空港バスが出発するバス停へ、車で向かっている。
車を運転中、アメリカ人とイギリス人と旅行したときのことを思いだしているところ。
「『高速道路の料金』って、英語で何て言うの?」
イギリス人に聞いてみた。
そのイギリス人は、「Toll feeでいいわ」と言う。
「でもね、イギリスではふつう、そんな言葉を使わないの」
と言って日本の高速道路料金にケチをつけはじめる。
「日本の高速道路の料金は高い!」ということではなくて、高速道路の料金を払うこと自体がイヤらしい。
「ボクには、食事をしてチップを払う方がイヤだけどね」
ボクはそう思ったけど、彼女には高速道路の料金のほうに抵抗があるらしい。
「チップを払うのはいいの。でもね、高速道路を利用するのにお金を払うのがイヤ。イギリスでは高速道路はタダだから」
タダ!
へえ、イギリスって高速道路の料金はないんだ。
「アメリカもタダよ。でも橋を通るときには、通行料がかかることもあるけど」
何と、アメリカでもタダ。
「何で、日本はお金がかかるの?」
知らん。
むしろ、こっちが教えてほしいわ。
日本でも、高速道路の無料化をしようとする動きはあった。
民主党が「高速道路無料化を実現します!」と言っていた。
今から思えば、あれは結局なんだったのかわからない。
高速道路の料金どころか、先になくなったのは民主党だったというオチ。
「高速道路の料金は払いたくない!」
そう言うこのアメリカ人とイギリス人が「ケチ」ということではない。
アメリカ人の方は、はっきりいって金銭感覚がない。
イギリスでもアメリカでも、「高速道路は無料が当たり前」ということは常識になっている。
だからその感覚からしたら、「タダだと思っていたものにお金を払う」というこにはどうしても抵抗があるらしい。
ボクがチップを出すのに抵抗を感じることと同じ理由だ。
「タダが当たり前」と思っていることにお金を払うのは、誰でもイヤなもの。
結局は、慣れの問題だなんだろう。
そんなことを考えて運転していると、バス停に到着した。
案内係のおじさんに駐車場まで誘導される。
まだ、朝5時30分なのに。
お疲れ様です。
自宅を出て、高速道路を使って駐車場に車をとめる。
この間、何のトラブルもなく進んでいる。
こんな日本が大好きだ。
バス停の券売機でバスチケットを購入する。
ここからセントレアまで、2300円ナリ。
チケットをバスの運転手にわたしてバスの座席に座る。
あとは、出発時刻の5時35分を待つだけ。
本当は眠りたかったけど、これから海外に行くという興奮から目がさめてしまう。
バスのなかでは、ぼ~っと考え事をするくらいしかやることがない。
このとき、バスチケットの券売機を見て、イギリス人とラーメンを食べに行ったときのことを思いだした。
「ラーメンを食べたいんだ。おいしいラーメン屋へつれて行ってくれよ」
イギリス人の友人がうるさく言うから、ミシュランで星を取ったラーメン屋に連れて行くことにした。
浜松の「びぎ屋」というラーメン屋。
「最近ではロンドンにもラーメン屋があるんだぜ」
そのイギリス人はそんなことを言う。
イギリスでも、日本と同じラーメンが味わえるらしい。
でもビックリしたのがそのお値段。
ロンドンでは、ラーメンが一杯2000円もするという。
「ラーメンが一杯2000円!?」
思わず聞き返してしまった。
「本当だよ。だから日本にいる間に、できるだけたくさんラーメンを食べたいんだよ」
日本でラーメンに2000円の値をつけるのは、かなりのチャレンジだ。
でも、何でそんなに高いんだろう?
「ロンドンにはラーメン屋がまだ少ないからだろう。競争がないんだよ。だからそんな値段でも仕方がない」
その値段でも食べに行くロンドンっ子がよく分からない。
珍しいのか、おいしいのか?
タイのラーメン
けっこう本格的
このイギリス人と話をしていて、不思議に思ったことがあった。
ラーメンはそんなに高いのに、彼のなかではラーメンは「ファストフード」に入るらしい。
この感覚はボクとはちがう。
ラーメン屋がマクドナルドやケンタッキーと同じファストフード店に入るのか?
ボクのなかでは、まったく別。
「じゃ、おまえは彼女を連れてラーメン屋に行けるのか?」
「安定期」に入っていれば行けるけど、初めての食事でラーメン屋はないかなあ。
「だろ?そういうことだ。そういう店がファストフード何だよ」
まあ、どっちでもいいや。
そんなことより、気になることがある。
このイギリス人はラーメンを食べるとき、麺をすするのだろうか?
おまけ
2016年の10月、ニューヨークにラーメンの「一蘭」がオープンする。
そのニューヨーク店の豚骨ラーメンも1杯2千円弱する。
かなり強気だ。
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