ソウル在住アメリカ人が見た韓国のチュソク/女性の役割

 

韓国には年に2回、とても重要なイベントがある。
それが1月下旬~2月上旬の「旧正月(ソルラル)」と、9月下旬~10月初旬の「秋夕(チュソク)」だ。
今回とり上げるのはチュソクのほうで、2019年は9月12日〜15日の3日間が休みになる。

だから今年はもう終わり。
チュソクがはじまる前に記事を書いたらもっとアクセスがあったはずなのに、いつも満を持しているうちにタイミングを失ってしまう。

チュソクになると韓国人は実家に帰って、家族・親戚が集まってお墓参りに行く。
この祖先崇拝という意味では日本のお盆と同じ。
またチュソクは豊かな収穫に感謝する日でもあるから、その点ではハロウィンと同じ。
時期でいえば「秋夕」の名のとおり、日本では「中秋の名月」にあたる。
一年で月が最もきれいに見えるといわれる日だ。

 

先祖へのお供え物

 

チュソクの3日間は国民的な祝日になっている。
それでソウルの小学校で英語を教えているアメリカ人に、この期間に何か予定があるか聞いてみた。
これがその返事。

「nope. just chilling at home. gonna go eat at an ‘all you can eat’ meat buffet tomrrow.」

食べ放題の店に行くだけで、あとは家で過ごすつもりらしい。

このアメリカ人女性はいいけど、長男の妻はチュソクのとき大変だ。
家族・親戚が一堂に集まるから、その準備をしないといけないから。
家の掃除をはじめ、必要な買い物をして大量の食事をつくらないといけない。
これが重労働で、のちに後遺症を生むほど。

韓国旅行のサイト「KONEST」から。

韓国には名節に体を酷使してその反動で無気力になったり、体の節々が痛んだりする「名節後遺症」という言葉もあるほど。主婦たちにとっては怒涛の日々の始まりです。

韓国の秋夕(チュソク)

それに当日は様々な人が来るから、いろいろと気を使って精神的にも疲弊する。

 

さて先ほどのアメリカ人のメールには続きがあった。

「as you know, the wife of the eldest son is usually in charge of Chuseok festivities. One of my friend’s mom is that person. Well, she’s been angry at her husband for a long time so finally this year she decided, “No! I’m not preparing anything for Chuseok. You dont deserve it.”」

このアメリカ人の友人が韓国人の長男と結婚した女性で、「チュソクの担当者」になる。
夫と長い間うまくいってなかったらしく、この妻はとうとう「チュソクの準備は一切やらない!あなたはそれほどの人物ではない(それに値しない)!」とブチ切れてしまった。

韓国の男には、「釣った魚にはエサをあげない」主義が多いという話を聞いたことがある。
結婚前は尽くすけど、結婚したらほったらかし。
この夫もそのひとりかも。

 

「So I guess Chuseok is cancelled. This is the first time I’ve ever heard of a Korean person shirking their familial/religious duties because of personal matters.」

これで、この家族のチュソクはキャンセルされそうだ。
韓国人が個人的な事情で、家族の/宗教的な義務を放棄するというのを聞いたのはこれが初めてという。

これはボクも初耳で驚いた。
そうとうな修羅場があったに違いない。
ここまでくると、離婚も視野に入れているのでは?

 

これとは逆で、知り合いの韓国人女性はチュソクで料理を準備するが好きと言っていた。
料理を作るのは得意だし、たまには母親とゆっくり時間を過ごすことも大事と考えている。
でもこんな女性は韓国社会では例外中の例外かもしれない。

 

平和なチュソクなら、こんな民俗行事を見て楽しむ。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。