定して、実際の利益がそれより少ないとえらく悲嘆するような気がする。

とにかくこの事態は韓国経済にとって、赤に変わる直前の黄色信号だから、韓国側は日本に協力をアピールしている。

中央日報(韓国経済新聞)の記事(2019年06月27日)

韓国経営者総協会長「韓日企業交流で両国の信頼関係回復を」

韓日の財界人が集まって開かれた「企業から眺めた韓日関係討論会」で、韓国経営者総協会の孫(ソン)会長が、韓日間の企業間交流を活発に行って「信頼と協力関係を回復する必要がある」と強調。
孫会長は、最悪といわれるいまだからこそ、「両国の経済人と企業が活発な交流を通じて信頼と協力関係を確認し、伝統的なパートナー関係の回復に寄与すべき時だ」と訴える。
キャノンコリアビジネスソリューションョンズのキム代表はいまの韓日関係に触れたうえで、「信頼基盤が崩れているが、信頼がなければ日本をはじめとする外国人投資家は韓国に投資を続けることができない」と話す。

韓日の企業間で、交流を拡大することや信頼を構築することが必要という。
つまり韓国側としては、「日本はもっと韓国に投資をしてほしい、韓国製品をもっと買ってほしい」ということだ。

そんな韓国側とは対照的に、韓国三井物産・森山代表の言葉は冷めていた。

「以前は韓国でビジネスをすると最も大きなリスクが北朝鮮だったが、今は日韓関係という話をよくする」
「両国関係がさらに悪化すれば、日本本社が韓国ではなく他の国で新しいビジネス機会を探す可能性が高い」

この言葉には、現在の日韓関係や韓国でビジネスをする日本人の気持ちがよく表れている。
いまの韓国で働く日本人の思いは本当に重いのだ。なんて言ってみる。
ハッキリ言えば、北朝鮮以上のリスクは韓国文政権だろう。
国民の間には反日感情があり、徴用工訴訟で最高裁判所は日本企業に賠償を命じたけど、韓国政府は守ってくれない。
しかもいまの韓国を見ても、この完全アウェーの状況が改善される可能性が見つからない。
だったらお金をかける相手先として、他国を検討するのは当たり前。
投資額6億3000万ドル減、貿易規模193億ドル減という数字はその前兆でしかない。
韓国の経済人は協力や交流をアピールする前に、しなければならないことがある。

不幸は友だちを連れてやってくる。
そんな日本企業の「脱・韓国」を加速させそうな動きが出てきた。

レコードチャイナの記事(2019年7月1日)

「日本依存度」が90%の韓国に緊張!日本政府が半導体核心素材など対韓輸出規制へ=「このままでは国が滅びる」「韓国も日本も過去に縛られてはだめ」

1965年の日韓請求権協定を守らない韓国に対して、日本政府がきょう、半導体製造に必要な化学製品の輸出を規制すると発表した。
これはサムスン電子やSKハイニックスなどの韓国企業に、致命的なダメージをあたえかねない。
国家間の約束を守らない文政権が悪いのだけど、韓国国内では日本を非難する声が多いようだ。

「歴史問題を反省しない日本は憎いけど、こんな状態まで放置した文大統領の幼稚な外交も批判されるべき
「時代は変わっているのに、過去に縛られて敵対する必要はない。韓国も日本も」
「韓国国民は日本旅行を控えるべき」
「韓国国民が立ち上がる時だ。日本製品の不買運動をしよう」

過去に縛られているのは韓国で、日本はそんな韓国を距離を置いて眺めているだけなのだが?
反日感情を高めて日本製品の不買運動をするのは勝手だけど、それは日本企業に「出て行け」と言っているに等しい。
「脱・韓国」の気配ただよういまの日本企業にそんなことをしたら、悲鳴を上げるのは韓国の経済人だ。
だからといって、日本企業を助けるようなことはきっとしない。
むしろ、「こういうときだからこそ、両国の企業が活発な交流を通じて信頼と協力関係を~」をなんてことを言い出しかねない。
日本企業の「他の国で新しいビジネス機会を探す可能性」をさらに高めて、最終的にこまるのは韓国の国民なのに。

最悪のタイミングで最悪の決定をする。
韓国を見ていると、ときどきこういうことがある。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。