日本に見せるべき韓国の真骨頂 vs 韓国が見るべき日本の真骨頂

 

日本政府の対韓輸出規制をうけてピンチをむかえたいま、韓国経済新聞(中央日報)がこんなコラム(2019年07月11日)を載せていた。

日本に見せるべき大韓民国の真骨頂

「百済遊民が現代日本人の主流を成すという既存の学説」とか相変わらず平行世界の話をしているところがファニー。
このコラムでは、韓国人には「(日本人にも)劣らぬ激しさで『危機克服列伝』」があるという。
「劣らぬ」と言われても日本はそんなことで韓国と張り合ってないし、むしろ「君子危うきところに近寄らず」でいまは距離を置きたいのだけど。

でもそこまで言うのなら見せてもらおうか、大韓民国の真骨頂とやらを。

韓国は朝鮮戦争を乗り越えて、「世界に7カ国しかない1人当たり所得3万ドル以上で人口5000万人以上の国になった底力は世界史的に例がない」というのが「危機克服列伝」のその一。
たしかにそれは激しくすごいのだけど、その過程で日本が3億ドルの経済支援金を韓国にわたし、さまざまな技術指導をしたことも忘れないでほしい。

列伝その2は、高品質の日本製品が韓国に入ってきたときだ。
このとき、「韓国の企業はすべてつぶれてしまう」という心配や強い反対が強かったけど、韓国人のいろんな努力でこの危機を乗り越えることができた。
結果的に、日本企業は”踏み台”だったようだ。

サムスンとLGのテレビがむしろ日本製品を国際舞台で打ち破ってしまう大反転を作った。サムスン電子に初歩段階の半導体技術を伝授したシャープや三洋電機などの日本企業がサムスンに押されて跡形もなく消えた。

日本に見せるべき大韓民国の真骨頂

 

それはすごい。
でも、読者のみなさんはその過程で何があったか知ってますか?

週刊東洋経済の記事(2012/08/01)でシャープの元副社長、佐々木正氏がサムソンについてこんな話をしている。

盗んででもやるんだ。フライデーフライトでうちのキーマンを韓国に連れていく。連中は土日に働いて日曜夜、サンデーフライトで帰ってくる。シャープは最後には技術幹部のパスポートを全部預かっちゃった。

「私とサムスンの李さんとの和解」

佐々木氏は当時、「与えられるものどんどん与えて、感謝してくれればいい」と思っていたという。
このときはまさか、2016年にシャープが台湾企業の子会社になるなんて夢にも思わなかったはずだ。
上のことはウィキペディアにも書いてある。

佐々木正・サムスンとの関係

 

コラムではこのあと映画やK-POPの韓流自慢が続くのだけど、韓国人の「危機克服列伝」はもうお腹いっぱいだろう。
いま日本政府がおこなっている韓国への「経済報復」も、みごとに乗り越えることが「日本に見せるべき大韓民国の真骨頂」ということらしい。

では、それはこれから見せてもらおう。
でもその前に、韓国にも見てほしい日本の真骨頂がある。
それは「国家の信用」だ。

 

明治の日本は本当に貧しかった。
明治政府は徳川幕府が海外から借りていた借金も引き継いで、身を切る思いで返し続けていた。
歴史作家の司馬遼太郎氏はその事情をこう説明している。

いったん返すべきものを返さなければ植民地にされてしまうのです。(中略)国家というのも商売ですから、信用をなくしてしまえば、取引ができなくなるのです。

(「明治」という国家 司馬遼太郎 NHKブックス)

当時は、国家が信用をなくせば国を奪われる危険があった。
日本の「報復」で、GDPの2~3%なくなるという程度の危機ではないのだ。

 

日本がどれだけ「国家の信用」を大切にしていたのか。
続きを読んでみよう。

明治・大正・昭和の国民は、世界じゅうの貧乏神をこの日本列島によびあつめて共にくらしているほどの貧乏をしましたが、外国から借りたお金はすべて返しました。
「国家の信用」 というのが、大事だったのです。

(「明治」という国家 司馬遼太郎)

 

日本人が「信用」というものをとても大事に考えたのは、明治になってからではない。
江戸時代、日本ではすでに商品経済が発達していたから、信用がどれだけ大事かということは庶民レベルでもよくわかったいた。

 

政権交代を言い訳にしない。
自分が言ったことは必ず守る。
約束した以上、世界じゅうの貧乏神をあつめるような困難をかかえても、歯を食いしばって耐える。
「国家の信用」はそれほど大事だから。

これがいまの韓国に見てほしい日本の真骨頂だ。

「信用をなくしてしまえば、取引ができなくなるのです。」という江戸時代から続く日本人の常識はぜひ知ってほしい。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。