日本と海外の文化の違い:タトゥーに配慮する来日外国人

 

いま日本でラグビーW杯が行われている。
というとでこの前、浜松に住んでいるイギリス人がSNSでバーでのラグビー観戦を呼びかけていた。

「Anybody in Hamamatsu want to watch the rugby? I’m headed to the Lord Nelson for the next match and the England one.」

イギリスはラグビーの母国ということもあってラグビーの人気は高い。

ラグビーの起源は、「1823年、イングランドの有名なパブリックスクールであるラグビー校でのフットボールの試合中、ウィリアム・ウェッブ・エリスがボールを抱えたまま相手のゴール目指して走り出した」ことだとされている。

ラグビー

 

だからW杯期間中には、数万人ものイギリス人が日本にやって来るという。
となると、日本との文化の違いを理解する必要がでてくるわけだ。
それでイギリス外務省が日本での注意を呼びかける動画を作成。
イギリスと日本では価値観や文化の違いに何があるのか?

イギリス人が知っておくべき日本人の価値観に、タトゥー(入れ墨)への見方がある。
この動画でもそれを紹介しているけど、イギリス人のユーモアセンスがイマイチわからない。

 

 

*この動画は期間限定でそのうち消えるから、ここに内容を書かせてほしい。

イギリスでタトゥーはファッションのひとつで、決して悪いものではない。
日本の社会は西洋化したけど、伝統的な価値観は変わっていない。いまでもタトゥーは犯罪者やヤクザを連想させる。
だから温泉や銭湯では入場を拒否されることもある。

「入れ墨=犯罪者(ヤクザ)」というイメージはもともと中国からきたものだから、タトゥーに対する見方は、中国人や韓国人は日本人と似ているから問題ない。
欧米や中南米でタトゥーはファッションと考えられていて、するかしないかは個人の判断にまかされている。タトゥーがあったところで生活にはほとんど影響ない。

 

きょねんロシアでサッカーW杯が行われたとき、日本と海外のタトゥーへの見方の違いに驚いた。
国際サッカー連盟(FIFA)が公式ツイッターアカウントに、タトゥーのデザインからその選手を当てる「タトゥー・クイズ」を出していた。
FIFAにとってタトゥーは文化であってタブーではない。

 


腕に「イーブ」と書いてある。
このプレイヤーは誰だろう?

 

イギリスBBCも同じようなクイズを出していた。(2018年6月4日)

Take our quiz to find out. And remember – every player in it is set to play in this summer’s World Cup in Russia. Good luck.

World Cup 2018: Can you identify the player from their tattoo?

 

BBCは日本でいうならNHK。
NHKがタトゥークイズを出して、視聴者に「がんばれ」(Good luck)なんて言ったら、本当につぶされるかもしれない。

日本と海外の文化の違いはとても大きい。
大事なことは互いにそれを知って、相手国では現地の価値観を尊重して行動することだ。

ラグビーの国際統括団体ワールドラグビーもホームページで日本を訪れる外国人に、ヤクザとタトゥーの関係を伝えて、長袖Tシャツなどでタトゥーを隠すことを提案している。

In Japan, tattoos carry a certain stigma as they are traditionally associated with the Yakuza, Japan’s organised crime groups.

it’s nothing that a covering or long sleeve t-shirt can’t fix so there’s no need to let it affect your travel plans.

Tattoos

 

イギリス外務省の動画や上の説明などのように、今回のラグビーW杯では日本を訪れる外国人に、日本の文化や価値観を尊重して日本人に配慮するよう訴えているのをよく見る。
せっかく日本でW杯が開かれるのだから、日本人が海外のタトゥー文化を知る機会にしてもいい。
日本人の入れ墨と外国人のタトゥーでは背景も意味も違う。

日本のネットの反応を見ると、日本人と外国人を分けて考えている人も多い。

・白人黒人はヤクザじゃないって見てすぐわかるから問題ないぞ
・日本人以外はOKにしたら?
・一目で外人だと分かる人なら別にいいような気もするw
・サモア人のトライバルタトゥは 大目にみてもいいと思う
・スポーツ選手がスポーツする分にはどうでもいいわ
・NZ、トンガ、フィジー辺りは仕方ない
・外国人のタトゥーは正直どうでもいい

日本にいるのなら外国人が日本について知ったり配慮する必要があるけど、同時に日本人が海外のタトゥー文化についての理解を深めることも大事だ。
いまがちょうどそのタイミングだと思う。

 

 

こちらの記事もどうぞ。

外国人から見た不思議の国・日本 「目次」

外国人から見た日本と日本人 15の言葉 「目次」

<W杯スター選手の「タトゥー」どう思う?>欧米は自己表現、日本では“罪人”イメージ

 

2 件のコメント

  • 外国人(特に欧米人)のタトゥーは、友情、仲間、結社、部隊(軍)の一員、さらには愛情を誓うものまで、非常に肯定的というか、アグレッシブな「消えないマーク」としての扱いを受けていますよね。
    海外であっても必ずしもいい意味だけでなく、日本と同様に「非合法団体構成員のマーク」としての扱いを受けることがあるのは、刑事ドラマやアクション映画で度々目にすることです。
    って言うか、最近のアクション映画では変装した凶悪犯を見抜くのが、たいてい、手首・足首、胸元のタトゥーからであるのはなぜ? そんな身バレしやすい行動を皆がやるほど、海外のヤクザは間抜けなのでしょうか?

  • 刑事ドラマやアクション映画を見ないのでよく分かりませんが、ラグビーW杯を統括する団体のホームページやイギリス外務省の動画などを見ると、タトゥーは気軽なものととらえられています。奴隷に所有者がわかる入れ墨(焼き印?)を入れていたという話は聞いたことがありますから、タトゥーがすべていい意味ということはないかもしれない。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。