不買運動で韓国人は半減したけど、日本の利益は過去最高

 

政治家が対決姿勢を鮮明にしてマスコミが煽(あお)れば、国民が暴走するのは当たり前。
いまも韓国で燃え続けているノージャパン運動のことですよ。

読売新聞の社説(2019/09/22)

韓国政府が対日強硬策をアピールし、メディアやネットを通じて反日感情が煽られる。日本旅行の自粛や日本製品の不買運動が韓国で拡大しているのは残念な事態だ。

韓国人客の減少 反日感情の広がりを懸念する

 

政府やメディアがストッパーになるどころか率先して燃料を注いでいるのだから、国民の反日感情がしずまるわけない。
ただノージャパン運動への評価は韓国の各メディアによって異なる。
韓国の航空会社や旅行会社は大きなダメージをうけたし、日本製品を扱う韓国企業には生死をさまよっているところもある。
会社の帰り、ふと夜空を見上げたら、死兆星が見える経営者も多いだろう。
それで「おまえらやり過ぎるなよ」と暴走をいさめるメディアもあれば(火を点けたのは自分たちなのだが)、ハンギョレ新聞のように、いまでも不買運動の“成果”を誇るメディアもある。(2019-10-09)

安倍政権の輸出規制は、韓国国民の怒りを触発し、日本製品不買運動に火をつけた。日本の関連産業が直撃弾を受けている。特に観光分野の被害が大きい。(中略)8月の統計が出てきた先月19日、日本の主要新聞が1面トップで扱った。それほど衝撃的に受け入れたという話だ。

日本の輸出規制100日、安倍の誤判

*ちなみにハンギョレ新聞の論調はムン大統領の考え方に近い。

 

「中略」の部分は日本の政府観光局(JNTO)が発表した統計のこと。
それによると日本を訪れた韓国人の数は7月に7.6%減って(前年同月比)、8月には48%とほぼ半減した。

その他にもことし9月の韓国では日本メーカーの自動車販売が60%、日本のビール輸入額が99.9%減ったことをあげて、「安倍政権が韓国をあまりに見くびった」、「もはや日本に簡単にしてやられる相手ではない」とよく分からないことを書いている。
日本はけっして韓国を見くびっていない。あきれているのだ。
合意も国際法も守らないから。
最近はそれを通り越して無視している。

それにしも相変わらず隣人は、途方もない見当違いをしているらしい。
日本は韓国を倒す/倒さないといった対象と見ていない。
日本政府は韓国に対して、「輸出手続きをしっかりやってください」「国家間の約束や国際法を守ってください」と言っているだけ。
勝手に戦闘モードに入って、ひとりで“勝利宣言”をされてもリアクションに困る。

 

でも、このまえ財務省が発表した内容は韓国へのリアクションのひとつになっている。

産経新聞の記事(2019.10.8)

韓国人客半減でも旅行収支黒字は過去最高 8月国際収支

財務省によると、外国人旅行者のお金の出入りを示す「旅行収支」は1518億円の黒字で、8月としては過去最高を記録。
訪日外国人の数は減ったけど、1人当たりの国内消費額が上がった結果だ。
観光客の数が減ったといっても、前年同月比で2.2%減だから大したことではない。

「来日外国人が増えたけど日本の利益は減った。」
「外国人は減ったけど、日本は儲かった。」

このどちらがいいか聞かれたら、後者を選ぶ人が多いだろう。
韓国紙のいう「それほど衝撃的に受け入れたという話だ」の衝撃とは2.2%減のことだったらしい。
もっとも不買運動の影響で、対馬など韓国人観光客に依存していたところのダメージが大きいことは否定できない。
でも、日本全体で見れば儲かっているのだ。利益は過去最高だ。

韓国人観光客については記事にこう書いてある。

日韓関係の緊迫化が要因で、韓国からの観光客は前年同月比48%減の30・9万人と大きく減少した。
ただ、韓国の観光客は1人当たりの消費額が少なく、消費額の多い欧米などの観光客数はこれまで通り堅調に推移した。

 

不買運動のメインターゲットにされたユニクロも、ほらこのとおり。

日本経済新聞の記事(2019/10/10)

ファストリの今期、純利益8%増 海外ユニクロ拡大で最高益

中国ので売り上げが絶好調で、4期連続の最高益を達成。
売上高も5%増の2兆4000億円でこれも過去最高。
ノージャパンとは何だったのか。

いま日本はラグビーW杯で盛り上がっているし、韓国では疑惑だらけのチョグク氏が法務部長官(法務大臣)になったことに国民が怒っている。
これが響いてムン大統領の支持率は過去最低(32%)になった。
韓国の不買運動も知らない間に下火になっているだろう。
そのあとに何が残るか見てみよう。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。