【告げ口外交】米国「日韓対立は韓国が始めた」「日本に行け」

 

「告げ口外交」という言葉を、いまどれぐらいの人が知っているだろう。

これは韓国外交を揶揄(やゆ)する表現で、2013年ごろ、朴槿恵(パク・クネ)大統領が外国に「日本の悪口」を言いまわったことをさす。
「言いつけ外交」や「おばさん外交」も可。

日韓の歴史問題で相手を自分の味方につけようとする韓国の外交政策で、日本のメディアが「告げ口外交」と呼んでいた。

韓国人の行動パターンに結びつけて説明されることもある。

自分の嫌いな人物を孤立させるために、まわりの人々に悪口を言い回る事を、朝鮮語で「イガンヂル」(이간질)という。(中略)これは、韓国人特有の伝統的な行動パターンであり、韓国人同士でも毎日のようにやりあっているという主張もある。

告げ口外交

 

「韓国人は人の悪口をよく言います」と、知り合いの韓国人の女の子も言っていた。
さわやかなカフェにいても、会話は共通の知人の悪口が多いし、ノートパソコンやスマホでよく掲示板に悪口を書き込んでいる。
この傾向が日本人と韓国人のどちらに大きいか、両者を知っている韓国人に聞いてほしい。
仲が良い人なら、きっとこの指摘にうなづくと思う。

ちなみに日本に併合される直前、国際社会に日本の不当性を訴えた「ハーグ密使事件」も告げ口外交にあたるという。

 

ただ、朴槿恵大統領の告げ口外交はうまくいかなった。
「日本は正しい歴史認識を持つべきだ」と欧米諸国にアピールし、韓国と共同して日本への非難決議や非難宣言をしようと訴えたけど応じた国はゼロ。

 

日本と対立していて日本を動かしたいけど、自分たちの望むようにいかない場合、韓国は告げ口外交に打って出ることがある。
その相手はおもにアメリカで、アメリカの耳元でささやいて、日本を動かそうとする。
日本も日本で、むかしから「外圧」の弱さには定評がある。

これに腹を立てた元民主党代表の岡田氏が、朴槿恵大統領の補佐官にこう文句を言ったこともある。
朝日新聞の記事(2014年5月11日)

「どうして第三国に行って日本の悪口を言うのか。そういうことが日本人の感情を非常に傷つけている。言うなら直接会って言われたらどうか」と申し上げた。

「日本の悪口、なぜ第三国で言うか」 岡田・民主元代表

今は昔の話。

 

日本が安全保障を理由に、韓国に対して輸出規制の厳格化をしていることはこのブログ読者ならご存知のとおり。
それに対して韓国側が連日激怒しているのも知っているはず。
韓国は日本にその措置を撤回させたいのだけど、日本政府は山のように動かない。

それでまた悪い癖が出てきた。

韓国経済新聞(中央日報)の記事(2019年07月12日)

韓国外交・通商ラインがワシントン訪問も…「米国は仲裁しない雰囲気」

大統領府の金(キム)国家安保室第2次長はワシントンに飛び、康(カン)外交部長官(外務大臣)はポンペオ米国務長官と電話して「告げ口外交」を展開。

日本の輸出規制強化は世界のハイテク企業に悪い影響を及ぼす、アメリカにあるサムスン電子の工場にも打撃を与える、そもそも日本の措置は世界貿易機関(WTO)のルールに反しているといった日本の不当性を訴えたのだろう。
兪(ユ)通商交渉本部長も、もうすぐワシントンを訪問するという。

韓国の野党「自由韓国党」の羅(ナ)院内代表は、日本の“経済報復措置”について「文在寅(ムン・ジェイン)大統領はなぜトランプ大統領に日本への説得を要請できないのか問いたい」と発言した。
ここまで堂々としていると、「告げ口」とは別の表現が必要だ。

でも、「米国は仲裁しない雰囲気」とあるように、この告げ口も失敗に終わったようだ。

 

それもそのはず。
朝鮮日報のコラム(2019/07/12)で、専門家(マイケル・グリーン米戦略国際問題研究所 上級副所長)がアメリカの空気をこう伝えている。

米専門家の間では「今回の韓日対立は韓国が始めた」との見方が多数派

「韓日関係について最近の(日本の経済報復につながった)対立状況は韓国が始めたとの見方が多い」
「韓日関係が悪くなれば、(韓日それぞれの)米国との同盟関係も悪化するだろう。米国は(もし、そうしなければならなくなったら)日本より韓国から撤退するだろう。」
「米国が韓日間において、それも公に仲裁役をすることはほぼ不可能だ。」

これを日本語で無慈悲という。
韓国がくり返し、「歴史を忘れた民族に未来はない」と教えてくれたおかげで、日本は韓国の告げ口外交を読んで、先回りしてアメリカの要人に働きかけていたらしい。

 

すでに根回しが終了したアメリカに、韓国側は議員を送って日本を動かしてもらおうとする。
アメリカ側はそれに「うざっ」と思ったのだろう。
トランプ政権のある高官は、韓国の当局者たちの説明を「頭では理解したが、共感はできなかった」と言ったうえで、こんなアドバイスをしている。

朝鮮日報のコラム(2019/07/17)

韓国はワシントンに誰かを行かせて時間を費やすよりも、日本で多くの時間を過ごすべきだろう」とも言った

「韓国はワシントンではなく日本に人を送れ」

 

NHKのインタビューでもスティルウェル次官補が「韓日関係を仲介したり、関与したりする気はない」と言い切っていた。

もう「告げ口外交」は通用しないのだ。
でも韓国側は、きょうが回答期限の仲裁委員会の開催には応じない見通しだ。
それでいて、日本政府が「ホワイト国(輸出先として信頼できる国)」から韓国を外す方針については、「韓米日の協力に負担となるのは明らか」と強く反対している。

あちらさんはこの問題をどう解決するつもりなんだろう。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。