韓国にはゆずらない。日本も「揺るがすことのできない国」に

 

「ゴールポスト」と入力して検索すると、選択肢に「韓国」とでてくる。
「ゴールポストを動かす」というのも韓国のことだ。

 

 

この場合のゴールポスト(を動かす)はおもに韓国に対する外交用語。

日本では韓国が約束・宣言・合意・条約を、勝手に変更または無視して決定事項を履行せず、日本に追加要求をする状況を意味する時に使われる。

ムービング・ゴールポスト

 

「この問題はこれで決着する」と確認したにもかかわらず、あとになってからその条件を変えてしまう。
韓国さんにはそんな悪いクセがある。
たとえば慰安婦問題だ。
2015年の日韓合意で「最終的、不可逆的な解決」を確認したのに、数年後、「あれで解決したことにはならない」と言い出してまた謝罪を要求する。
1965年の日韓請求権協定を韓国最高裁がひっくり返したことも記憶にnew。

そんな隣人との付き合いで疲れ果てた日本がよく、「韓国はすぐにゴールポストを動かす」とため息をつく。
こんなことをされたら問題はいつまでたっても終わらないから、ウンザリするのは当然だ。
でもこれは、日本だって悪いんですよ。

 

 

さて、いま日本は韓国に対して輸出管理の強化をおこなっている。
韓国風にいえば輸出規制(または経済侵略)の真っ最中。

これを何とか撤回させたい韓国側は、あの手この手で日本を揺さぶる。

国民は不買運動、政府はGOSIMA破棄をちらつかせ、メディアは「半導体部品の国産化に成功!」と報じるなど、韓国は官民挙げて日本から譲歩を引き出そうとしている。
でもいまのところ、日本は一切揺らがない。

東亜日報の記事(2019/11/09)が「文芸春秋」12月号を引用して、元徴用工問題についての安倍首相の見解を載せている。
つまりこれが韓国に対する日本政府の態度だ。

「外交当局間の意思疎通はするが、政権として守らなければならない基本は絶対に譲歩するつもりはない」とし、従来の強硬な立場を固守した。

安倍氏、「元徴用工問題、基本は譲歩しない」

 

国家間の合意を守らない韓国に対しては、これがいまの日本の基本になっている。
また「絶対に譲歩するつもりはない」という強い決意には、いままでの反省が込められているはずだ。
読売新聞の記事(2019/11/05)でも、自民党総裁外交特別補佐の薗浦健太郎氏が韓国を厳しく批判する。

「自分たちが国際約束を破っておきながら、世界が問題を認識し始めると、とりあえず日本と仲良くしようとしている」と分析した。

北の意向に沿った決断、非常にまずい…韓国のGSOMIA破棄決定

 

でも、韓国に厳しい日本政府を嫌うメディアは山のごとし。
日韓関係の悪化で韓国側が困るようになった最近、日本が韓国にゆずるよう求める主張がよく目につく。

毎日新聞の社説(2019年10月25日)

物事を前進させる雰囲気を作り出そうという姿勢が日本側に見られなかったのは残念だった。

日韓首相が会談 不信の払拭へつなげたい

 

朝日新聞の社説(2019年10月25日)

互いに相手の譲歩を待つだけなら、放置と同じことだと悟るべきだろう。

日韓首相会談 放置しない、行動こそ

 

東京新聞の社説(2019年10月31日

外交交渉は、相手への譲歩や妥協も必要だ。韓国を「重要な隣国」(安倍首相)というのなら、原則論で押すだけではなく、寛容な姿勢で臨み、双方が納得できる着地点を探るべきではないか。

徴用工判決1年 協力して打開策探れ

 

「譲歩や妥協も必要だ」といっても、「ボイコットジャパン」などの反日活動で日本政府が動かされては困る。
日本は国際約束は守るし、相手にも守ってもらう。
この原則を貫くことは基本と同時に日本の国益でもある。
約束違反を黙認してできることは問題の先送りであって解決ではない。
「日本は揺すればゆずる」なんて成功体験を韓国にさせたら百害あって一利なし。

「韓国はゴールポストを動かす」と言っても、それはそれを認める人がいるからだ。
日本の中にも、韓国サイドに立って一緒にゴールポストを動かそうとする勢力がある。
その意味では日本も共犯者だから、韓国だけを一方的に責めるのは不公平。
「守らなければならない基本は絶対に譲歩するつもりはない」と日本が言っていれば、韓国がゴールポストを動かすことはできない。
長い目で見ればこれがウィンウィンになる。

 

ことし8月、ムン大統領は国民に向けてこう宣言した。

韓国大統領府ホームページのキャプチャー

 

これはいい言葉だと思う。
日本も反日活動で揺るがすことのできない国、ムービング・ゴールポストを認めない国を目指したほうがいい。

 

 

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近くて遠い日本と韓国 「目次」 ①

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ②

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ③

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。