日本が世界のひんしゅくを買った?韓国のあきれた鏡報道

 

韓国はとてもユニークな国で、「世界でもここだけでしか見られない」という現象がよくある。
たとえば政治家やマスコミ、国民がそろって旭日旗を「戦犯旗」と呼ぶのは世界でここだけ。
その旭日旗を東京五輪のスタジアムで使わせないよう、日本や国際オリンピック委員会(IOC)に働きかけた発想力と行動力はまさに大韓民国ならでは。

旭日旗に対して軍国主義というネガティブなイメージをもっている中国ですら、ここまではやらない。
最近の韓国はチョイと突き抜けている。

そんな韓国の全国紙・中央日報でこんな記事があった。(2019.10.28)

旭日旗は構わない、入れ墨は隠せ…日本の二重性

 

日本で旭日旗は問題なしだけど、入れ墨(タトゥー)はタブー視されている。
これのが2つの見方のなにが二重性(ダブルスタンダード)なのか。

日本でいま開催されているラグビーW杯で、日本は旭日旗の使用を禁止していない。
戦前・戦中、これは軍旗として使われていたし、いまでは海上自衛隊が艦船にこの旗をかかげている。
日常生活でこのデザインは大漁旗でよくあるし、幼稚園のマークとしても使われている。

日本文化のひとつだから、ラグビーのスタジアムには旭日旗があったり、旭日旗デザインの鉢巻をする外国人がいても問題にはならない。

 

 

一方、入れ墨には悪いイメージがあって(韓国社会も同じ)、これがあると大抵の温泉やジムに入ることができない。
日本ではむかし犯罪者に入れ墨をしていたし、今ではヤクザのイメージがあるから、入れ墨には伝統的なネガティブな見方がある。

反社会的勢力の象徴と幼稚園の送迎バスのデザインを一緒に考えるほうがどうかしている。
旭日旗と入れ墨はまったく別のものだから、これを同じ基準で見るのは不可能だ。

でもネガティブな感情による一方的な見方では、これが「日本の二重性」になってしまう。
そんな感覚と勢いで記事を書くから、前後で意味のつながらない謎文になる。

自分たちは旭日旗が散見されるラグビーワールドカップを開催した日本が参加外国選手団に入れ墨禁止というあきれる注文をしてひんしゅくを買った。

言語明瞭意味不明瞭と言ってもいい。

 

ツッコミどころが多くて、どこから攻めていいのか悩む。
とりあえず、ホスト国の日本が各国代表に入れ墨禁止という「あきれる注文」をしたというのは、具体的に何のことなのか?
試合で選手はタトゥーを出しまくってプレーしているし、それに文句を言う日本人も見たことない。
タトゥーを見せたままファンサービスをする外国人選手に、「日本の文化を守れ!」と怒る日本人がいたら、ほかの日本人からたたかれる。

 

それと問題は、誰のひんしゅくを買ったかだ。
上の文を読むとまるで日本が外国を怒らせたようだけど、実際にはそんな国は世界で韓国だけ。
それ以外の国があったら教えてほしい。

日本と海外の文化の違いはとても大きい。
大事なことはお互いにそれを知って、相手国では現地の価値観を尊重して行動すること。

今回のW杯を開催しているラグビーの国際統括団体ワールドラグビーは、それぞれの国の文化や価値観を尊重することを重視している。
ホームページを見ると日本を訪れる外国人にヤクザとタトゥーの関係を伝えたり、長袖Tシャツなどでタトゥーを隠すことを提案している。

In Japan, tattoos carry a certain stigma as they are traditionally associated with the Yakuza, Japan’s organised crime groups.

it’s nothing that a covering or long sleeve t-shirt can’t fix so there’s no need to let it affect your travel plans.

Tattoos

 

イギリス政府もタトゥーに対する日本の見方を動画で紹介して、国民に配慮するよう訴えていた。
これらはすべて自発的なもので、日本が外国に対して「入れ墨禁止」という注文をしたわけではない。
むしろ逆で日本ではこの期間に限って、タトゥーOKという温泉もあらわれた。
ラグビーW杯では日本人と外国人が互いの文化や価値観の違いを認め合って、相互に配慮する動きが広がっている。

現実世界では、韓国紙の報道と反対のことが起きているのだ。
旭日旗を「戦犯旗」と呼ぶ世界で唯一の感覚にしたがって書くから、こんな記事が仕上がる。
ひんしゅくを買って、あきれられたのは日本ではない。
でも、鏡の国では実際に起きていることより国民感情が優先されるから、逆さまに見えてしまう。

 

問題は日本はじゃなくて、韓国の二重基準。

10月18日に、韓国のアメリカ大使官邸への侵入事件が起きて外交問題に発展。
警護責任のある警察庁長が「申し訳ない」と謝罪して、ハリス米国大使にはカン外交部長官(外務大臣)が直接、遺憾の意を表明した。
事件3日後に、被疑者の一部が拘束されてすぐに検察へ送検された。

相手が日本になるとこれが正反対。
3カ月前に釜山の日本総領事館でも侵入事件が発生したけど、いまだに「康長官や閔庁長など高位当局者の遺憾表明の便りも聞こえない」(中央日報)というありさまだ。
日本総領事館への侵入事件では、被疑者が拘束されることなく捜査が行われた。

中央日報もこの二重性にはさすがに疑問を呈する。(2019.10.28)

3カ月を過ぎたが、もう送検が行われただけでまだ公訴提起の有無も決定されていない。(中略)このように違う雰囲気は韓国政府が日本の経済報復による国内の世論悪化などを意識して対応しているという印象を与えるのに充分だ。

「日米公館侵入、異なる対応の韓国政府」

 

反日感情の高まりを意識して、韓国政府は日米で違う対応をしたとこの記事は分析している。
これは正し過ぎて何もツッコめない。
でも、こうした矛盾を指摘するメディアが「旭日旗は構わない、入れ墨は隠せ…日本の二重性」なんて記事を大真面目で書いているのだから、日本はどこに救いを求めたらいいのでしょう。

 

 

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近くて遠い日本と韓国 「目次」 ①

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ②

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ③

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。