ラグビーW杯:世界を驚かせ、感動させた日本のおもてなし

 

いま日本でラグビーワールドカップが開催されている。
この世界的イベントを見るために、すさまじいほどの外国人が日本へやって来た。
最近そんなイギリス人と知り合って、「日本の文化を見てみたい」と言うから、静岡にあるお茶の博物館(ふじのくに茶の都ミュージアム)に連れて行った。

*静岡でもラグビーW杯の試合が行われるということで(日本対アイルランド戦)、9月25日~29日の間は博物館の観覧料が無料になっている。

そのイギリス人はこれから京都や奈良に行くというから、お寺や神社はそこでお腹いっぱい見ればいい。
茶都・静岡で日本文化を体験するなら茶道がいい。
博物館では茶道体験もできるから、さっそく行ってみた。

 

茶室で出された和菓子が上の写真。
竹でつくったラグビーゴールだ。
でもって和菓子はラグビーボールを模したもの。

せっかく静岡でラグビーW杯の試合が行われるのだから、たくさんの日本人や外国人に楽しんでもらい。
そんな思いからこのおもてなしが生まれた。

 

ラグビーと日本文化が好きなイギリス人はこれで「WOW!」。
「これだけで日本に来た価値があった」と笑う。

フランス・イタリア・デンマークなどのヨーロッパ諸国やタンザニア・ミャンマー・イスラエルといった国を旅行した彼にいわせると、日本人のおもてなしは完璧。
イタリア人やスペイン人のようなフレンドリーさはないけど、日本人はすごく細かいところまで考えて、手間ひまかけて準備する。
客をもてなす配慮では日本人はきっと世界一だという。

 

せんじつ9月25日に岩手県釜石市で行われたフィジー対ウルグアイ戦でもそんなことがあって、世界に強い印象をあたえた。
「マスコットキッズ」としてウルグアイの選手と入場してきた小学生の男の子がそのまま選手と一緒にウルグアイ国歌を歌う。

その様子は世界に放送され、ラグビーW杯の公式ツイッターが「素晴らしい瞬間」と紹介した。

 

このサプライズには、「信じられない」「Gracias!!(ありがとう)」といったコメントが寄せられている。

「I can’t believe the little Japanese mascot singing the Uruguayan national anthem. Absolutely brilliant. How did they get him to do it?」

「Thanks to all the Japanese people who rejoice and accompany my country in this tournament. My regards to you.」

「I just love the way the Japanese have embraced this tournament」

選手も大感激だ。
試合のあとウルグアイ代表の主将フアンマヌエル・ガミナラ選手は報道陣にこう話した。

朝日新聞の記事(2019年9月25日)

「とても驚いたことがあった」と切り出した。「僕と一緒に入場した子どもが国歌を一緒に歌ってくれたんだ。自分の国にいるように感じた。日本の皆さんに感謝したい」と述べ、「ありがとう」と日本語でお礼した。

東京の8歳がウルグアイ国歌斉唱 「素晴らしい」と反響

 

世界を感動させた日本のおもてなしには、それなりの配慮や準備があった。
ことし5月に元日本代表主将の廣瀬俊朗さんらが、W杯に参加するチームの国歌を覚える「スクラムユニゾン」という企画を立ち上げる。
このプロジェクトのひとつして、ユーチューブで各国国歌を紹介した。

 

 

8月にウルグアイ代表のマスコットキッズにきまった先ほどの小学生がこの動画を見て、スペイン語の歌詞を覚えた。
「とても驚いたことがあった」には、それなりの理由があるのだ。
「勝敗はもう戦う前に決まっている」とかまるで孫氏の兵法。
情熱ではスペイン人やイタリア人には勝てないけど、一生懸命のおもてなしなら日本人は負けない。

 

ウルグアイ代表は試合後、一列にならんでお辞儀をした。

 

今回のW杯ではこの日本文化がちょっとしたブームになっている。

【お辞儀】外国人が“完全に日本人になった”と思う瞬間

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。