静岡県は日本一のお茶どころ。
ことし4月に行われた世論調査によると、県民の73%は産湯がお茶だったことが判明。
というのはウソだけど、蛇口からお茶が出てくる学校があるのはマジ。
そんな茶の都にふさわしく、静岡にはお茶の博物館があるのだ。
多彩で豊かなお茶の世界へようこそ。常設展では、お茶の起源と世界へのお茶の広がりや日本及び静岡のお茶について展示しています。
ここに台湾人・ドイツ人・インド人と行ってきた。
この博物館には、茶人で作庭家でもある小堀遠州(安土桃山時代~江戸時代)の庭園がある。
日本ではお寺に庭園があることは多いけど、台湾人に聞くと、向こうでは寺と庭は別ものでセットではない。
台湾でおすすめの庭園は蒋介石が住んでいた「士林官邸」だそうなので、旅行に行く人はリストに入れておこう。
くわしい説明は台北観光サイトをどうぞ。
庭園は中国式で、曲がりくねった小川や橋、築山、奇岩と赤い中国式の東屋が見られます。外部庭園は西洋庭園。
博物館の展示
台湾のお茶「東方美人」や「凍頂烏龍」は日本でも有名。
茶芸の道具
日本には茶道、中国や台湾には茶芸がある。
日本人にとって国民的飲料はお茶。
それを尋ねたら台湾人もお茶、ドイツ人はコーヒー、インド人はミルクティー(チャイ)という。
コーヒーとチャイはいいとして、ここで取り上げたいのはお茶。
10年ほどまえ、暑い暑い台湾を旅行していたとき、コンビニで買った冷たい緑茶を飲んだとき、「やべっ、変な飲み物を買ってしまった!」と思った。
「甘さ」という、お茶にはあってはならない味覚を感じたから。
それも微糖というレベルではなく、大量の砂糖が入っていて激甘の緑茶に仕上がっている。
そのあと麦茶やジャスミン茶を買ってみたけど、すべてがスイート・テイストで、違和感を超えてはっきり言って気持ち悪かった。
でも、無糖のものもあったらしい。
宿に戻って日本人オーナーにその話をしたら、「台湾では甘いお茶が普通ですよ」とのたまう。
でもそれを知らない日本人旅行者も多くて、この質問はよくあるらしい。
台湾に長く住んでいるオーナーでもその理由は分からない。
「単純に、甘くしたほうが売れるからでしょ。台湾人は無糖のものに、お金を出したくないんじゃないですか?」
深い意味はなくて、消費者の好みとマーケティングの問題らしい。
そんな台湾でも、無糖のお茶が増えていると聞いた。
朝日新聞の「中国特集」で中国茶評論家の工藤佳治氏がこう書いている。
中国に来た日本人観光客が、「日本と同じペットボトル入りのお茶がある」と買い、一口飲んで「ウェッ」と顔をしかめる光景をよく見る。そこには、思いもかけない、甘さ……。予想外な味に戸惑うことになる。
緑茶に砂糖をいれて飲む。「信じられない!」
ボクが台湾で感じたのがまされにこれ。
本当に信じられない思いだった。
中国のコンビニで売っているお茶も甘いけど、「日式(日本式)」と書いてあるものには砂糖が入っていなかった。
でもこれはコンビニやスーパーで売っているペットボトル飲料のお茶で、台湾でも中国でも、家やレストランで飲むお茶には普通は砂糖が入っていない。
中国はお茶の母国であり宗主国。
そんな中国文化の継承者である中国人や台湾人が、なんでお茶に砂糖を入れて甘くするのか?
なんでそんな「外道」に走ったのか?
博物館へ行ったとき、それを台湾人に聞いてみた。
その台湾人はアメリカに10年以上住んでいた経験から、「アリゾナ緑茶」のことを話す。
これも砂糖が入っていてかなり甘い。
でもアメリカ人がイメージする「日本の緑茶」はこのアリゾナ緑茶という。
「シュガーフリー」とあるからこれは無糖。
この台湾人は日本に住んでいるから、「なんで台湾のお茶は甘いんですか?」と日本人に質問されることがある。
でもそんなことを考えたことがないから、理由はよく分からない。
それで逆に「なんで日本人は、お茶は甘くないと思うのですか?」と聞き返すことがあるという。
ボクもこれを言われて言葉に詰まった。
台湾でも中国でもアメリカでもタイでもベトナムでも、海外のスーパーやコンビニで売っているお茶は砂糖入りの甘いものが圧倒的に多い。
それがその国の常識で、「お茶に砂糖は入れない。甘いお茶はおかしい」というのは日本人の感覚。
それは悪くはないけど、絶対に正しいわけでもない。
茶道と茶芸は違うけど、どちらも間違いではなくてそれぞれ正しい。
こういう話を聞くと、お茶に対する日本人の常識は、世界では例外的なんだと思えてくる。
お茶はもともと中国から伝わったもので、日本のお茶はしょせん「日式」。
けっして世界標準ではない。
「なんで海外ではお茶が甘いのか?」というのは、そこが日本ではないからだ。
ただ「日式」と書いてあるのに甘かったら、それは間違っている。
日本のお茶が甘くない理由ですが、もしかすると、食後(ご飯の後)でお茶を飲んでいたことが、関係しているのかも知れません。ご飯は、他国のパン、とうもろこし、芋、インディカ米、その他の穀物類と違って、「噛んでいると甘さが感じられる」穀物なのです。だから日本人は、「食後に甘い飲み物を」欲しいと考えることは少なかった。
たとえば日本でも、食事と関係なく、おやつの時間に楽しむコーヒーや紅茶では砂糖を入れる人が結構いますよね?外国のお茶はそれと同じです。
昔は米国系レストランのコーヒーなんて、例えばデニーズの砂糖ポッドなんか砂糖をドボドボ注ぐような容器で入れていて、初めて見た時びっくりしたものでした。これは米国現地でも、日本に上陸したばかりのデニーズでも同じでした。おまけにコークやセブンナップなど、冷たい飲料でも甘いものばかり、めちゃくちゃな量を平均的米国人は摂取していました。唯一の例外はビールですが、米国には苦くて甘いビール、ルートビア(←クソ不味い飲み物!)もありました。
それが今では、米国含め世界中で、砂糖をなるべく減らすような傾向が出てきています。これは、主に先進国で、砂糖のとり過ぎは健康を害するという知識が普及してきたことによるものです。現在は日本でも、コーヒーに砂糖を入れる量が昔に比べてかなり減ってきて、ブラックで飲む人も多くなりました。
ただし、世界的な基準で見ると、日本人はWHOの見解にもあるように未だに塩分をとり過ぎです。これも実は、前述のように「ご飯が美味しい」ことと関係しているのだろうと、私は思います。ご飯に塩は美味しいのですよ。おにぎりで分かるようにね。
>、食後(ご飯の後)でお茶を飲んでいたことが、関係しているのかも知れません。
それは確かに説得力がありますね。
台湾・中国でお茶に砂糖が入っているのはペットボトル飲料だけでしたし。
アメリカ人の甘いもの好きはすごいというかヒドイですね。
食べ物の量も多いし味も濃いし。
ただ「アリゾナ緑茶」ではなくて、無糖の緑茶を飲む人も増えているようです。